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数学教育

教員一覧

准教授 岩田耕司

氏名 岩田 耕司(いわた こうじ)
所属 数学教育研究ユニット
出身地 広島県
最終学歴 広島大学大学院
博士課程後期単位取得退学
取得学位 修士(教育学)
本学着任 2010年

考えることを楽しめる教員に

専門の研究テーマについて

授業(教職実践演習)の様子
専門は、算数・数学教育学です。算数科や数学科の授業を主な研究対象とする学問領域ですが、その中でも特に、数学的思考や数学的問題解決の過程に興味をもって研究に取り組んできました。最近では、関数の指導に焦点を当てて、小学校から中学校の関数の系統的な指導の在り方について研究しています。学習の系統を考える際には大きく、教科内容の系統と認知発達の系統とを考える必要がありますが、関数領域では特に後者の系統が不明確だと思っています。具体的には、関数指導の場合、比例、反比例、一次関数、関数y=ax²といった、関数の種類による学習の系統(教科内容の系統)ははっきりとしていますが、その一 方で、それらの学習の中でどのような思考ができるようになるのか、深まっていくのかといった、 認知発達の系統ははっきりとしていません。最近は、このようなことをテーマに研究に取り組んでいます。

大学教員に進むことになったきっかけについて

出前授業(附属福岡中学校)の様子
元々は高校の数学の先生になりたいと思っていました。ただ、大学で勉強すればするほど自分の知識の無さを痛感するようになり、このまま先生になって良いのだろうかと悩んで大学院に進みました。結果として大学教員になったのは、 そのときの恩師の先生(指導教員の先生)や大学院の先輩方の影響が強いと思います。大学院で学んだ後に一度、現場に出て中学校と高校の数学の教員(勤務校が中高一貫校でした)をしていたのですが、 やっぱり先生は楽しくて、その当時はそのまま中高の数学の教員を続ける気満々でした。そんなある日、恩師の先生から電話があり、大学教員の募集があるから応募してみないかと言われ、断るにも断れず、どうせ受からないからという先生の言葉を信じて応募書類を送ったのが運命の変わり目だったのだと思います。

研究成果の教育への還元について

私の研究領域は、元々、算数科や数学科の授業を主な研究対象とするものですので、研究成果はもちろんですが、日々の研究のプロセスそのものも学生指導に(特に卒業研究や修士論文指導などで)生かせているように思います。自分の失敗した経験や苦労した経験に基づくアドバイスは、結構説得力があるのではないかと個人的には思っています。

こだわりの物・考え・モットーについて

DIYで作成途中の庭の水栓の水受け
私の考え・モットーは、「自分でできることは自分でする」です。教育の本質は「自律性を育てること」であることにも通じると思っています。自分自身、できることがどんどん増えるといいなと思っていますので、DIYでいろいろなものを作るのが好きですし、壊れたものを分解して修理することも好きです。最近では、自転車の車輪をスポークから組み直して修理したのですが、その過程でいろいろな発見があり楽しかったです(一番の発見は、スポークの長さを決めるのに数学Iで学ぶ余弦定理が使われていることでした)。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

ルーム所属学部生・院生
何よりも、自分で考える力、自分で考えようとする態度を身に付けて欲しいなと思います(教員になろうとしている人には特に)。何でも人に聞いたり、考えることを簡単に諦めてしまったりする人が、子どもたちに考えることの楽しさや大切さを伝えられるとは思いませんので。子どもたちと一緒に考えることを楽しめる教員になって欲しいなと思います。

学生から見た先生の魅力について

岩田先生は、優しくアットホームな先生です。また、いつも率直に的確なご意見を頂け、頼れる先生なので、先生のルームはとても人気があり、卒業生もよく訪ねてこられます。さらに、ご家族を大事にされており、学生をスキーに連れて行ってくれるフレンドリーな先生でもあります。岩田先生、修士論文頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願いします。
熊 美咲(くま みさき)さん (大学院教育学研究科教育科学専攻 教科教育創造コース数学教育領域修了)

准教授 今井一仁

氏名 今井 一仁(いまい かずひと)
所属 数学教育研究ユニット
出身地 長野県
最終学歴 広島大学大学院
教育学研究科
博士課程後期単位取得満期退学
取得学位 修士(教育学)
本学着任 2007年

「意義」を問い続けて

専門の研究テーマについて

「児童・生徒が算数・数学を学ぶ意義(価値・重要性)に気付き、それを実感し認識する授業創りと実践」をテーマに研究しています。そのような授業を創り実践するために、「算数・数学教育の目的」、「数学的活動」、「カリキュラム」と、それらに関わるキーワード(「教科等横断的」、「数学の歴史」、「オーセンティック(authentic:真正の、本物の)」、「モチベーション」、「経験単元」、等)に注目しています。大学生の時に取り組んだ卒業研究以降、一貫して、このテーマについて考えてきたように思います。

大学教員に進むことになったきっかけについて

主なものを挙げると、1つ目は「高校生の時に受けた数学の授業」です。その数学の授業をとおして、数学教育の理想像について考えるようになっただけでなく、改善の必要性も感じるようになりました。2つ目は「大学生の時に取り組んだ卒業研究」です。その卒業研究をとおして、研究することの難しさとともに、楽しさを感じることができました。そして、この卒業研究は間違いなく、現在の研究の土台になっています。3つ目は「恩師との邂逅」です。特に、教育哲学が専門であった大学時代の恩師からは、研究者・大学教員としての在り方等、様々なことを学びました。他にも「ご縁」や「運」は、大学教員になるのに欠かせないきっかけであったと思っています。

研究成果の教育への還元について

研究発表要旨や講義のテキスト(共著)など
自分自身で算数・数学の授業を創ったり実践したり(していただいたり)しますので、その過程や成果について、講義等で学生の皆さんにお話しするようにしています。また、研究発表会や研修会等では、教育現場の先生方に、自分の研究成果をもとに指導助言をしています。

こだわりの物・考え・モットーについて

ゼミの様子
研究や教育において、自分の個性を十分に発揮して、妥協せず、オリジナリティのある「自分だからこそ生み出せる」成果を残したいと思っています。また、教育について学生の皆さん等と議論する際には、「対等な立場で、自由闊達に」ということを大事にしたいと思っています。それが、よりよい教育の在り方を創造することにつながると思うからです。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

ルームの学生と
教員養成の拠点大学である本学の学生としての「自覚」と「矜持」と「覚悟」をもってほしいと思っています。そして、しっかりと力をつけて、将来、各学校で中心的な役割を担いながら、よりよい教育の在り方を創造していく教員になってくれることを期待しています。それだけに、講義等での指導は、ちょっと厳しいよ(笑)。

学生から見た先生の魅力について

研究では時に、簡単には答えの出ない難題を課されることもあります。でもそれは、私たちの研究を集大成としてより良いものにしてほしいという強い思いがあるからこそだと感じます。私たち学生が自分でしっかりと考えて出した考えであれば受け止め、尊重して下さるからです。それ以上に、ゼミの後に相談に行くと時間をかけて丁寧に指導して下さる、学生思いの先生です。私も子どものことを第一に考え行動できる先生になりたいです。
原田 紗季(はらだ さき)さん(初等教育教員養成課程)