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社会科教育

教員一覧

Pick Up!

教授 杉村伸二

氏名 杉村 伸二(すぎむら しんじ)
所属 社会科教育研究ユニット
出身地 島根県
最終学歴 関西大学大学院
文学研究科博士後期課程
取得学位 博士(文学)
本学着任 2007年

東アジア世界の中で日本の歴史を考えよう

専門の研究テーマについて

専門は中国古代史です。戦国後期から漢の武帝(前300年ごろ~前100年ごろ)あたりまでの時代の政治や制度について、『史記』などの文献史料や中国で出土した竹簡の解読、 遺跡の調査などを行い研究をしています。この時期は中華帝国の基礎ができる時代です。その後2000年も続く中華帝国が、どのように成立していったのかについて考えています。 

大学教員に進むことになったきっかけについて

研究室にて
生まれ育った家の周りに遺跡や古墳があり、小さなころから日本の古代史や考古学に興味がありました。最初は地元の島根で高校の歴史の教員か発掘調査に携われればと思っていましたが、大学で出会った中国古代史の先生に惹かれて、そのまま中国古代史を専攻し、大学院へ進学して研究者を目指すことにしました。

研究成果の教育への還元について

漢代の万里の長城の調査風景
私の専門分野である中国の歴史は、日本の歴史や文化の成り立ちに大きな影響を与えてきました。小学校や中学校社会科の歴史分野では日本史が中心になりますが、中国史の側からみると、また違った視点で日本の歴史が見えるようになります。そうした点を意識しながら、 中国から見た日本の歴史や中国と日本との交流について学生たちに伝えています。とくに福岡は古くから中国との交流が盛んで、多くの遺物や遺跡が残されています。それらを小学校や中学校の歴史の授業の中で活かせるように工夫しています。

こだわりの物・考え・モットーについて

学校教育課題研究の様子
特にこだわっている考え方などはありません。むしろ、歴史学の研究を行う時には「こだ わらない」ことが重要だと思っています。自分の考え方や歴史の見方が絶対ではないということを常に考慮に入れておき、新しい見方 や自分とは異なる別の視点からの考え方があれば、もう一度考え直さなければなりません。自分の考え方にこだわって、新しい見方や考え方から目を背けないように気を付けています。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

大学生のうちに様々なことを経験してください。勉強はもちろんですが、アルバイトやサークル活動、旅行や映画鑑賞などの「遊び」も含めて。卒業すると、なかなかまとまった時間は取れなくなります。今経験したことが将来の自分の 「引き出し」になります。学生時代にたくさんの 「引き出し」を準備しておいてください。

学生から見た先生の魅力について

学校教育課題研究で学ぶ学生たち
杉村先生は、いつも親身になって相談に乗ってくれるとても親しみやすい先生です。 学校教育課題研究等で困ったことがあったら、すぐに先生のところへ相談に行きました。多忙にもかかわらず、的確なアドバイスをしていただき、本当にありがたかったです。 また、非常に知識が豊富で、しかもその説明や解説がとても面白くて分かりやすいです。深い教養を基に、楽しく授業が出来る杉村先生はとてもかっこいいです。
武藤 晃大(むとう こうだい)さん(初等教育教員養成課程4年)
石倉 直志(いしくら なおゆき)
さん(初等教育教員養成課程4年)
香月 翠(かつき みどり)
さん(初等教育教員養成課程3年) 
木村 美咲(きむら みさき)
さん(中等教育教員養成課程社会科専攻3年)

准教授 谷本純一

氏名 谷本 純一(たにもと じゅんいち)
所属 社会科教育研究ユニット
出身地 京都府
最終学歴 法政大学大学院
政治学研究科政治学専攻
博士後期課程修了
取得学位 博士(政治学)
本学着任 2012年

役に立つか、立たないかではなく

専門の研究テーマについて

研究ノート
専門は西洋政治思想史で、イタリア政治思想史の研究で博士学位を取得しました。現在はイタリア政治思想、特に1920~30年代に活動したアントニオ・グラムシの思想を研究する傍ら、「政治」概念を古代ギリシアにおける捉え方と関連付け、経済的要素から独立した概念としての再構築に向けた研究を行っています。

大学教員に進むことになったきっかけについて

授業風景
小学校時代から、近現代史や公民分野が得意で、当初は法律家を目指していましたが、政治学分野の方に関心が移り、さらに大学3年次に政治理論のゼミに入ったことがきっかけとなり、政治理論・政治思想研究の道に進もうと決めました。

研究成果の教育への還元について

ゼミの様子
政治思想や政治理論というものは、一見わかりにくいかもしれません。小中学校では、どうしても制度的な側面が中心になります。しかし、制度というものは、国ごとに異なります。例えば、なぜアメリカは二大政党で、ヨーロッパ諸国は多党制なのか、という問題。この答えは、政治理論から導き出すことができます。各国ごとの制度の違いと共通点、これは、長年にわたる研究の蓄積から一般化された理論を知っているか否かで、理解できるか否かが格段に違ってきます。多くの国の制度を個別に学ぶことももちろん重要ですが、制度の背景となる理論を学ぶことで、小中学校の教科書の内容の背後にある知識を身につけることができるよう工夫しています。

こだわりの物・考え・モットーについて

今すぐ役に立つか否か、で物事を考えないことです。現在存在する様々な便利な物の背後には、発明・開発はされたが実用化されなかった大量の物が存在します。学問においてもそれは当てはまります。膨大な学問的成果があるからこそ、その中から私たちの生活を便利にする技術が生まれてきたわけです。取り組んでいる研究と直接関係ないような書籍を読んでいて、別の角度からヒントを得、研究を拡大できたことは何度もあります。もし古代の哲学者が、目の前の要不要だけで思考していたならば、私たちの知識や生活はもっと貧困なものだったことでしょう。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

モットーと関わりますが、自分の専門や教採などと直接関係あると思えないようなことにも興味をもち、大学生活でしかできない様々な経験をしてください。我々教員が皆さんに伝えることができるのは知識の一部にすぎません。大学生活というものをもっと広くとらえて、あらゆる経験が将来に生きると考えて大学生活を送ってほしいと思います。

学生から見た先生の魅力について

谷本先生の魅力は、その見識の深さならではの授業の満足度の高さです。
政治学は幅広い分野を扱う学問であり、人によって様々な捉え方がある学問といえます。そのような学問を学ぶ中で、知識の豊富さは大きなアドバンテージになります。私自身は、実際授業の中で疑問があったとしてもすぐに解消され、また政治学ゆえの難しさを感じることもありますが、丁寧な解説や補足がなされ、より深い学びにすることができていると感じています。
吉原 怜生(よしはら れお)さん(中等教育教員養成課程社会科専攻)