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特別支援教育

教員一覧

Pick Up!

教授 相澤宏充

氏名 相澤 宏充(あいざわ ひろみつ)
所属 特別支援教育研究ユニット
出身地 神奈川県
最終学歴 筑波大学大学院博士課程心身障害学研究科
取得学位 博士(教育学)
本学着任 2005年

積極的な孤独のすすめ

専門の研究テーマについて

聴覚障害児心理学が専門です。大学院では、プライミングという手法を使って、聴覚障害児がどのように言語を処理し、その特徴はなにかということを研究しました。本学に赴任してからは、聴覚障害児について、教育の中でどのような見方、アセスメントをすると良いのかという観点から、言語の分析やそれ以外の発達的特徴について検討してきました。

大学教員に進むことになったきっかけについて

学部では、心理学を学び、それを障害のある方の教育に活かせることを知りました。知的好奇心から自分の研究室以外のゼミにも参加したところ、他大学の先輩にその先輩の通う大学院を勧められました。大学院では、研究や障害児の教育に真剣に向き合う恩師、先輩や友人等の環境から影響を受け、現在に至っていると思います。好奇心と出会いです。

研究成果の教育への還元について

ゼミの様子
なにをもって還元というのか難しいですね。すこしでも、聴覚障害児の読み書き能力が向上してくれればということですが、実際には現場の先生の不断の努力によって実現するものです。私を含めた多くの研究者で確かめてきたことが、少しずつ浸透し、教育を変えてゆく。これが還元ではないでしょうか。

こだわりの物・考え・モットーについて

極端な道はわかりやすいですが、それは正しい認識につながらない。「中道」ですね。また、「教育」については様々な捉え方ができると思います。そのひとつを例に挙げると、知的な負荷です。筋トレの体の負荷のように少しずつ、バランスよく向上させるものだと思います。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

学生による模擬授業
学校も時代とともに変わってゆきます。理想の学校をみなさんが作ってください。そのためには、多くのことを学ぶ必要があります。学校のどこを変えずに、どこを変えたら良いですか。
学生生活では、積極的な孤独をお勧めします。情報過多の時代。情報不足で退屈する時間も大切。考えを整理したり、新しいものへの興味のきっかけとなります。新しい自分に変わった時にはじめて、学習したと言うのです。

学生から見た先生の魅力について

研究室の様子
附属福岡小学校・中学校の校長の経歴もある先生は、特別支援学校のみならず、附属実習の相談にものってくださります。きめ細かい指導が受けられることが特徴です。
卒論作成に漠然とした不安がありましたが、発表までのスケジュールも確立されており、先生の豊富な経験の下研究を進めたいと思いこの研究室に入ることを決めました。春休みに論文を読むために重要な統計学の講義もあり、同期の学生とも仲良くなることが出来ました。3年のゼミでは心理学の教科書や、自分で選んだ論文を紹介します。論文を読んだり、要約する機会が沢山あり、実力がついたと思います。
また、学習の他に年間で様々な行事を行っており、学年を超えて絆を深めることが出来る研究室です。
木村花音(きむらかのん)さん(特別支援教育教員養成課程初等教育部聴覚障害児教育)

教授 見上昌睦

氏名 見上 昌睦(けんじょう まさむつ)
所属 特別支援教育研究ユニット
出身地 山口県
最終学歴 金沢大学大学院教育学研究科修士課程
取得学位 博士(教育学)(東京学芸大学、2012年)
本学着任 1999年

特別支援教育に配慮した教育実践の創造を

専門の研究テーマについて

特別支援教育における言語障害児教育です。その中の話し言葉の流暢性の障害である 「吃音」に関する教育的支援を専門にしています。吃音をはじめ言語障害のある子供の多くは通常の学級に在籍していますが、学級担任による配慮・支援や通級による指導等における専門的な指導のあり方について検討してい ます。

大学教員に進むことになったきっかけについて

私自身に吃音があり、「吃音のことをもっと知りたい」と思ったためです。特別支援学校教諭から私立短期大学の児童福祉学専攻(保育士養成課程)の助手(助教)に転身しました。2016~2019年度の附属幼稚園長職にも生かせた有用な経験や出会い(「はらぺこあおむし」翻訳者の故森久保仙太郎先生とも交流)も多くありました。本学着任後、2003年度後半に米国イリノイ大学に滞任(研修)させていただき、関係する分野の世界的な研究者と交流したり、 教示をいただいたりしたことは大きな財産になっています。

研究成果の教育への還元について

吃音を中心に言語障害のある子供の教育相談については、本学特別支援教育センターで担当し、学生共々学ばせていただいています。研究成果については、大学の授業や言語障害通級指導教室の研究会等で紹介するようにしています。初年次の授業科目「特別支援 教育と介護入門」のテキスト(共著)を2019年7月に刊行しました(2021年9月に第2版刊行)。

こだわりの物・考え・モットーについて

国際音声言語医学会(台湾・台北市)における ePosterセッションの様子
子供の指導・支援に際して、「遊び」の要素を取り入れることを考慮しています。たとえば、カメのぬいぐるみにゆっくりとした話し方を喩えるなど「言葉遊び」の感覚で話し言葉の流暢性を促すように工夫したりしています。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

附属幼稚園では、チームワークの大切さや、 園児と家族、職員が“自己発揮できる”、“居心地のよい”環境づくりなどについても学ばせていただきました。学生の皆さんには、専門性を身に付けながら、子供達が自分らしさを発揮しやすいアットホームな学級を育んでいける教師になってほしいと願っています。また、特別支援教育にも配慮した教育実践を創っていっていただけることを願っています。

准教授 韓星民

氏名 韓 星民(はん すんみん)
所属 特別支援教育研究ユニット
出身地 慶尚南道・固城郡(韓国)
最終学歴 立命館大学
先端総合学術研究科
先端総合学術博士課程
取得学位 博士(学術)(立命館大学、2011年)
本学着任 2012年

支援機器を活用した視覚障害教育

専門の研究テーマについて

ロービジョン学会で座長を務める様子
視覚障害教育を担当しています。特に、触覚・点字・支援機器に関する研究が専門です。視覚障害者は、視覚情報を補うため多くの支援機器を使用しています。支援機器は、通常の生活場面だけでなく、就学・就労場面に至るまで必要になるため、早期からの教育が大切になります。科学の目覚ましい発展は視覚障害児者の生活を便利にしています。

大学教員に進むことになったきっかけについて

視覚障害者のための支援機器メーカーに勤めていた際、障害関連学会に誘われたのが研究を再開する切っ掛けとなりました。大学院修士課程を終了後会社勤めをしていたのですが、博士号を取りたいと決心し、会社の名刺以外に、「フリー研究人」という名刺を作って学会活動を始めました。博士号審査委員であった東京大学先端科学技術研究センターの中邑教授のお誘いで、東大先端研の研究員になったのが本格的な研究生活の始まりでした。

研究成果の教育への還元について

ベトナムで視覚障害教育を担当できる教員養成を行う様子
支援機器の開発経験と盲学校生活で得られた現場知に基づいた教育を試みています。とくに視覚障害教育で必要な支援機器に関しては、授業や教育相談を通じて自由に使いこなせるレベルまで教育を行っています。

こだわりの物・考え・モットーについて

触覚に関する研究に興味を持ってから、木材や家具をはじめ、あらゆるものの手触りについて調べています。特に木の種類と手触りの関係性については趣味の領域になってきました。好きなものや疑問を感じたもの、知りたくなった事柄に関しては納得がいくまで調べる傾向があります。中には一つの疑問に対し5~6年掛けて調べるものもあります。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

一生続けられる好きなもの・得意なものを一つ見つけることをお勧めします。それと、大学生活やボランティアなどの活動を通じて出会った友達は一生ものです。

学生から見た先生の魅力について

令和5年度卒業生と
卒業論文では、的確なアドバイス、御指導をいただきました。ゼミでは、研究室の所属学生一人一人の多様な考えを尊重してくださるので、全員が楽しく授業に参加することができていたように思います。普段の授業では、視覚障害教育における様々な支援機器を用いた実践的な内容を取り扱ってくださっていたので、とても勉強になりました。御指導いただいたことを今後に生かしていきます。
鶴成 杏華(つるなり きょうか)さん(特別支援教育教員養成課程中等教育部知的障害児教育)

講師 喜屋武睦

氏名 喜屋武 睦(きゃん ちかし)
所属 特別支援教育研究ユニット
出身地 沖縄県
最終学歴 東京学芸大学連合学校
教育学研究科
取得学位 博士(教育学)
本学着任 2019年

まだ出会っていない自分を知るための学びを

専門の研究テーマについて

ゼミ風景
 聴覚障害児教育が専門です。大学院では、特に音声の韻律的側面(アクセントやイントネーション)に着目して、聴覚障害児の言語発達について研究を行ってきました。本学に着任してからも継続しつつ、最近では言語発達的な観点だけでなく聴覚障害児の感情理解や社会性の発達に関する領域への応用を目指しています。また、聴覚障害児を育てる保護者に対する支援の在り方についても関心をもって研究を行っています。

大学教員に進むことになったきっかけについて

将来に対する漠然とした不安を抱きながら20代前半を過ごしていましたが、学部及び大学院時代の指導教員の研究活動を見て、「研究という立場から子どもや学校の役に立てる道もあるかもしれない」と思ったことがきっかけです。昔から要領は良くなく、失敗や挫折ばかりでしたが、周りに支えられて何とか今の自分があると強く感じています。

研究成果の教育への還元について

子どもの指導での教材例
子どもと関わるとき、常に考えや行動の根底に根拠を置いてほしいと思っています。それは、これまでの研究で得られた科学的根拠は勿論のこと、そこには表れにくい、自身の体験や社会との関わりによる経験から省察を繰り返して導き出されるものも含まれると考えています。大学の授業や研究室で取り組んでいる子どもへの指導では、教育課題に対して、これまでの研究成果を用いて常に“なぜ”を考えることを教員を目指す大学生の皆さんと共有することを心掛けています。そのことが、将来的に子どもや学校への還元にもつながると考えています。

こだわりの物・考え・モットーについて

こだわりではありませんが、私はとてもおしゃべりなので、ストレス解消のためにも人と話す時間を作ることができるように心がけています。人と話す中で相手の考えに触れ、自分の考えをアウトプットすることで改めて考えを振り返り修正することができるからです。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

 大学時代は様々なことを学べる貴重な時期です。自分の意志で取り組んだことだけでなく、偶発的に経験する(直面する)事象は今までで知らなかった自分に出会える絶好のチャンスだと思います。自分の中にあるものしか人に教えることはできませんので、大学時代にこれでもかというくらい自分を肥やしてください。また、“コスパの良い”大学生活にするために、大学という資源をフルに活用してください。

学生から見た先生の魅力について

ゼミ生と
喜屋武先生は、学生の興味あることや学びたいことについて親身にお話を聞いて下さり、学びの場を提供して下さるとても学生思いで優しい先生です。週一回行われる学習活動では、障害のある子供たちと関わることができる機会を設けてくださっています。指導方法を一緒に考えて活動していくため、とても貴重な経験になります。
また、勉強面だけでなくて、生活の中の悩みや不安なども親身に聞いてくださいます。
是非喜屋武先生のルームへお越しください。後悔はしません。
中島 陽(なかしま みなみ)さん(特別支援教育教員養成課程初等教育部知的障害教育)