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音楽教育

教員一覧

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教授 木村次宏

氏名 木村 次宏(きむら つぎひろ)
所属 音楽教育研究ユニット
出身地 滋賀県
最終学歴 広島大学大学院
教育学研究科博士課程
前期修了(後期中退)
取得学位 教育学修士
本学着任 1988年

多くの経験や人との出会いを大切に

専門の研究テーマについて

私の専門分野は音楽教育学ですが、研究をはじめた頃は、音楽演奏スキル習得のメカニズムに興味があり、心理学的な側面からその問題に取り組んでいました。現在は、音楽科教育の指導法や教材研究等に関する実践的な研究を進めています。また音楽科の存在意義について、教育思想の変遷や学校教育を取り巻く現代的諸課題等を踏まえながら、理論的な考察も行っています。

大学教員に進むことになったきっかけについて

自分が音楽・音楽科教育と関わるようになったそのきっかけの一つに、小学校の時に音楽を教えていただいた先生との出会いがありました。その先生のおかげで音楽が好きになり、 大学を卒業した後は中学校教員として4年間勤めました。その後、音楽科教育についてさらに勉強してみたいという思いが強くなり、大学院に進学し、研鑽を積み、今度は大学教員としてこの福岡教育大学に勤めることになりました。一昨年度までは、附属福岡中学校の校長 (平成27年度~29年度)も経験させていただきました。大変なこともありましたが、自分の教員生活の中で本当に貴重な3年間でした。

研究成果の教育への還元について

これまでの自分のキャリアを生かしながら、大学と学校現場・教育委員会等との有機的な連携を図り、教員養成から現職教員の研修までを含んだ「実践知」の習得を基盤とした研究を推進しています。また小学校・中学校の入学式・卒業式、合唱コンクール、学習発表会等での音楽活動の指導支援も学生と共に取り組ませていただいています。

こだわりの物・考え・モットーについて

出前授業(附属久留米小学校:3年生)の様子
音楽を「教える」ということについて:音楽は実際の音を通して考え・感じるものです。音楽科の授業においては、まずは先生自身が音楽を楽しんでいる姿を見せること、そして子どもたちと一緒に音楽を楽しむことが大切です。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

大学での授業の様子
「学びて思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し (孔子『論語』より)」という名言があります。大学では多くのことを学ぶ機会があると思いますが、人から学ぶばかりではなく、自分で考えて答えを導き出す力を身に付けることも必要です。色々な経験や人との出会いを通して多様なものの見方・考え方を働かせ、物事の本質を見極めることができる社会人になれるように頑張って下さい。

学生から見た先生の魅力について

木村ルーム所属の学生たち
木村先生は、いつも私たちのことを気遣って下さる優しいお父さんのような存在です。 ルーム生をはじめ、みんな何か困ったことがあったら先生のところによく相談に行きます。 授業も楽しくてとても分かりやすいです。自分が教師になったら木村先生のような授業ができるようになりたいです。そんな先生は、休日には山登りや散歩をして健康維持に努めていらっしゃるそうです。お体に気を付けて。これからもご指導よろしくお願いします。
坂本 茉由(さかもと まゆ)さん(中等教育教員養成課程 音楽専攻4年)

准教授  山中和佳子

氏名 山中 和佳子(やまなか わかこ)
所属 音楽教育研究ユニット
出身地 岡山県
最終学歴 東京藝術大学博士課程
取得学位 博士(学術)
本学着任 2012年

感覚を研ぎ澄ませ五感を働かせる経験を通して

専門の研究テーマについて

愛用のフルートとリコーダー
修士課程器楽専攻でフルートを学んだ後、音楽教育学を学ぶために同大学の修士課程と博士課程に進みました。音楽教育学に進んだ背景には、人間(自分を含めて)が楽器を演奏する意味は何なのか、なぜ学校教育で楽器を用いた音楽学習をするのかという自分の経験から生まれた素朴な疑問がありました。そこで、2度目の修士課程及び博士課程では日本の学校音楽教育の器楽指導、特にリコーダー指導の変遷について研究しました。現在ではこの経験をもとに、主に学校教育における器楽活動に焦点を当て、歴史的な研究とともに実践的研究も行っています。

大学教員に進むことになったきっかけについて

実は奥が深い鍵盤ハーモニカ
歴史的な研究だけでなく、大学院での研究 成果を生かしながら、もっと現在の学校現場に関わり学校音楽教育に関する実践的な研究も深めたいと思ったことがきっかけの一つです。また、現在音楽に向き合っている大学生に対して、一緒に楽器を演奏したり教科教育に関する講義・演習を行ったりすることを通して、音楽の奥深さを感じながら人間と音楽の関係性に興味をもってもらいたいと思ったからです。 

研究成果の教育への還元について

現在は本大学で音楽科教育の内容に関する授業をする他に、福岡県内小中学校の先生方と音楽科全般に関する実践的研究を進めています。子供たちの深く楽しい音楽学習を支援するには?表現の技能を高めるための学習とは?など真剣に意見を交わしながら、時には美味しいお菓子を食べながら、教材研究や検証授業を行っています。また、本大学院生と一緒に小学校に出向いて演奏会を開き、フルートを演奏したり歌ったりして子供たちに生の音楽を届けています。

こだわりの物・考え・モットーについて

五感を刺激する経験をたくさん持ちたいと思っています。フルートやピアノを演奏したりコン サートで生の音楽を聴いたりすることはもちろん、絵画を見たり、焼物や布などを触ったり色を楽しんだり、旬の食べ物や外国・日本の各地域の特産品を味わったりしています。ベルギーの漫画家エルジェによる『タンタンの冒険』シリーズは子供の頃から大好きで、研究室と自宅にフィギュアやポストカードを飾って、疲れた時に眺めて癒されています。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

学割を活用してコンサートや美術展などに通って、五感を働かせる経験をたくさん重ねてほしいです。それらの経験がすぐに役に立つというわけではないかもしれませんが、言葉だけでは表現しにくい感情を揺さぶるような機会をもつことは、自分自身を知ることだけでなく様々な世界に生きる人や文化に向き合い理解することの土台をつくっていくものに繋がっていると思います。ぜひ自分の感覚を研ぎ澄ませて、音や色や文化との新しい出会いをつくってください。

学生から見た先生の魅力について

山中先生は一見クールな印象があったのですが、授業を受けたり、先生とお話をしたりすると、ちょっとおちゃめところもあり、また、授業以外でも親身になってアドバイスをくださる本当に親しみやすい先生です。
髙田 敏子(たか だ さと こ)さん (中等教育教員養成課程 音楽専攻4年)

講師 篠原 友里

氏名 篠原 友里(しのはら ゆり)
所属 音楽教育研究ユニット
出身地 山口県
最終学歴 福岡教育大学
教育学研究科教育科学専攻
取得学位 修士(教育学)

様々な経験を通して心豊かに

専門の研究テーマについて

個別ピアノ指導の様子
私の専門分野は演奏学(ピアノ)です。特にロマン派~近代の作品に取り組み、演奏解釈や表現技法の研究を行っています。これらの研究を深めることによって、音色の変化や表現の繊細さがうまれ、より豊かな音楽表現が可能になります。作曲家の意図や、作品スタイルの理解も深めながら、表現したい音楽のイメージを音にするためにはどのような打鍵が必要か、といった「表現するために必要な技術」についても、常に追求しています。 また小学校教員を目指すピアノ初学者に向けた教材制作や、実際の教育現場で扱う教材を用いて指導するために必要な基礎的スキルを、効率よく身につけ活用するための指導法についても研究しています。

大学教員に進むことになったきっかけについて

ピアノは人々の心を癒し、心を豊かにする力があると私は考えています。今までピアノを師事した先生方との出会いが、ピアノをもっと深く勉強したい・演奏活動を続けていきたいという思いとなり、大学院へ進学、そして今につながっています。

研究成果の教育への還元について

アウトリーチ活動の様子
私自身が小学校での音楽アウトリーチ活動や、多くの演奏家との共演を継続的に行うことで、ピアノ演奏に必要なテクニックの指導はもちろん、様々な演奏スタイルに見合った表現方法のあり方を研究成果として、私の音を通して学生に伝えていくことができると考えています。そして学生は、日頃の勉強の成果を披露する場として、学外のコンサートホールで演奏する機会をつくり、舞台経験を積んでいきます。そこで得られる演奏技術の向上とともに、音楽を表現する楽しさや喜びを経験することで、学生が教育実践の場で自信を持って、音楽と向き合える環境を作るよう努めています。
音楽を通して地域社会や学校教育現場で活躍できる人になってほしいと願っています。

こだわりの物、考え、モットーについて

指導学生による学外での演奏会終演後の様子
音楽分野に限らず、様々な経験を重ねていくことが、自身の音楽を豊かにする源になると考えています。人との出会いや縁もそうです。
人生の一つ一つの経験に決して無駄なものはなく、全てが今に繋がっていると感じています。日々の出来事全てに、感謝の心を持ち続けていたいです。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

「他人と比較して、他人が自分より優れていたとしても、それは恥ではない。しかし、去年の自分より今年の自分が優れていないのは大いなる恥である。」
これは、イギリスの銀行家であり政治家でもあった、ジョン・ラボックの言葉です。 他人と比較して一喜一憂するのではなく、大切なのは、過去の自分との比較です。向上心を持ち、努力を惜しまず、常に成長し続けてほしいと思います。

学生から見た先生の魅力について

篠原先生と丸子さん
篠原先生は、いつも熱心かつ親身にご指導くださる、笑顔が素敵な先生です。実技指導では、私の表現したい音楽を尊重しつつ、よりよい表現方法を一緒に考えてくださいます。また、実技だけでなく学校生活や精神面についても常に気にかけてくださり、実技以外でも相談にのってもらうことがよくあります。そんな先生は、大学での指導の他に学外でも演奏活動をされており、多岐に渡って活躍している姿は学生たちにとって憧れの存在です。
丸子 美都(まるこ みくに)さん (中等教育教員養成課程音楽専攻4年)

講師 川上健太郎

氏名 川上 健太郎(かわかみ けんたろう)
所属 音楽教育研究ユニット
出身地 東京都
最終学歴 東京学芸大学大学院
取得学位 修士(教育学)
本学着任 2023年

専門の研究テーマについて

専門領域は、芸術実践論(ピアノ演奏学)と教育学です。芸術実践論における主たる研究は近代フランスのピアノ作品や歌曲伴奏の演奏法です。Faureの作品を中心として、DebussyやRavelの作品の演奏法の研究をしています。又、J.S.Bachを中心としたバロック音楽、MozartやBeethovenといった古典派の作品についても分析的な視点から研究をしています。
教育学では、高等教育の授業実践の研究をしており、高等教育機関におけるピアノ教育や「弾き歌い」の研究を行っています。又、教育者と研究者という自身の双方の立場を生かして、高等教育機関における「アウトリーチ活動」の実践的研究も行っています。

大学教員に進むことになったきっかけについて

大学・大学院と合わせて6年間私を指導してくれた大学教授との出会いがきっかけの一つです。大学一年生の夏頃に「大学教員になりたい」という想いが芽生え、その先生をロールモデルとして意識するようになりました。ただ、大学院を修了した後、大学教員になるためには、具体的にどのようなフィールドで何に取り組めば良いのか分からず悩む日々が続きました。そのような試行錯誤をしていた中で、様々なご縁も重なり、非常勤助手として前大学で採用して頂き、大学教員としてのスタートラインに立つことができました。
大学教員になって6年目(2023年3月時点)ですが、ここまで続けることができたのは、自身が「変わりたい!」と思える刺激を与えて下さった方との出会いがあってのことです。「高等教育とは何か」について考える視点を下さった上司との出会いや授業設計や教授方法について教えて下さった先生、なかなか成果が出ず苦しんでいた際に、自身の音楽観やピアニズムを変えて下さったピアノの師匠たちなど、私に寄り添い、成長させて下さった方々とのかけがえのない出会いが私の活動の基盤を築いていると言えます。

研究成果の教育への還元について

教育者と研究者という自身の双方の立場を生かし、授業実践を研究することで、研究成果を高等教育のよりよい授業づくりに還元することができると考えています。又、これまで取り組んできた「アウトリーチ活動」の研究を基盤として、高等教育機関と学校教育現場や地域社会との繋がりを捉えた実践的な研究に取り組むことが現在の研究課題です。

こだわりの物・考え・モットーについて

私の仕事に対する考え方とも関連しますが、「挑戦」と「献身性」を大切にしています。失敗を繰り返しながらも困難な課題に果敢に立ち向かうことを通して人は少しずつ成長していきます。その際、ただやみくもに努力するのではなく、達成するための方法を思案し、正しい方向性で充分な努力がなされることによって、挑戦した成果が出てくると考えます。本来、仕事とは「自分以外の他者のために自身の特性や能力を活かして行うもの」であると考えますが、自分自身のためになされた仕事によって得られるものは、社会に還元されることは少ないでしょう。それぞれの専門性を生かした上で、誰かのために「献身性」をもって課題に挑戦することによって、より良い社会が形成されていくのではないでしょうか。

福岡教育大学で学ぶ学生に一言

大学での学びや他者との対話を通して「審美眼」を養ってほしいと思っています。審美眼とは、「物事の本質や価値を見極める能力」のことです。情報が氾濫する今日において、どの情報を信頼し、物事の本質や価値を判断していくかによって、学びの深まりは大きく異なると思います。