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お知らせ
2023/10/23

福岡教育大学におけるChatGPT 等の生成系AI の業務利用時での注意点について

令和5年10月23日
福岡教育大学長
 

昨今、ChatGPTをはじめとする生成系AI が急速に普及しています。文章や画像等を生成するAI の利活用は、利便性や生産性の向上など、人間や社会そのものの変容を導く可能性を秘めています。その一方で、AIの信頼性や誤用・悪用などの懸念やリスクといった負の側面も指摘されています。
既に本学では、令和5年6月27日付けで「本学におけるChatGPT 等の生成系AI の利用における注意点について」を学生向けに発出し、注意を喚起したところです。
さらには、近時、文部科学省や国立大学協会からも生成AI の利用に関して、通知や見解が示されています(注)。
これらの通知等を参酌しつつ、本学における生成系AI の利活用について、本学教職員に対して、下記のとおり周知します。
なお、この通知は、現時点における本学の考え方を示したものであり、今後の状況変化を踏まえて内容の見直しを行うことがあります。

1.基本的な方針

本学では、生成系AI の利用について一律に制限することはありません。生成系AI の負の側面を克服しつつ、新しい時代につながりうる技術として積極的な活用を試みていきます。

2.全体にかかる注意点

生成系AI の利用については、「情報の入力」と「結果の利用」の2点に注意することが必要です。
情報の入力は、「入力した情報がAI に利用される」ため、意図せず情報が流出する可能性があります。自分または他者の個人情報や未公開の情報、機密情報等を入力することで、情報漏洩を起こすことになります。
結果の利用は、「著作権や商標権などの権利侵害」と「偽の情報」が含まれてないかを確認する必要があります。確認をしないまま、結果を利用すると法律違反などを起こすことになります。

3.教育活動における活用について

  • 学習指導要領では、情報技術を学習や日常生活に活用できるようにすることの重要性が強調され、学校現場では指導する教師の側にもAI リテラシーが求められています。これを踏まえ、教員養成を使命とする本学においては、授業において生成系AI の使用を禁止することはしません。
  • ただし、授業の特性や教育目標、達成目標によっては生成系AI の利用を禁止した方がよい場合もあります。使用を禁止する場合は授業の中(またはシラバス等)で学生に注意喚起してください。
  • 課題、レポート、卒業研究(学校教育課題研究)等で生成系AI の使用を認める場合には、使用した生成系AI の種類、使用箇所、プロンプト(質問・作業指示)を明記するよう学生に指示してください。
  • 生成系AI では安易に解答が得られない課題や出題形式を検討してください。ただし、生成系AI に答えられない出題を追求するあまり、過度に難易度が上がるなど本来の教育目的や学習目標を見失わないよう注意してください。
  • AI が生成した文章かを判定するツールを学修成果の評価等に使用する場合でも、その結果を過信しないようにしてください。

4.研究における利用について

  • 研究公正の観点から「ねつ造」、「改ざん」、「盗用」、「情報漏洩」といったリスクに留意し、研究不正等が生じないよう留意してください。
  • 所属学会や論文投稿先の規則を遵守してください。

以上

5.大学業務運営における利用について

  • 効果的・効率的に大学業務を進めるとともにその質を高めるため、業務補助として試行的に利用を認めます。
  • 生成系AI は日々進化を遂げており、教職員は生成AI の知識や機能、情報リテラシ-等を主体的に学びつづけることが必要です。
  • 業務効率化の観点から生成系AI の利活用を進める中で、本学及び他大学の好事例を共有し学ぶことにより、更なる業務改善につながるスキルを獲得することを目指します。
  • 入学者選抜においては、受験者が事前に作成する文書等について、生成系AI を利用する可能性を排除できないことを踏まえ、アドミッション・ポリシーに基づいた適正な入学者選抜が実施できるように留意して業務を進める必要があります。

各種通知 (発出日現在。今後更新する可能性があります。)