
令和4年度 優秀教育実習生賞 受賞
今しかない子どもたちの一瞬に全力で寄り添い続けたい。
初等教育教員養成課程
田底 百伽さん
TAZOKO MOMOKA
これからの時代に必要な「主体的・対話的で深い学び」のために。

大学で、これからは子どもたちが「主体的・対話的で深い学び」をすることが大切だということを学んだため、実習では特にそれを具体的にイメージできるように意識しました。一年次の体験実習では、授業参観や宿題の丸付け、休み時間と給食時間の交流が中心でしたが、放課後に担任の先生とクラスの様子や気付いたことについてお話させていただくこともありました。そして二年次の基礎実習では、子どもが「問題解決をしたい」「学ぶ価値がある」と思える授業づくりについて学習指導案を検討し合い、観察参加でも実際の授業や協議会の様子を見ながら「自分ならどんな発言をするだろう?」と考えました。
実際の三年次の教育実習では、子どもが「学んでみたい」と思えるように、シールを使ったり、子どもが自由に操作できるものを作ったりと工夫しました。授業が思うように展開できず悩むこともありましたが、先生方があたたかく声をかけてくださったり、学級終礼の際に一度「ほめほめタイム」の時間を設けてくださったりとサポートしていただき、充実した実習をやり遂げることができました。お互いに励まし合った教育実習生の仲間やお世話になった先生方みんなに感謝しています。
学校へ行くたびに、子どもたちの成長を感じる毎日!

子どもたちは、学校に行く度に何かしらの成長をしています。実習の間は、子どもとの触れ合いの中で成長を見つけることが毎日の楽しみでした。特に印象に残っているのは、四年次の教育総合インターンシップ実習で、子どもが友達と相談し合いながら学び合っていた姿です。実習先は母校の小学校で、完全複式の学校でした。複式学級の授業を経験できたことも貴重な体験でしたが、それ以上に、少人数であることを活かして自分たちで解決しようと互いの考えを楽しそうに語り合う場面が、とても微笑ましかったです。
教育総合インターンシップ実習では学級経営についてより学ぶことを目指し、朝の会の前に学級全員で取り組む宝探しゲームを取り入れたり、自己紹介の際に友達のよいところを紹介し合ったりするといった活動を取り入れて、子ども同士が自らつながるようなきっかけづくりを実践しました。さらに運動会にも参加させていただき、地域・学校・家庭のつながりの重要性というものを改めて実感することができました。
一生に一度しかない今日をともに過ごし、寄り添い続ける大切さ。

私が4年間の実習を通じて学んだもっとも大きなことは、子どもに寄り添い続けることの大切さです。子どもの言動には必ず背景があり、それは子ども自身の思いや願い、家庭での出来事、友達との会話など様々です。ある場面では好ましくないと思うことも、子どもにとっては切実な背景があるはずです。そして実習先の先生方の指導は、すべて根底に「子どものために」という思いがあることを感じました。教師の教育的愛情の重要性を強く感じ、私も「子どもの一瞬を視て、意図的に関わることができる教師」になりたいと考えました。
教師の何気ない一言や行動は、子どもにとって大きな影響を与えます。言葉一つ、指の動き一つ、子どもは教師をよく見ています。だからこそ学級にいるすべての子ども一人ひとりにとって一生に一度しか経験できない今日を、授業を、一瞬を大切に、教師として誰一人として見捨てることなく意図的に関わりたいと思います。来年度から教師になる身として、自分自身の価値観を広げ深めるために、より多くのことを大学で学びたいと思います。そして教師になってからも学び続けたいです。この努力が、来年度から出会う子どもたちと過ごす充実した時間につながると信じています。