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平成30年度卒業式 式辞 (平成31年3月25日)

 平成30年度の卒業式、修了式にあたり、卒業生並びに修了生の皆さんに、福岡教育大学の教職員を代表して、お慶びを申し上げます。誠におめでとうございます。
 同時に、学生の皆さんを今日までささえてこられました、ご家族の方々に対して、お祝いを申し上げますとともに、卒業生及び修了生の栄えある前途を祝福するために、ご臨席を賜りました、ご来賓の皆様にも厚くお礼を申し上げます。

 本日ご卒業される方々は、福岡教育大学教育学部、大学院教育学研究科、特別支援教育特別専攻科、そして教員研修留学生の皆様です。それぞれの所属に応じて、本学で過ごされました期間には違いがございますが、この日を迎えられまして、本学での学びはいかがでしたでしょうか。
 本学では、学生の皆さんに、多くの知識を教授するとともに、知識を見いだし、知識を獲得し、知識を活用する学びを醸成するカリキュラムを提供しました。
 知識の獲得は、「なぜだろう、本当だろうか」という問いを抱き、解明することによりなされるものです。ただ、ぼんやりと社会や自然を眺め、問いを抱かないままでは、知識の獲得はできないのです。その意味で、教育することは、まさに学ぶことなのです。
 
 さて、皆さんの中には、期待や希望とともに、一抹の不安を抱えながら入学された方も、いらっしゃったことでしょう。しかし、その不安に打ち勝ち、無事に今日という日を迎えることができましたのは、皆さんの努力に拠るものであると思います。多くの困難の中で、大変良く努力をされました。私は、皆さんに敬意を払います。

 加えて、忘れてはならないことを申し上げます。皆さんの努力が実を結ぶことができたのは、皆さんの努力を後押しした、仲間、先輩や後輩、そして家族などの励ましや応援があったからだと思います。本学の教職員による励ましもあったことと思います。努力は応援する人々の存在により、より一層、力強く続けることができるようになるのです。

 皆さんは、これから教える立場に立つ方が多いと思います。多くの場合、教える場は何らかの組織が用意しますし、その一員として教育を行うことになるでしょう。学校はその典型です。教えの場に臨む皆さんに、私からアドバイスがあります。
 皆さんは、組織の一員として教育するのですから、その場で生じたいろいろな課題には、個人として対応するだけでなく、組織として対応する必要があります。
 即ち、いろいろな困難をたった1人で抱え込んではいけません。学校であれば、同僚、教頭先生や校長先生と、そして地域の人々とも協働して対応することが大切です。
 皆さんの若さは、時として未熟であることの証として捉えられがちです。でも、困難を乗り越えるためには、若さは、最大の力でもあるのです。若さを生かして、周りの人々とスクラムを組んで、共に学び、困難に打ち勝っていかれることを祈っています。

 最後に、ロシアの数学者である、ポントリャーギンの話をします。彼は、1908年に生まれ、微分方程式や微分幾何学でその才能を遺憾なく発揮し、1988年に80歳で亡くなりました。彼の業績に対して、レーニン賞をはじめ、多くの賞が与えられています。
 ポントリャーギンは、大変貧しい家庭に育ち、14歳のとき、ストーブの爆発事故で失明しています。しかし、目が見えない彼に代わり、母親が英語を学び、英語で書かれた数学の専門書を読み聞かせ、数学の学びを助けたといわれています。彼の才能に気づき、学びの場を用意した教師と学友たちが、彼の学びを支えたのです。彼の著書は、何れも名著と評判が高く、とても読みやすく書かれています。
 皆さんにポントリャーギンのことを紹介したのは、彼が才能に恵まれていたということを話したかったからではありません。彼の才能をもってすれば、彼の業績は、当然のものかもしれません。お伝えしたかったことは、彼は絶望的とも思える苦難の中でも、多くの人々の支えの中で、見事に、自らの才能を開花させたということなのです。
 ポントリャーギンの努力、同時に彼を支えた母親と、彼を数学に導いた恩師や仲間に恵まれた幸運に目を向けていただきたいのです。自らの努力と支えてくれる人々の存在こそが、困難に対する1番の解決法であると思います。
 そしてこれからは、皆さんが周りの人々を支え、応援し、背中をそっと押す側にも回ってほしいと願っています。

 これからも多くの困難が皆さんを待ち受けていることでしょう。そのようなときは、志を秘め、謙虚に学び、勇気をもって困難に立ち向かってください。本学で学んだことが生かされることがあれば幸いです。必要があれば遠慮なく、再び本学を訪ねてください。皆さんが構築されるネットワークの中に、福岡教育大学があることを決して忘れないでいただきたい。皆さんの課題の解決に、本学がかかわることができれば、望外の幸せです。

 卒業生、修了生の皆様が、希望に満ちた人生をしっかりと歩んで行かれることを祈念して、式辞といたします。

                                                                                                                       平成31年3月25日
                                                                                                                                 福岡教育大学長
                                                                                                                                       櫻 井 孝 俊

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