【課題】現代社会は急速に変化している。教育や学校の在り方についての考え方も大きく変わりつつある。そういう中にあって、あなたはこれからの学校が、どういう方向に向かっていくことを期待するか述べなさい。そして、学校がその方向に進んでいくようにするため、あなたは教師として、日々どのような努力をしていくか述べなさい。

@ 私は、これからの学校が、子どもたちの人間性や個性を磨く場になっていくことを期待している。以前よりも習い事をしている子どもたちが増え、習い事の種類も豊富になっており、子どもたちは自分の好きなことに打ち込みやすい時代となった。しかし習い事には費用がかかるため、全ての子どもが通えるものではない。その中で、義務教育の無償制がしかれ、一番多くの時間を過ごすであろう学校の中で、子どもたちの人間性や個性を輝かせたい。
 このような学校になるために、私は子どもたちに様々な情報を提供できる教師となりたい。それは授業中や授業以外で行っていく。授業の中で子どもたちが好きなことを発見していくためには、やはりよりおもしろい授業を展開しなければならない。だからこそ、教科書の内容を教え、知識を詰め込むような授業にしてはいけない。教科書の内容だけでなく、日常生活に応用できることや、日常生活で起こっている出来事と関連させて伝えていく。授業の内容を子どもたちの生活と密着させることで、子どもたちの興味を引き、子どもたちの人間性や個性を育てることにつなげたい。
 授業以外でも様々な情報を伝えていく。例えば、「昔こんな遊びをしていたよ。」「こんな本を読んだけどおもしろかったよ。」など、いつも少しずつ情報を与えていく。その中で一人でも、「僕もその遊びしてみたいな。」「私もその本読んでみたいな。」と思ってもらえれば、その子どもの人間性や個性を伸ばすことに、影響を与えることができると考える。より多くの子どもが興味を持つために、教師は様々な分野のたくさんの知識をもつ必要がある。しかし、自分だけで伝えようとすると限界があると思うので、家庭や地域の人々に頼んで情報を提供してもらったり、学校にきてもらって子どもたちに話をしてもらったりすることも大事である。
 このように、学校を、色々なことを知り、色々なことができる場としていくために、自分自身様々な分野のことに興味を持ち、本を読んだり人の話を聞いたりして、たくさんの情報を得られるように努力していく。


A 私が期待するこれから学校が向かうべき方向には2つある。
 まず1つ目は、地域に開かれた学校をつくることである。これは、学校が主催する休日のイベントや授業参観などに保護者や地域の人々に参加してもらうことである。また、地域の人々だけでなく、学校側からも地域の催しに積極的に参加することが必要である。学校側が必要とするときだけ保護者や地域の人々に協力してもらうだけでは、学校の信頼が低下してしまう。そのため、特別なときだけでなく、普段から地域の人々や保護者と連携を図ることが大切である。学校、地域、保護者の連携は、開かれた学校をつくっていくためだけでなく、子どもの安全を考える上でも重要になる。学校に地域の人々や保護者が出入りするようになると、子どもと面識ができ、子どもが危険な出来事に遭遇した時に大人に助けを求めやすくなる。
 2つ目は、学校でしかできない体験を多く取り入れた学校行事や授業づくりを行うことである。例えば、お米を作る授業では、自分たちで田植えからお米になるまで世話をする経験を通して、普段何気なく口にしている食物ができるにはどのくらいの時間を費やし、お米を育てる人の苦労がどのくらいあるのか。また、食物のありがたさを学ぶことができる。このように、机に向かっているだけではわからないことを学んだり経験したりできる場が、学校だと私は思う。勉強だけなら学習塾で十分補うことができるが、体験を通しての友人との関わりや感情を共感する喜びまた、一人ひとりの感情の豊かさは発達しない。
教師は、子どもにどんなことを経験してほしいか、またその経験を通してどのようなことを感じて欲しいのかを、考えながら子どもと接する必要がある。
 教師として、今後学校が向かうべき方向への期待は沢山ある。しかし、一番大切なことは、学校に通ってくる子どもに対して教師が求める子どもの姿を、どうすれば引き出すことができるのかを考えることだろう。


B まず私がこれからの学校に期待することを、三点述べていく。
 一点目は、開かれた学校にし、家庭や地域と協力・連携して教育を行っていくということである。こうすることで、よりきめ細やかな教育を行うことができ、子どもが生活する全ての場で一貫した教育を行うことができる。また、協力・連携することで生まれる、みんなで頑張っているという意識が、教育する力を強くさせる。
 二点目は、心の教育を充実させることである。現代、いじめや非行などの様々な問題が子どもたちを取り巻いている。このような問題は、心の問題が大きく影響している場合が多い。よって、心の教育を充実させることで防げる問題はたくさんあると考える。
 三点目は、実際に体験をする本物体験を大切にするということである。現代は様々なものが便利になり、その場に行かなくても、その場の情報を簡単に手に入れることができる。しかし、実際にその場に行き、五感で感じるという活動も子どもたちの教育において大切なことである。
 次にこの三点を実現するためにどのような努力をしていくかを述べていく。
 一点目については、家庭や地域とのコミュニケーションを密にとっていく。具体的には、手紙や授業参観などで学校での活動や方針などを発信したり、家庭と連絡帳などの手段で連絡を取り合ったり、家庭・地域の方々と子どもの教育に関する話し合いの場を設けたり、家庭・地域の方々をゲストティーチャーとして招いたりして、地域が一つとなって子どもを育てていく体制づくりをしていく。
 二点目については、特に道徳教育や日常生活の場で、自分のことや人のことを考えるという時間や場を多くもつ。また、悩みや不安を抱えている子どもが、話や相談をしやすいような関係づくりをするために、子どもを観察しコミュニケーションをしっかりととっていく。
 三点目については、時間の許す限り、その場に赴いて実際に体験するという活動を取り入れていく。また、その場にいくことが時間や場所などの問題で難しい時は、その場のものを集めたり、私がその場に行って体験したことを伝えたりすることで、できるだけ本物に近い体験をさせてあげられるようにする。


C 現代社会の急速な変化の中で学校教育に大きな影響を及ぼしたのは、主に携帯電話、パソコンなどによるインターネットという存在が子ども達に身近になったこと。地域・家庭の教育力が低下したことと、学校との連携が希薄化してきたことの三点であると考える。その中で、私の期待するこれからの学校の姿は「地域の中心としての学校」である。そのためにどのような対策が必要かを以下に述べる。
 一点目は学校でも携帯電話、インターネットの取り扱い方の指導を行うことである。学力偏重にある現代、小学校の頃から塾に通う子どもが増加している。子どもが帰宅する時間が夜遅くなることと同時に、子どもの携帯電話の保有率も上昇してきている。携帯電話は子どもの緊急時の連絡にも役立つこともあり、今後も携帯電話を持つ子どもは増加するだろう。しかし、それは同時に子ども達が気軽にインターネット、情報社会に触れる機会を与えることとなる。そして、そこから子ども達が犯罪に巻き込まれるケースが増加しているのだ。フィルタリングサービスやキッズ・ケータイなど、携帯電話会社でもその対策は講じられているが、実際に携帯電話を取り扱うのは子ども達であり、彼らにそのモラルをしっかりと指導する必要がある。それはもはや学校としても見て見ぬ振りのできない所まで来ており、その利便性だけでなく、危険性も十分に知らせることが家庭だけでなく学校にも求められていると考える。
 二点目に地域・家庭に開かれた学校作りである。学校行事や総合的な学習の時間などを利用して、家庭だけでなく地域の人たちにも学校を身近なものとして感じてもらうことが重要である。しかし、注意しなくてはならないのは不審者問題である。子どもを危険から守るためにも学校を開きっ放しにもできない。そこで地域・家庭との連携・協力が大きな意味を持ってくるのだ。地域の方に通学路に立ったり、下校時間には青ランプのパトカーで周囲の見回りをしたりしている地域もある。学校だけでなく、地域・家庭と一丸となって子どもを守っていこうとする姿勢が大切だ。
 そのためにも私は日々、子どもとの関わりあいを大切にしたい。子どもからの信頼を得ることは保護者の方、家庭からの信頼を得る上でも大きな影響を持っている。また、学習に地域の方の協力を頂く機会を設けるなど、子どもと地域の方がお互いを意識しあえる環境作りに努めたい。


D 私はこれからの学校が、保護者、地域との連携がより強く結ばれることを期待する。現代の学校の抱えている問題は、いじめ、不登校、学級崩壊など様々なものがある。どの問題も教師だけの力では、解決へと導くのが困難なものばかりである。そこで保護者や地域の人々と連携は必要不可欠であり、協力することによって問題に対する対応の幅も広がる。
 保護者、地域との連携を結ぶためには、学校や教師への信頼を確立することが絶対条件である。私は保護者、地域との信頼関係を結ぶために具体的に以下の三つのことを日々心がけて行動していく。
 一つ目は、保護者とコミュニケーションをとっていくことである。コミュニケーションなしでは信頼関係を築くのは無理であろう。コミュニケーションの手段として具体的に取り組みたいこととしては、家庭訪問での保護者との時間を大切にしていくこと、学級通信を通してのクラスの様子や教育活動の報告、連絡帳でその日一日の子どもの様子を保護者宛に記載するなどだ。
 二つ目は、子どもたちに学校の生活を楽しいと感じてもらうことだ。楽しいと感じてもらうことにより、学校での出来事を子どもは親にも話すだろう。親にとっては、子どもからの「学校は楽しいよ」、「先生と遊んで楽しかったよ」という言葉が何よりも一番学校への、または教師への信頼に繋がっていくだろう。そのための具体的な取り組みとして、子どもにとって分かりやすく楽しいと感じてもらえる授業をするために発問や教材の創意工夫、授業時間や休み時間で子どもと積極的に関っていくことを挙げる。
 三つ目は、地域の人々に子どものいきいきとした姿を見せることである。保護者以外の地域の人々が直接学校の様子を見る機会は少ない。子どもや学校の様子を見るのは、子どもの登下校や校外活動、学校の隣を通る時ぐらいだ。この少ない機会の中で地域の人々は、教師と子どもの関り方はどのようなものか、挨拶をしてくれるか、公共マナーを守っているかなどを観察するだろう。ここで良い姿を示すことが信頼関係を築くことに繋がっていく。そのための具体的な取り組みとして、子どもには日頃から基本的な挨拶やマナーを指導し、また自分自身も見本となるような行動をとっていく。
 私は以上の三つのことを日頃から心がけて行動し、保護者、地域との信頼関係を築き、連携がとれるようにしていきたい。


E 現代社会の急激な変化の中、教員の不祥事問題や学校安全の確保などが大きな注目を集めている今、これからの教育や学校は信頼できる教育や学校へ向かっていくことを私は期待する。
教員の不祥事問題や指導力不足教員など様々な問題によって児童生徒、保護者、広く社会からの教育や学校への信頼は薄れている。やはり教育を行っていく上で、児童生徒や保護者と信頼関係を築くということは重要なことである。信頼関係を築くことができていないまま、教育を行ったとしても教育の最大の効果は得られないのではないだろうか。そのため、教師と児童生徒の間で信頼関係を築くことが信頼できる教育や学校へ向かっていくための第一歩であると考える。
そこで、私は児童生徒と信頼関係を築くことができるように、2つのことを日々努力していきたい。1つ目は、毎日必ず児童生徒と話をする機会を設けることである。授業中はもちろん、昼休みや給食の時間を有効に利用して、出来るだけ多くの子どもたちと話ができるように努力する。また、直接話ができなかった児童生徒がいた場合には、交換ノートなどを利用して話をしていきたい。話をする際には、受容的な態度で児童生徒の話に対して共感的な理解をしめすようにする。そして、児童生徒の話の中に解決すべき課題等がある場合には、一緒に解決の方法について考え、その子に合った指導支援をしていきたい。
2つ目に、児童生徒との約束は必ず守ることである。教師というのは、とても仕事量が多く、つい児童生徒との約束を後回しにしていることがある。私も小学生のとき、昼休みに一緒に遊ぶ約束を破られたことがありとてもがっかりした経験がある。どんなに忙しい時でも児童生徒との約束を忘れずに守ることは信頼関係を築く上でとても重要である。だからこそ、私は児童生徒との約束を最優先にできるよう努力したい。また、どうしても守れそうにない約束は、きちんと理由を児童生徒に説明し断り、出来るようであれば次の機会を約束する。このように、私は信頼できる教育や学校へ向かうために児童生徒と信頼関係を築くことができるよう努力する。


F これからの学校の進むべき方向として、「開かれた学校」というものを掲げたい。「開かれた」という抽象的な表現であるが、そのような学校の具体的な姿として、「地域に開放された学校」と「情報を開放しつつ、受け入れる学校」の二つを挙げる。
 今、児童を標的とした犯罪の増加のため、安全確保のための対策が多く実施されている。保護者や児童の犯罪に対する危機感も大きい。学校は、児童を保護するために最大限の対策実施に努めるべきである。不審者の侵入を防ぐ事はもちろんだ。しかし、そうして閉めきっただけの学校ではいけないと考える。こういった、危険の多い環境だからこそ、地域と学校の連携が必要だろう。ゲストティーチャーとして地域の方を招いたり、行事などを利用した児童と地域の方との触れ合いの多い学校が望ましい。児童には、自分の地域にはこんな人達がいるのだという安心感をもたせる事ができる。地域の方の、登下校の際などに児童を見守ろうという意識が強まることも期待できる。
次に情報面について述べる。現代の社会の変遷は、速度も速く大きなものだといえる。その中で、学校がどういった教育を行い、どのような成果を上げているのかなどの実態の公表を求める声が強まっている。保護者や地域からのニーズは、社会や環境の変遷に伴い変化するものだ。学校の実態を公表し、それに対しての評価や意見を受け入れる事が重要だろう。学校の質を向上させるために、そのようなやり取りは不可欠であると考える。
以上のような学校を実現させるため、私が必ず行いたいことを挙げる。自分から地域に出ていく事だ。授業づくりのための資料などは、地域からどんどん入手していきたい。そうすることで、児童が地域をより身近に感じられる授業ができる。また、教師として頻繁に地域との関わりをもつことで、地域の方にも学校との繋がりを感じさせる事ができる。行事などの時も、コミュニケーションの取りやすい関係である方が、協力や連携がスムーズにできるだろう。また、そういった中で、保護者はもちろん、多様な立場の人々との関わりをもつことができる。様々な視点からの学校や教育に対する声を直に聞く事ができる環境は、非常に心強いものとなるだろう。そういった外からの意見を、自分の授業はもちろん、最終的には学校の教育活動全体にまで反映させていきたい。

評価基準
@題意の把握:課題を適切に理解し、論述の内容は課題に正対しているか。
A表記:用紙の使い方、用字用語の使い方が適切であるか。
B表現:論述の表現は豊かで適切であるか。
C論旨の展開:論旨が首尾一貫して、論理的な展開をみせているか。
D説得力:論述の内容に説得力があるか。
E熱意:教師として十分な熱意が感じられるか。
F使命感:教師としての十分な使命感が感じられるか。
G全体的印象:教育論作文として全体的に好ましい印象が感じられるか。