No. 2008,6,2.発行   編集:吉田優子(H12年度生:ドイツ駐在員)
                   
 ドイツ滞在レポート No.37

「エジプト旅行記 その5〜ルクソール〜」
 朝10時ごろ、カイロからの夜行電車でルクソールの駅に着いた私たちは、たくさんのホテル、タクシーの勧誘を潜り抜け、予約していた「New Everest Hotel」へ。エジプトは物価が安いので、3つ星ホテルに泊まっても、そんなに高くはありませんが、私たちはいつものように、安いホテルに泊まりました。なんと、一人一泊20ポンドです。駅から歩いてほんの5分のところにあり、部屋も清潔でした。このホテル、ガイドブックでは、すりの被害などが多いので気をつけましょうということで、地元の人からも似たようなことを聞きましたが、到着するとまずは、紅茶をサービスしてくれ、観光地について情報をくれたりと、親切で、感じが良かったです。実際、私たちは、問題なく過ごせました。
 ルクソールは、ナイル川で西と東の2つに分れていますが、このホテルだけでなく、ほとんどのホテルが、ルクソールの東側に位置しています。そこで、ルクソールに到着したこの日は、東側の観光をすることにしました。
 まずは、北に位置する「カルナック神殿」に向かいました。駅前で、マイクロバスに行き先を確認し、地元の人と一緒に乗り込みました。普通、地元の人は、50セント程度しか払っていませんが、観光客は2ポンド、もしくは3ポンド要求されます。交渉すれば、1ポンドにはなります。いい運転手に当たったらしく、神殿の目の前でバスを止めてくれました。
この神殿は、ルクソール観光の目玉とも言えるもので、カルナック神殿の中にはいくつかの神殿がありますが、アムン大神殿は、エジプトの中でも最大のものだそうです。入り口向かって、右手にチケット売り場があり、一人50ポンド(学生半額)です。まず、入り口のスフィンクス参道(写真1)、その奥にはもう、大きな遺跡が見えます。特に表示もなく、外に遺跡がそのまま残っている状態なので、広い敷地内を歩き回って、隅まで見て回るより他ないです。入り口付近には、ガイドが立っていて、「ガイドしようか?」と聞いてきます。古王国時代、新王国時代のことを詳しく知りたければ、ガイドを頼むのもいいと思います。でも、ガイド付だと、メインのところはじっくり説明してくれますが、そのほかの場所には見向きもしないので、私たちは、ガイドを頼まず、気の向くままに、歩いて回りました。が、それでも、至る所で警備員や、ガイドが、「こっちだよ」、「上からさらにいい景色を見ないか?」など、話しかけてきます。もちろん後で、バクシーシ(喜捨)を要求されるので、必要ないとしっかり意思表示して、見学を続けました。

写真1 アムン大神殿のスフィンクス参道 写真2 134本の巨柱


メインはやはり、アムン大神殿。その中には、134本の巨柱が並んでいます(写真2)。その光景は、まさに圧巻。言葉を失ってしまいます。が、見ごたえがあるのは、ここだけではありません。聖なる池、それぞれの王、王妃のオベリクス、壁に残るレリーフなど、じっくり見れば、切りがありません(写真3、写真4)。さらに置くに進むと、団体のツアー客がいなくなるので、静かです。そこには、壊れた遺跡もずらっと並べられていたり、修復作業がされていないのが残念にも思えます。ひとつ、ひとつがとにかく大きくて、技術のなかった時代に、しかもこの暑い国で、一体どのようにしてこの遺跡を作り上げたのか、不思議でなりません。信仰心の強さだけで、これだけのものを築きことができるというのは、本当に凄いと思いました。

写真3 言葉を失うほどの光景 写真4 壁のレリーフ


この日は、特に暑いように感じましたが、話では、ルクソールはカイロよりも基本的に3度くらい気温が高いそうで、この日は35度くらいあったようです。そのためか、アムル神殿内で、倒れている観光客を2人見かけました。とにかく、暑さへの対策は欠かせません。私たちも、休憩をしながら、ゆっくり見学し、お昼過ぎにここを出ました。また、同じようにマイクロバスに乗り、町の中心地、マーケットのあたりで、バスを降りました。
まずは、腹ごしらえ。マーケット内のレストランを見て回りましたが、カイロ以上に不衛生で、食事をとることが不安になったので、少々高めですが、観光客向けのレストランに入りました。値段は、普通のレストランの2倍ほどしますが、サービスなどはいいです。スパイスの効いたトマトスープなどを食べ、元気になったところで、マーケットへ。
 マーケット内も、観光客向けのお土産の並んでいるところと、一般市民向けの食べ物などが売られているエリアに分かれています。お土産屋のエリアでは、いつものように、たくさんの人が声をかけてきて、うんざりしてしまいました(写真5)。しつこく声をかけてくるので、なかなか、ゆっくり見て選ぶことができません。それでも、カイロより少々安いので、(もちろん最初の値は高いですが、)交渉し、お土産を買いました。そこから、庶民のマーケットへ(写真6)。エジプトの人の生活を垣間見ることができますが、正直、ショックでした。35度という暑さの中、生の肉や、魚が、路上にむき出しで売られています。もちろん、生臭く、その上を凄い量の虫が飛んでいます。すぐ近くでは、馬やヤギが食事をしていたり、糞をしていたり。生活習慣の違いでしょうが、私にはありえない光景でした。

写真5 お土産物店のエリア 写真6 庶民のマーケット


さすがに、3時ごろになると暑くて、ぐったりしてくるので、再びカフェへ。ここで、ハイビスカスのお茶を飲みました。これも、エジプトではとても普通の飲まれている飲み物で、砂糖を入れていただきます。砂糖なしも飲んでみましたが、これは、砂糖が入っているほうがおいしいと思いました。カフェで少し休んで、観光を続ける予定でしたが、あまりの暑さに、ぼおっとしていると、カフェの人からも、「今日は、本当に暑いから、少し涼しくなるまで、ホテルで休んだ方がいい」と勧められ、ホテルに戻って、昼寝をしました。
夕方、暑さはそんなに変わらないものの、日差しの強さが和らいだので、ルクソール神殿へ(写真7)。ここは、元々、アムル神殿の付属として建てられたそうで、その昔、この2つの神殿は、スフィンクス参道で結ばれていたそうです。今はこの参道、100メートルほど残っているだけで、端は閉ざされています。入り口は、ナイル川沿いにあり、そこでチケットを買って、中に入ります(40ポンド、学生半額)。入り口に向かって歩いている間に、神殿の様子が外からかなり、見えますが、それでも、お金を払って中に入る価値はあります。カルナック神殿ほどの規模ではありませんが、こちらも立派なものです。興味深いのは、元々の遺跡のレリーフの上に、コプト教(キリスト教の一種)の絵が塗り描かれていることです(写真8)。紀元前に造られた遺跡に、その後誰かがキリスト教を広めるために描いたのでしょうが、その時間の流れをこうして見られるというのは、面白いことだと思います。現在のエジプトでは、イスラム教が主流ですが、実は、キリスト教が始まってかなり早い段階で、エジプトに宣教師が渡り、キリスト教が伝えられたそうです。今でもそれは、コプト教という形で残っているそうです。

写真7 ルクソール神殿 写真8 コプト教(キリスト教の一種)の絵


神殿を見た後は、その前の広場で休憩したり、ナイル川沿いに停まっている船を眺めたり、ゆっくり過ごしました。これらの船は、ホテルになっていたり、レストランがあったり、カイロからルクソールまでの遊覧船もあります。神殿前の広場は、コンクリートですが、所々木が植えられたり、芝生になっています。その芝のところからは、湧き水があふれ出ていて、オアシスのようです。地元の子が、その水を飲んでいるのには驚きましたが、憩いの場のようでした。
歩き回ってお腹がすいたので、ホテル近くのレストランへ。ガイドブックにも載っていますが、『庶民的』と紹介されていて、実際、私たち以外のお客さんは地元の人でした。メニューは、2つしかなくて、牛肉の壺焼か、鶏肉の壺焼。2人で、飲み物も入れて、50ポンドとぼったくりもなく、スパイスが効いてとてもおいしかったです(写真9)。
食事の後、さらに散歩をしました。カルナック神殿では、「音と光のショー」が毎晩あるということでしたが、私は、歴史的なものを、近代的な方法でライトアップしたりというのがあまり好きではないので、見に行きませんでした。ルクソール神殿もライトアップがあるので、近くを通ってみると、中に入らなくても、写真10のようにとてもきれいでした。

写真9 牛肉の壺焼 写真10 ルクソール神殿のライトアップ


散々歩いて疲れ果ててホテルに帰り、眠りについたのですが、夜中の2時ごろ、お腹の痛みで目が覚めました。あれほど、気をつけていたのに、病気になってしまいました。その様子は、次回のレポートで。