No. 2007,9,13.発行   編集:吉田優子(H12年度生:ドイツ特派員)
                   
 ドイツ研修レポート No.26

「イタリア旅行記〜トリノ・ミラノ〜」
 おばさんの家で、イタリアの一般家庭の過ごし方を垣間みて、ゆったりと過ごした私達は、ここから約150キロ北にある『トリノ』へ。おばさん夫婦の職場はここにあり、日頃はこちらの借家で暮らしています。(ステラの家には、週末や休暇中に通って、畑の世話をしています。)
 トリノは、前回の冬のオリンピックが開催されたことで、記憶にありますが、観光地というわけではないようです。トリノはその昔、17世紀に栄え、京都のような碁盤の目の都市整備がなされました。今でもその美しいバロック様式の街並みは残っているので、散歩をするのがとても楽しい所です。また、街の東には、イタリア最大のポー川は流れていて、かつて穀物の貯蔵庫として使われていた川岸に、今はカフェやバーが建ち並んでいます。夜になると。ポー川にかかる橋がライトアップされてとてもきれいなので、夜景を楽しみながら、お酒を飲むのもいいかもしれません(写真1)。
 トリノには、それほど観光客の姿はありませんが、それでも、いくつかお勧めできる場所を見つけました。

写真1 夜景 写真2 国立映画博物館


 まずは、「国立映画博物館」。『モーレ・アントネッリアーナ』という、トリノの中で目を引く奇妙な形をしたこの塔の中に、その博物館はあります(写真2)。映画の歴史、機材、特撮技術等、映画のありとあらゆることが展示、説明されていて、私のような映画好きは、1日いても飽きないほどの充実した内容でした。中には、映画の前身ともいえる、白黒の3Dの写真の展示等もあり、とても興味深かったです。
 また、この塔、上は展望台になっていて、ロープだけで吊るされたエレベーターで上に登ることができます。ロープだけで吊るされたといっても、想像しにくいと思うのですが、ガラス張りの箱だけが、ロープにそって167メートル上まで登るのです。
展望台からは、きれいな碁盤の目の街を一望できます。

写真3 レプッブリカ広場の大きなマーケット


 もう一つの、お勧めは、レプッブリカ広場の大きなマーケット。このマーケット、今まで見たものとは、比べ物にならないほど、規模が大きいです。もうひとつ、驚くのはその値段。野菜、魚、肉、チーズと4つの区画分かれた巨大なマーケット。毎日開催されているにもかかわらず、地元の人で溢れ返っていました(写真3)。新鮮な食材がこんなに安く手に入るなんて、この近くに住んでいる人は本当に幸せだなと思いました。魚のマーケットでは、まるで日本の魚市場のように、どの売り子も大声で呼び込みをしていて、懐かしい気分にもなりました。また、この周辺で、週末にはフリーマーケットも開催されていて、日常雑貨、衣類も1ユーロから。私も、Tシャツ1ユーロ、ブーツ2ユーロで購入しました。イタリア人の陽気さや、人々の活気を味わうには格好の場所だと思います。

写真4 アイスクリーム屋『GROM』


 イタリアと言えば、「ジェラート」ですが、ドイツでもアイス好きの私達。この旅行中はほぼ毎日、アイスを食べていました。実際、イタリアの方が値段の割に、アイスが大きくおいしいと思います。中でも、私達が気に入ったのが、ここトリノのアイスクリーム屋『GROM』(写真4)。いつ行っても、10人くらいの人が店の外に並んでいるのですが、並ぶ価値はあります。全てのアイスを店で手作りしているようで、その味は格別です。普段、「ピーチ」などフルーツの味のアイスを食べると、「アイスのピーチの味」、つまり、添加物の味がしますが、ここのアイスは違います。ピーチも、イチヂクも、りんごも...アイスなのに、本当に果物を食べているようです。値段は他の店と変わりませんし、大きさはむしろ大きいくらいです。トリノにいた3日間、毎日通ったのですが、食べることに夢中で写真がありません。すみません。
 
 その他、街の至る所で、トリノが栄えた頃の様子を宮殿や、広場の大きさから計り知ることができました。

写真5 『サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会』


 そしていよいよ、この度の最終目的地、ミラノへ。
ここミラノで絶対に見たいと思っていたもの、レオナルド・ダ・ヴィンチの最高傑作ともいえる『最後の晩餐』のオリジナル。『サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会』(写真5)の修道院の食堂にあるその絵は、一般公開されていますが、一回につき20人ずつ、15分間の見学ということで、予約は欠かせません。私達も、旅行の随分前に電話で予約していたのですが、その朝、余裕を持って、6時50分にトリノを出たにもかかわらず、電車が送れ、予約時間の30分後に、『サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会』に到着しました。事情は説明しましたが、時間に間に合わなければ、自動的にキャンセルとなってしまうため、もう入れないと言われました。が、可能性はないかと尋ねた所、「一時間後に戻ってきたら、キャンセルが出るかも知れない」と言われました。何を根拠に・・・そこはよくわかりませんが、周辺を散歩し、1時間後に再び教会へ。すると、「今回は駄目だけど、今から2時間後にキャンセルが出たから、そのチケットを今売ることができる」と言われました。こうして、予定から約4時間後のチケットを手に入れることができました。その2時間、『スフォルツァ城』と、周辺の『センピオーネ公園』を散歩したりして過ごしました。ここもとてもきれいな所です。
 そして、再び教会へ。ここでは、オーディオガイドを借りました。一人2.50ユーロですが、日本語もあり、絵画を見る上でとても参考になる話が聞けます。ダ・ヴィンチがどのようにしてこの絵を描いたのか、また、戦争中、教会の屋根が壊れたものの、なんとか、この絵は守られてきたこと、知らなかったエピソードばかりでした。一つの絵を鑑賞するのに15分。長いように思っていましたが、実際はあっという間でした。この絵の素晴らしさは、ここでどのように表現したら良いのか分かりません。
余談ですが、私達が、オーディオガイドを借りているその横で、チケットを購入しようとしている人がいましたが、係の人が、「もう今月は完売です(8月19日でした)。9月分なら予約できますが」と説明していました。私達は本当に運が良かったなと思いました。

写真6 『ドゥオーモ』


 もう一つ、ミラノで見逃せないのは、『ドゥオーモ』(写真6)。今回のイタリア旅行では、ゴシック建築の教会にあまり出会っていなかったので、ゴシック建築が大好きな私としては、この教会は実に見事でした。ゴシック建築の傑作といわれるこの教会、4、5世紀かけて建てられただけあって、本当に見事です。大きさ、外部の細かいレンガの使い方、内部の装飾、ステンドグラスに至るまで、完璧で溜め息が出てしまいます。建築や、教会に興味のない人にもお勧めです。

写真7 ガラス天井のアーケド 写真8 床のモザイク画


 そのドゥオーモのすぐ横に、ガラス天井のアーケドがあります(写真7)。このアーケード内、ブランド品店などが立ち並んでいますが、アーケード自体は1877年に完成したもので、床のモザイク画等はすばらしく、買い物をしない人も是非立ち寄ってみて欲しい所です(写真8)。ちなみにこの牛のモザイク画にかかとを付けて一周回ると、子宝に恵まれるそうです。実際、意味を知ってか、知らずか、小さな子供から、お年寄りまで、たくさんの人がグルグル回っていました。

 ミラノでの一日もあっという間に終わり、イタリア最後の夕食を堪能して、夜行電車でミュンヘンに戻った私達ですが、至る所で買い物をしていたため、行きの倍以上の荷物を抱えて帰ることになりました。でも、そのおかげで、帰国後もしばらくは、イタリアのおいしいチーズやドライフルーツを味わえました。日本にはチーズは持ち帰れないと思いますが、ドライフルーツや、蜂蜜など、マーケットで手に入るイタリア食材を持ち帰るもの、素敵なお土産の一つだと思います。

 今回、約2週間イタリアに滞在しましたが、本当に見所の多い国で、まだまだ、行ってみたい所(ローマ、ナポリ等)を挙げれば切りがありません。
いつか、イタリア南部を旅行できたら、また、ここで紹介したいと思います。