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2007,4,16.発行 編集:佐々木直子(H4年度生)
ろうあ者の要求ー堺編13 障害者自立支援法と堺の障害福祉計画
堺市第一期障害福祉計画について
6月にはじまった「堺市障害福祉計画等検討懇話会」が平成19年2月23日に終了しました。
障害福祉計画とは、障害者自立支援法第88条に基づく市町村の計画です。対象年度は第一期が平成18年度から20年度、第二期が平成21年度から23年度です。これに先立って策定された「第三次障害者長期計画」の対象年度は平成18年度から平成26年度まで。二つの計画の整合性を持たせながら、計画の検討が行なわれました。

日程
6月27日 プラザ・計画合同部会
7月27日 計画AB合同部会 地域生活支援事業について検討
8月1日 計画A部会 訪問系サービス・ショートステイ・移動支援
8月23日 計画A部会 居住系サービス
8月28日 計画B部会 日中活動系サービス(生活介護・就労移行支援・就労継続支援・地域活動支援センターについて)
9月25日 計画A部会 訪問系サービス、日中活動系サービス(生活介護・自立訓練・療養介護)
9月29日 計画B部会 日中活動系サービス
11月27日 計画B部会 第三次障害者長期計画との整合項目(雇用就労・日中活動分野・まちづくり・共生社会とエンパワーメント)
11月30日 計画A部会 第三次障害者長期計画との整合項目(保健医療・育成教育・地域生活)
パブリックコメント 1月5日から1月26日まで
2月7日 プラザ部会 重度障害者歯科診療施設の整備と(仮称)健康福祉プラザへの障害者自立支援法の影響について
2月23日 計画AB合同部会 第一期障害福祉計画案について
ろうあ協会からは、地域生活支援事業の、必須事業であるコミュニケーション支援事業と、任意事業である社会参加促進事業の中に含まれ
る、手話通訳養成事業、手話奉仕員養成事業について要望を申し上げました。
その結果、第一期障害福祉計画の中では、手話通訳派遣事業の利用者見込みを23年までに平成18年度の1.5倍とし(表1 参照)、手話通
訳設置事業については引き続き実施、手話通訳養成事業と手話奉仕員養成事業は引き続き実施となりました。
表1 コミュニケーション支援事業(必須事業)
| 18年度 | 19年度 | 20年度 | 23年度 | |
| 手話通訳派遣事業 | 200 | 220 | 240 | 300 |
| 要約筆記者派遣事業 | 50 | 60 | 70 | 85 |
| 手話通訳設置事業 | 実施 | 実施 | 実施 | 実施 |
手話通訳の有料化ですが、今のところ、堺でも大阪府内でも、有料化されていません。
平成18年10月から地域生活支援事業に移行になった事業
(1)移動支援
移動支援は、ガイドヘルプと前から言っていたものとだいたい同じです。
平成18年9月末までは「介護給付」で、定率負担が課せられていました。10月からは、堺市では、視覚障害だと月に25時間までは無料、26時間から50時間は定率負担10%、51時間をこえると全額負担となります。ただし、利用量の上限は個々人にあわせて支給決定されます。たとえ25時間以内であっても、支給決定された量を上回れば、全額負担となります。
月に25時間の外出?どう見ますか?これは平均的な視覚障害者の利用量から決められたと言いますが、とくにろう盲者(昨年の夏から盲ろう者と言い方を統一している)については、こんな時間数では到底足らないという声が出されています。
(2)ショートステイの日中利用
平成18年10月から、ショートステイ(短期入所)の日中利用が介護給付から外されたため、地域生活支援事業に移行されました。任意事業で、日中一時支援事業という名前になっています。
地域への移行はうまくいくのか
障害者自立支援法で、施設から地域移行と言われています。では、施設を出たところで、きちんとケアを受けながら地域で生活できるのだろうか、ということが一番心配されているところです。一般就労(最低賃金以上の就労)への移行がありますが、実績は平成17年度で28名。
これを23年度には112名にする、といっています。一方で、現在施設に入所している人のうちの27%を、地域に移行させると言います。
これがどんな数になるかと言いますと、157人です。でも、新たな入所はあるというので、それをまた施設入所者数に加算しまして、目標値としては、国の基本方針の「7%以上の削減」を上回る14%にする、という数値目標が出ています。
しかしくりかえし懸念の声が出ているのが、この地域移行です。施設を出ていく場所があるのかどうか、そして必要なケアを十分に受けることができるのかどうか。それに十分に答えることのできないまま、話し合いは終わってしまい、一部の人から「まさにアリバイ的に話し合いをやったにすぎない」というため息も聞かれました。
市内の障害者数と障害程度区分認定者数これも数字が出ているので見てください。
表2 身体障害者手帳所持者数(平成17年度末現在)
人口83万人中 65歳以上20690人
| 1級 | 2級 | 3級 | 4級 | 5級 | 6級 | |
| 視覚 | 767 | 759 | 182 | 189 | 308 | 261 |
| 聴覚・平衡 | 351 | 676 | 300 | 504 | 14 | 874 |
| 音声・言語・ そしゃく |
17 | 36 | 219 | 141 | 0 | 0 |
| 肢体不自由 | 3609 | 4437 | 3580 | 5014 | 2082 | 856 |
| 内部障害 | 4833 | 105 | 1637 | 2175 | 0 | 0 |
| 総数 | 9577 | 6013 | 5918 | 8023 | 2404 | 1991 |
表3 療育手帳、精神保健福祉手帳所持者数(人口83万人中)
| 障害程度 | 17年度末 | |
| 療育手帳 | A | 2557 |
| B1 | 1206 | |
| B2 | 1069 | |
| 4832 | ||
| 精神保健福祉手帳 | 1級 | 672 |
| 2級 | 2106 | |
| 3級 | 524 | |
| 3302 |
表4 障害程度区分認定者数
| 非該当 | 区分1 | 区分2 | 区分3 | 区分4 | 区分5 | 区分6 | 計 | |
| 全体 | 1 | 196 | 567 | 583 | 292 | 215 | 355 | 2209 |
| 身体障害 | 1 | 49 | 141 | 123 | 55 | 50 | 110 | 529 |
| 知的障害 | 74 | 223 | 280 | 145 | 87 | 47 | 856 | |
| 精神障害 | 53 | 144 | 84 | 27 | 13 | 2 | 323 | |
| 身体と知的 | 14 | 41 | 76 | 52 | 61 | 192 | 436 | |
| 身体と精神 | 6 | 8 | 11 | 8 | 2 | 3 | 38 | |
| 知的と精神 | 10 | 6 | 4 | 2 | 22 | |||
| 身体と知的と精神 | 3 | 1 | 1 | 5 |
ただし障害程度区分認定者数は、居宅サービス利用者中心です。23年度までに新体系への移行がありますので、施設関係についてはまだはっきりしていません。
新体系のサービスのうち、障害程度区分による認定を必要とするものは以下の通り。(概要です。詳しくありません)つまり、判定で外された場合は利用できないということになります。
居宅介護(区分1以上)
行動援護(区分3以上、知的障害、精神障害)
重度訪問介護(区分4以上)
重度障害者等包括支援(区分6)
生活介護(区分3以上:入所は区分4以上ただし50歳以上は区分3以上)
短期入所ーショートステイ(区分1以上)
共同生活援助ーグループホーム(区分1以上、知的障害、精神障害)
共同生活介護ーケアホーム(区分2以上、知的障害、精神障害)
施設入所支援(区分4以上)
難しくてついていけない?福祉の改革
2003年に支援費、2006年に障害者自立支援法ですから、今までの方法と違うことを常に勉強しなければついていけない世界です。また新体系についてはまだ実践がされていないことが多いので、施設など事業者はどう展開していいのか苦しむところでしょう。とくに就労継続支援事業A型は最低賃金の保障と言われていますが、ほとんどの授産施設および作業所では、いまだかつてそれを達成したところがほとんどないのではないでしょうか。
介護保険や支援費制度がはじまった時くらいから、福祉の世界でやたらと「サービス」という言葉が使われ始めて私も使っていました。介護サービスとか、聞こえはいいんですけれど、そもそも最低限の生活保障であり権利保障であるはずのものが、サービスと言う外来語を用いることによってその意味合いが薄れてきたように思います。そしてサービスが商品という言葉に置き換えられるのを知った時、はじめて、事の重大性を意識したのです。
見識ある方々は早くに気づいていたでしょうが、私のような愚か者は遅くまでわからなかったというわけですね。教育関係でサービスという言葉が出たらドキッとします。
聴覚障害関連は不十分とは思いながらも要望した項目については取り入れていただいているのですが、なんともすっきりしない気持ちです。
これがもっと「サービス」を必要とせざるを得ない方々ならば、もっともっと怒ることでしょう。
とりあえず、市町村の必須事業に手話通訳派遣が含まれていますので、すでに市町村独自での手話通訳派遣を実施しているところもこれからのところも、当事者であるろう団体が意見をいいながら、市町村とともによい中身を作っていくよう努力していかなければなりません。
次回は、手話通訳派遣制度と絡んで、手話通訳者の身分保障について述べたいと思います。