No. 2006,1,18.発行   編集:吉田優子(H12年度生:イギリス特派員)

イギリスボランティア研修レポート No.33


1/12受信イギリスのクリスマス」


 1年の行事の中でも、日本のものと特に違っていて、楽しめるに違いない!と思っていたのが、このクリスマス。いったいどんな風にその日を迎え、祝うのか、ずっとわくわくしていました。
そんな私の期待にこたえるべく、11月中旬から、街はすっかりクリスマスムード。といっても、日本も同じですね…12月に入ると、街だけでなく、人々があわただしくなります。みんな、「クリスマスショッピング」に出かけ、すごい量の買い物を。クリスマスには、プレゼントを交換するためで、どのお店も人でいっぱい、クリスマスギフトが山積みです。ギフトショップはもちろん、本屋さんでも、薬局(香水などが)でも、クリスマスギフトを目にでき、普通の買い物をするのが難しい状態です。また、こちらでは、お店でラッピングをしてもらうという習慣がなく、ラッピングペーパーを買って、自分でラッピングするのが普通なので、かわいいラッピングペーパーがたくさん売られていて、楽しいです。
 また、お互いにカードを送りあうので、カードも大量に売られていて… 日本でいう「年賀状」にあたるようで、皆さん12月20くらいまでに投函します。そのため、郵便局にはすごい列が。私は1度、郵便局で切手を買うのに20分並びました。ただ、年賀状と違って、クリスマスの日に受け取ると決まっているわけではなく、届いたカードから次々に開けて、部屋のデコレーションの一部として暖炉の上などに飾ります。私のクライアントは1人で43枚のカードを受け取っていました!!が、驚くほどのことではないようです。
 クリスマスの飾りつけは、クリスマスの12日前から、12日後までと言うのがイギリスの伝統的な方法だそうです。そのころになると、路上でたくさんのツリーや、リースが売られています。基本的にツリーもリースも、本物の木を使ってあるので、とっても匂いが良くて素敵です。また、部屋の中にはたくさんのライトや、デコレーションをします。天井から天使の飾りを下げたり、窓に雪のようなスプレーで絵を書いたりと、家全体を飾ります。お宅によっては、屋根にも、外にもデコレーションがされています。この飾りつけは、本当にかわいらしくて、見ていて楽しい気持ちになれます。その一方で、街頭のツリーは、本当にただの木で、少し電飾が施されている程度です。日本の街中のツリーの方がずっと華やかで、きれいな気がしました。また、日本では基本的にツリーの天辺には星☆ですが、こちらでは天使が一般的なようでした。
先ほど書きましたが、この飾り付け、クリスマスの12日後まで飾っておくのが伝統的なため、お正月もまだ使われていますが…日本人の私としては本当に不思議な光景でした。
 そして、クリスマスの2週間ほど前から、教会や地域のセンターで、「クリスマスキャロル サービス」を楽しむことができます。クリスチャンではない私は、イギリスに来てからも教会のサービスに参加したことはなかったのですが、クリスマスは特別だろうと、出かけてみました。
ひとつは、近くの小さな美術館で開催されたもので、野外だったので寒かったですが、たくさんの人が来ていました。地域のオーケストラの生演奏に、教会のコーラス隊。たくさんの「キャロル」を聞くことができました。見に来ている人もみんな、一緒になって歌っていて、子供から大人まで、1つになってクリスマスを祝っている感じがしました。
 もう一つのサービスは、クリスマスの1週間前に、友達の通っている教会で開催されたもので、こちらはキャロルとキャロルの間に、聖書の朗読もありました。そして、手話通訳付でした。私は、手話通訳にくぎ付けで、といっても、わからないのですが、いくつか日本の手話と似た単語を見つけることができました。また、クリスマスに食べる「ミンツパイ」のサービスもあり、イギリスらしいクリスマスの雰囲気を味わうことができました。
 そして、クリスマスイブ…日本では「イブ」がメインという気もしますが、こちらでは特に何でもありません。仕事がお休みだった私は、街に出て見ましたが、相変わらず、買い物ですごい人です。この日になると、クリスマスカードなどは値下げされていて、ギフトもかなり安くなっているので…お勧めです!夜は、フラットメイトと二人で料理をして、ささやかなクリスマスパーティをしました。(写真)もちろん、このケーキも手作りです!!
 いよいよ、クリスマス!!一番驚くのは、この日イギリスのすべての交通機関が停まるということです。動いているのは、タクシーと、飛行機だけ…なので、空港からのアクセスもありません。そして、唯一のタクシーも「ダブルプライス!!」。衝撃的です。クリスマスは「家族で過ごす」が原則なので、仕事に行っている場合ではないそうです。 
そんな中、私は仕事に行きました。どうせ、「バスも電車も停まって、どこにも行けないのだから、仕事に来てクライアントと一緒にクリスマスを祝って、クリスマスディナーを食べたほうが楽しいよ」というマネージャーの言葉で、働くことになりました。でも、確かにその通りです。店もほとんど閉まっていて、家族で過ごさなければ、テレビを見る以外にすることなんてありません。ということで、私の職場での、クリスマスの日の様子を…
 朝、ツリーの飾られているダイニングルームに集合し、ツリーの下のプレゼントを開けます。プレゼントはツリーの下に山積みで…どれが誰のだ?とみんなワクワクしていて、「よし、プレゼントを開けよう」となると、我先にと、みんな大興奮でした!次々に、包装紙をびりびりと破り、みんな嬉しそうにプレゼントを見せ合っていました。


その後は、いつものように自分の部屋で過ごしたり、テレビを見たり…テレビでは日本のお正月番組を思わせる「クリスマス番組」があっていて、(特に面白くはありません)それを見たりしました。
そして、2時。クリスマスディナーです!!もちろんメインは、前日の夜から1番かけてオーブンで焼いた「ターキー」。それにたくさんのゆで野菜。そして、クリスマスと言えば「ミンツパイ」です。テーブルについて、まずは乾杯。そして、クリスマスクラッカーを鳴らしました。このクラッカー、リボンのような形をしていて、2人で両端を引っ張り合います。そうすると、中心部分がどちらかの手に残る形で、二つに分かれ、その部分にメッセージが入っています。今回、私たちが使ったクラッカーには「イギリスジョーク」が書かれていて、笑えるものもありました。それと一緒に、ペーパーの大冠が入っていて、みんなでそれをかぶって食事をしました。 写真はテーブルについて、食事を待っている私のクライアントさんたちです。お皿の横に置かれている、赤い筒のようなものが「クリスマスクラッカー」です。そして、私と肩を組んでいる彼がかぶっているのがその中に入っていた大冠です。
 このようにして、アットホームなクリスマスの1日は終っていきました。クリスマスの次の日は「ボクシングディ」です。もともとは、意味のある日だったようですが、今はただの祝日で、イギリス人に「何をする日なの?」の尋ねたら、「知らない」と言われてしまいました。
 日本では、この日から突然クリスマスの飾り付けが消え、街は正月の飾り付けに早変わり…で、本当にあわただしいですが、こちらでは、そのあわただしさがないためか、正月を迎える気がまったくしないまま、大晦日を迎えました。

 「イギリスのお正月」


 街は引き続き、クリスマスの飾り付け。でも、クリスマスが終ると街では、「セール」が始まります!洋服が70%OFF!!行かないわけには、行くません。日本の初売りのようなものでしょうか。
 そして、大晦日。クリスマスとは対照的に、この日はいつもより遅くまで地下鉄が動いています。しかも、夜11時以降は無料です!なんでも、街に酔っ払いがたまって、帰れなくなると危険なので、少しでもそれを回避するためだとか…
 大晦日の日、私も夜の9時ごろから街に出かけていきました。聞いたところでは、トラファルガースクエアで新年を祝うイベントがあるとか。でも、花火はテムズ川のほとり、ロンドンアイ(観覧車)の周辺であがるので、花火を見たいなら、そちらへ。という情報の元、花火を見ることにしました!
 街について、少し時間があったので、まずはトラファルガースクエアの様子を見に行きました。広場に巨大スクリーンが設置されていて、ニュースが流れていたのですが。な、なんと、日本の新年を迎える瞬間があっていて、「除夜の鐘」を聞くことができました。イギリスより9時間早く、2006年を迎えた日本の様子で、他にも東京タワーや、浅草に初詣に行っている人を見ることができて、私はとっても感動しました!!そこから、歩いてロンドンアイの近くに移動。川をはさんで、ほぼロンドンアイの向かい側に陣取って…2006年を待ちました。広場もこの川岸も、とにかくすごい人で、私たちは12人で出かけたのですが、途中で3人は、逸れてしまいました。ロンドンアイ横に設置された巨大スクリーンには、2005年に活躍した世界的に有名な人の顔などが映し出されていました。新年の30分前くらいから、5分おきくらいに花火がなり。5分前からロンドンアイのすぐ横の、水族館の前からの吹き上げる花火が上がり始めました。ロンドンアイも、いろいろな色の照明に照らされて、赤くなったり、青くなったり。そして、2006年1分前から、ロンドンアイの中心部分(スクリーン)でカウントダウンが始まり…2006年になったと同時に花火が!!これは想像を絶するものでした。観覧車にたくさんの花火が仕掛けられていて、時間差でぐるりと円を描くように噴射式の花火が出てきたり…、花火は15分ほどでしたが、最後は空が割れるのではないかと思うほどの花火が一斉に上がって、言葉を失ってしまいました。(残念ながら、写真はうまく撮れていませんが、一枚だけ。もっと性能のいいカメラが欲しいです…)言葉でうまく表現できないので、ほんとに残念ですが、今まで私がロンドンで目にしたものの中で、私の期待以上たっだものNo1だったことは、間違いありません。
 そして…駅にたどり着くのは一苦労です。何せ、同時にみんなが同じところに向かうので。でも、この人ごみも含めて新年を迎えるイベントかなと思いました。
 とにかく、この花火は本当にすごかったです!!私の友達は、住み込みのボランティアをしていて、その家族から「なぜそんな人ごみにわざわざ行くんだ?私たちは、ずっとイギリスに住んでいるけど行ったことがない」と言われたそうですが…もし、イギリスで新年を迎えるチャンスがあったら、絶対にこの花火を見に行くべきです。
本当にきれいで、素晴らしくて、「今年は間違いなく、いい1年になるな」という気分になれます!
 こうして私はイギリスで無事、2006年を迎えました。ボランティアの任期終了まで、あと約1ヶ月。最後まで、しっかり働いて、少しでもいろいろなものを得て、帰国するつもりです。