
平成14年2月12日(火) 17:00〜19:00
主催:メディア教育開発センター


| 話 題 提 供 者 | 話 題 | 関 連 事 項 |
| 廣瀬洋子(メディア教育開発センタ−) | 米国の高等教育機関における障害者支援システム | 英国の先進例 |
| 三ツ木任一(放送大学) | 障害を持つ人にとっての高等教育 | |
| 藤芳 衛(大学入試センタ−) | OSDの機能とコーディネートの重要性 | |
| 都築繁幸(愛知教育大学) | 愛知教育大学での取り組みと学生の声 | |
| 殿岡 翼(全国障害学生支援センター代表) | 一人ひとりのニ−ズから出発する支援 | |
| 参加者 | 質疑応答・意見 |
参加機関
| メディア教育開発センタ− | 千葉大学 | 岡山大学 |
| 筑波技術短期大学 | 愛知教育大学 | 愛媛大学 |
| 群馬大学 | 兵庫教育大学 | 福岡教育大学 |
スケジュ−ル
| 17:00 | 広瀬: 挨拶とこの研究の経緯・米国事例(10分) |
| 殿岡: 「障害学生の調査」 全国障害学生支援センターの取り組み(20分) | |
| 三ツ木: 障害をもつ人にとっての高等教育(5分) | |
| 藤芳: ODSの機能とコーディネートの重要性(5分) | |
| 都築: 愛知教育大学での取り組みと学生の声(20分) | |
| 18:00 | 太田: 討論の柱を提案(3分) |
| 広瀬: 各サイトから意見や質問への回答(52分) | |
| 18:55 | 太田: 今後の課題(次へのステップ:3分) |
| 広瀬: 終わりの挨拶(2分) |
リンク
今回のSCS研修は
メディアFDとフレキシブル・ラ−ニングの一環として企画したものです。
メディア教育開発センタ−の研修一覧もご覧ください
メディア教育開発センタ−の紀要、報告書の障害者関係論文リスト(18件:2002,6,28現在)
注:このままクリックしても不適切なペ−ジに行ってしまうようです。
検索画面(フルテキスト検索)で、(2)キ−ワ−ドに「障害者」とお入れください。
国立大学における身体に障害を有する者への支援等に関する実態調査報告書
(国立大学協会 第3常置委員会
,平成13年6月)
The Association on Higher Education and Disability
(AHEAD)
Disability Service, University of Oregon
国内の大学で「障害学生への支援」に関するHP掲載があるのは
| 立命館大学 | 日本福祉大学 | 早稲田大学 |
| 筑波大学 | 筑波技術短期大学 |
米国の高等教育機関における障害者支援システム
Supporting systems for the students with
disabilities in American higher education
広瀬 洋子 (Yoko HIROSE)
メディア教育開発センター(NATIONAL INSTITUTE
OF MULTIMEDIA EDUCATION)
<あらまし>
今日の日本、学ぶ意欲があれば誰もが高等教育を享受できるかに思われている。大学の開放、生涯教育が提唱される一方で、障害者が高等教育を享受することはたやすいことではない。本研究は、世界で最も進んでいる米国の高等教育機関における障害者支援システムに焦点をあて、その生成過程の社会・歴史的背景や意味をさぐり、同時にオレゴン大學の障害者支援活動の機能と広がりを検討する。
<キーワード> 高等教育、障害教育、学習支援、米国の高等教育、FD研究、オレゴン大學
1. 本研究の背景と、日本の大學の現状
日本の高等教育機関においては1970年代から障害者の受け入れや試験時の配慮などが進み、その結果受け入れ大學の数も年々増加してきた。 最近の調査では過去3年間に障害者の受験ないし受験相談のあった大學は全体の80%に上っている。しかし、学生の修学上の困難や支障をのり越えるための相談窓口を設置している大学は31%、学内委員会等の組織を持っている大學は11%に留まっており、入学後の学習や学生生活をサポートするシステムの整備は各大學によって大きな隔たりがある。米国の大学間の協力、大学外の自治体、公的支援機関やボランティアとの有機的な連携などの事例を検討し、今後の障害を持つ学生支援の一助としたい。
2.米国の歴史背景と、大學の現状
米国では、法制面において1973年のリハビリテーション法504条、1990年の障害を持つアメリカ人法(ADA)によってほとんどの大學に障害者サポートシステムが整備されている。
横の連携としては1977年にNPOのAHEAD(The
Association on Higher Education and Disability)が組織され、以来障害者支援に関わる教員や関係者を組織し研究、ワークショップ、会議、出版等が続けられ、現在の会員数800人を誇っている。
学齢教育としては、1975年の全障害児教育法、1977年IDEA(Individual
with Disabilities Education Act)の下、すべての障害をもつ子どもには学校が親の許しを得て、個別教育計画IEP及び個別移行計画ITPを作成し、最も制限の少ない環境下で、統合教育を目指した教育が提供されており、幼・小・中・高校からコミュニティカレッジや大學進学まで視野に入れた一環したサポートシステムの整備に取り組んでいる。
3.ADA法と大學での配慮
70年代のリハビリテーション法は多くの負傷したベトナム帰還兵を迎えるさいに成立したものであり、その後公民権運動の流れに障害者の人権を位置づけた1990年に雇用、交通、公共施設、コミュニケーションシステム等の差別を禁止するADA法(Americans
with Disabilities Act)が成立した。障害者の自立を促進させることは国家の利益につながるという信念が法律によって具体化されたのである。障害を理由に差別したり、障害者への配慮を欠く高等機関は告訴され、敗訴すれば公的助成が打ち切られるほか高額な賠償金を要求される。米国の高等教育機関では、障害者への支援は道徳的見地はもとより、大學運営の上で障害者支援は不可欠のもとなった。過去20年間に視覚障害・聴覚障害・肢体不自由への支援体制は確立されてきており、AHEADの2001年7月の第24回大会は“Widening
the Umbrella”と題して学習障害や精神障害への対応に焦点が移りつつあることを示している。ことにオープン・ドア・ポリシーを貫いている、コミュニティーカレッジではこうした学生への対応が課題となっている。
4.オレゴン大學にみる障害者支援
●障害者支援室(Dsiability Service)のスタッフ
1)学内規則や法律のカウンセラー (障害に関する証明書への対応や配慮の判断)
2)一般窓口カウンセラー(学習支援のアシスト・教員へのコンタクト等)
3)学生カウンセラー (各種支援コーディネート)
4)ノートテイク・試験等のコーディネータ
5)朗読コーディネータ (録音サービス)
6)手話通訳スタッフ
7)アダプティブ・テクノロジー・アドバイザー(ラボやコンピュータトレーニング・活用アシスト)
● 支援内容
1)コース履修(優先履修受付・教室再配置)
2) 教員との連携(教員や学部への配慮要請)
3)教員への文書による配慮の要請
4)ノートテイク(同クラス学生有償ボランティア)
5) 朗読テープ (朗読支援センターへの連絡).
6) 手話通訳
7) 試験時の配慮
8) 教室内の配慮(前列席の確保、配布資料への配慮:拡大文字、OHP対応等)
9)アダプティブ・テクノロジー・ラボの活用指導
10) 機器の貸し出し(テープレコーダ・TTY・音声計算機/音声辞書・FMシステム・簡易ワープロ)
11) その他の授業支援
● FD支援(教職員のためのガイドブック)
障害支援室のサービス内容や連携方法の周知と、障害者が授業をよりよく理解できるようにするための教授法や配慮へのアドバイスが60頁のウェッブサイトに掲載され、関連部署へのリンクがなされている。
● その他の学内サービスとの連携
1)アカデミックラーニングセンター
2)教育機会均等プログラム(EPO)
3)差別撤廃措置・機会均等部門
4)就職センター
5)カウンセリング・試験センター
6)安全管理センター
7)エスコートセンター(学内移動補助)
8)機器修理サービス
● 地域サービスとの連携
1)盲人と失読症のための朗読テープサービス
2)オレゴン州立図書館
3)盲人委員会(Commission for the Blind)
4)職業リハビリセンター(Vocational Rehabilitation
Division (VRD) )
5)モビリティ・インターナショナル USA (MIUSA)
5.米国の大學における障害者支援の特徴
米国の大學における障害者支援の特徴は、60年代に始まった公民権運動や人権運動の一環として発達してきたことにある。人種・性別・セクシャルオリエンテーション・貧富の差等に関わらずすべての市民があらゆる場面で均等な機会を享受するべきだ、という堅固な思想基盤と、それに対応した具体的対策の積み重ねによって支えられている。あらゆる大學にADAコーディネータがおかれ、ADA法が学内で実現されているかを監視している。たとえばオレゴン大學では、Transition
Plan Americans with Disabilities Actを実現するためのタスクフォースが1992年7月に組織され、学部教育、教室、建物、サービスなどの学内のすべての項目にわたって点検・整備が進められ、常にウエッブ上に公開されている。現在米国ではADA法施行から10年がたち、様々な形で評価がなされ、その成果が発表されつつある。
日本への含意
情報技術の進展は、大學教育の教授法や学習法を大きく変化させ、その活用は大學で学ぶさいの教育の基本的技術・知識となった。とくに障害者はITによって多くの恩恵を受けることができる。しかしそれを実現させるには、国家レベルの法的整備や財政的援助、学内の制度や目標、責任の所在を明確にし、学内外の関係機関との連携を支えるヒューマンサポートが重要である。近年、日本の文部省は「多様な学生に柔軟な学習形態を可能にするオープン&フレキシブルな新しい高等教育」を提唱している。
米国の「多様な人々への大學の開放」の歴史と実践をみるとき、この言葉の意味と深さを日本の我々がどこまで共有しているのか、そのための覚悟ができているのか、もう一度問う必要があるだろう。
参考文献
広瀬洋子1997『障害者の高等教育とメディア・アクセスの研究』p.165-187,共同研究者/香川邦生、都築繁幸/三ツ木任一,放送教育開発センター
広瀬洋子2000『共生の時代』p.87-104、放送大学教育振興会
国立大學協会第3常置委員会2001『国立大學における身体に障害を有するものへの支援等に関する実態調査報告書』
The Association on Higher Education and Disability
(AHEAD) http://www.ahead.org/
Disability Service, University of Oregon
http://ds.uoregon.edu/index.html
一人ひとりのニーズから出発する支援 (スライド (PPT))
全国障害学生支援センター 代表 殿岡 翼
<目次>
1. 全国障害学生支援センターの紹介
2. 受験・授業での問題(視覚障害)
3. 学生生活での問題(肢体障害)
4. アイデンティティーの問題(聴覚障害)
5. 国や大学に対して求めること
1. 全国障害学生支援センターの紹介
私たち「障害学生支援センター」では、障害をもつ学生に対して、大学を受験する際の相談や入学後の学内生活に関するサポート、情報提供活動を行っています。利用者のニーズに最大限応えられるよう、こうした業務は、同じように障害をもつスタッフを中心に行われています。さらに、障害学生に正確な情報を提供するため、毎年全国すべての大学に対して独自の調査を行い、その内容を「大学案内障害者版」としてまとめて出版しています。今般は6冊目となる「大学案内2002障害者版」を出版する運びとなりました。詳細については後日新聞等に発表されるものをごらんいただければ幸いです。
そのほか、障害ある方にもない方にも読んでいただけるよう「情報誌・障害をもつ人々の現在」を年数回発行しております。また、毎年夏に障害をもつ高校生・大学生を対象とした交流会を開催しております。
ところでそもそもこのような活動をはじめるきっかけは、ある座談会からでした。
視覚・聴覚・全身性肢体という異なる障害をもつ大学生が集まってその体験を語り合ったのです。そこで障害の違いを超えて共通する数々の問題が見えてきました。この座談会が終わるころには出席者の誰もが、障害学生に対する適切な情報提供と具体的なサポートが急務であり、それは同じような体験をしてきた当事者が中心となって行われる必要があることを痛切に感じていました。この座談会でのメンバーの思いが現在の支援センターの立ち上げへとつながったのです。
その座談会の内容は「学生生活を通して見えてきたもの」にまとめておりますが、今日はそこから簡単に例を引きながら、障害学生が直面する主な問題を3点挙げたいと思います。これらの問題は、障害別・個人でその内容は違ってきますが、おおむね障害学生に共通して見られるものです。これらの例を通して、障害学生の置かれている状態をリアルに明らかにして、問題の本質を探っていきたいと考えています。
2. 受験・授業での問題(視覚障害)
第1点目は、受験・授業での問題です。ここでは、視覚障害学生を例にとってみましょう。たとえば視覚障害学生の点字受験はだいぶ認知されてきましたが、その内実はあまり知られてはいません。点字受験で、実際に受験する学生や問題の点訳に人たちがどんなことに苦労しているのかすこし見てみましょう。
「学生生活を通して見えてきたもの」より
大学側で試験問題が他に漏れてはいけない、と言うことがあって前もってボランティアの方に見せると言うことができないらしいんですね。ですから、だいたい当日の朝に作るんです。試験は一般の1.5倍ですから2時間と少しの間ずつ行われます。たとえば1時間目に英語があって2時間目に国語があるとしたら、国語の問題は英語の試験中に作ったり、ということが行われるんですね。受験者が1人であろうと10人いようとボランティアが当日その大学に行かなければ問題が作れない。ですから違う大学を受ける人がその日にたくさん重なってしまってボランティアが足りなければ、大学側が受けさせたい、または受けたい学生がいても受けられないということがある、そういうのは聞いたことがあります。
それからどうしても手作業でしかも急いでやるのでミスも出てしまうんですね。当時はあまり考えなかったんですが今思えば、そういう切羽詰まった状況では受ける側も安心して受けられないというのはひとつの問題ですね。視覚障害をもつ学生さんが受ける場合にはそういう切羽詰まった状況が改善されないと受けたいところを自由に受けられないのは事実だと思います。
点字受験は、当日の寒さとも深く関係してきます。
「学生生活を通して見えてきたもの」より
それからこれは余談なんですが、ただ試験問題を作ってもってくればいいだけではないんです。受験は冬ですよね。ですから朝は寒いですよね。紙というのはとても冷たいもので、作りたての問題をそのまま何分か放り出しておいて受験者に渡すともう冷たくなってしまって読むことができないんです。読んだだけで手が動かなくなってしまって受験に非常に支障が出るんですね。ですから早めはやめに作ったものをストーブの上などで暖めて読みやすい用にする、という配慮も必要で、それをやりながら、しかもなおかつ大学側からは当日でないと問題を渡せないと言われるので、その辺りがとても大変だというのを聞いたことがあります。
また図形などが間に合わない時に問題がカットされてその分の配点が(別の所に)取られてしまうということも起きています。問題を作る側で間に合わなかった場合には原則として他のところにその点数が配分されるんですが、問題を受ける側としては選択する自由があるわけですね。なかには削除された問題が実は得意分野であるという人もいて、そういう意味ではきちんとしたものが出されないというのは問題だと思います。このようにミスがある、読みにくい、時間的な余裕がない、人的不足といったことが問題になっていると思います。
そのほか、当センターに寄せられている相談事例からは次のようなことが上げられます。そもそも入学試験で、点字での受験がどこの大学でも認められているわけではありません。また点字が読めない学生(全盲・強度弱視)への対応として、パソコンによる受験の可能性も指摘しておかなければなりません。さらに、肢体障害の学生からは「代筆などの配慮については、事例がないことを理由に受験できない」といったことも報告されています。聴覚障害学生からは、講義保障をどう実現させていくか。入学前の、入学後のサポートについての不安や入学後、講義保障がないため、内容が分からず、講義についていけない、などが報告されています。このことについてはすばやい対応が求められるのですが、実際には、人材募集・養成の面で時間がかかるので、それまでの仮対応をどうするかなどが課題です。
3. 学生生活での問題(肢体障害)
二つ目は通学や下宿など学校外での生活に関わる問題です。たとえば全身性障害でしかも一人で生活しようとしたときに食事や風呂やトイレはどうするのか、毎日を生きることに直接関わるだけに重大です。
「学生生活を通して見えてきたもの」より
まずトイレがヤバイなと思ったんですね。トイレを何としてでも解決せねばと思ったんですね。まずトイレが解決してから、もういいや、後は人にやってもらおう、と思ったんですけれど、だんだん欲が出て来るんですよね。じゃあ他にもできるんじゃないかな、そういう欲が出てきて。次は飯を作るのは無理でも、外へ買いに出ていけるようになりたいな、出前が取れるようになりたいな、というので、そういうこともできるようになる。ああ何でもできるじゃないかと思って、次に着替えもできるといいなと思って、いろいろな道具を仕入れて着替えもできるようになる。学校なんて二の次だった。次は何か家の中で起きたら大変だから、外に出られるようになりたいなあと思うと、とりあえずドアを開けて外に出る練習を始めた。次にお風呂で、お風呂も入れるようになった。最後まで靴下が残ったんですね。靴下は1年間は学校に行ってはかしてもらえればいいから、1年間はいいと思ったんですね。しばらく裸足の状態だったんですけど、そこにも欲が出てきて、はける機会があるらしいというのを雑誌でみて、それを購入してはけるようになった。次々に連鎖的にもっともっとという感じで、生活が向上していったんですね。それが約1年ですよ。トイレがらみの失敗というのはとくにしたい不自由の人には多いですよね。・・・なんとかならないものはない、というくらいの意気込みがとても良いという気がします。
障害を持つ人が困難にぶち当たったときに、このように具体的に問題を列挙して見るというスタンスは非常に重要でしょう。当センターにも、生活に関する実に多様な相談が寄せられています。
ここで皆さんにぜひ知っていただきたいのは、ほとんどすべての障害学生が大学に進もうと希望したときに、自分の志望動機や学びたい分野に優先して「入学後の通学・下宿場所・日常生活上のサポートの可能性を考慮した上で志望校を選ばなくてはいけない」という現実があることです。この現実こそ、障害学生がもっとも苦しむ大きな壁なのです。
なお、当センターに寄せられている相談の概要は、今年度1月末現在で相談件数合計90件です 受験に関するものが47件、学内サポートに関するものが25です。また、障害別では、視覚:12 聴覚:33 肢体:23 知的:10件です。
4. アイデンティティーの問題(聴覚障害)
三つ目は障害のある人々が、他の人々、とくに障害のない人々との友達関係や、自己のアイデンティの確立に関わる問題です。障害のある人が障害のない人の中で対等に生きていくことが可能になるためにはどのような環境整備が必要なのか、これは非常に重要な課題です。
「学生生活を通して見えてきたもの」より
聞こえない人同士が集まるということに対してはわたしもとても大切なことだとは思っていますけれども、それがすべてではないという風に思っています。具体的に言えば、たとえば障害があるなしに関係なく普通の子どもの場合も、第1反抗期があり、第2反抗期があり、中学生の思春期には親に反抗する、そういういろいろな時期がありますよね。それと同じように聴覚障害者に関しても反抗期のようなものがあって、その間にお互い障害者同志が集まってアイデンティティーを作っていく、そういう時期があると思います。ただやはりそういう時期は一時期であって、最終的に障害者だけが固まったままで生きていくという意味ではない。普通の子どもも反抗期があってはじめて親離れ、子離れをするんですね。それがアイデンティティーの確立という意味であって、それと同じように聞こえない子どもも聞こえないものだけが集まってはじめてアイデンティティーが確立できるのではないかと思います。他の人たちとどう対等にやっていくのを身に付けることができるのではないかと思います。
「学生生活を通して見えてきたもの」より
聞こえない人の場合には、まず聾者の仲間で集まって、その上ではじめて聞こえる人の中に入っていけるんですね。
「学生生活を通して見えてきたもの」より
手話サークルは入ってから半年でやめたんです。聞こえない人たち同士で集まることも大切なんですけれども、・・・今は思っています。卒業が近づくにつれて聞こえない人の集団から出てもいいかなというような気持ちになりました。それまでは聞こえる人の顔も見たくないというような状況がありましたから、そういう状況で聞こえる人の友達を作るというのはとても考えられなかったですね。
障害学生が自分自身のアイデンティティーに力強さを持って発言することができるよう支援することが大切です。社会の中でマイノリティーとしていやおうなく自己と向き合わなければならなくなる障害学生はは、自分自身の本当の気持ちをさらけ出すことに、とてもおっくうになりがちです。それを補うために、障害学生に「ものをいえる場所」を実際に作ることが必要でしょう。
5. 国や大学に対して求めること
当センターではこれからも、障害当事者による学生支援をよりいっそう進めて行きたいと考えております。そこで私たちから国や大学に対して次のようなことが望まれます。
第1に大学入学者選抜実施要項の見直しです。
毎年文部省から各大学長宛に出される『大学入学者選抜実施要項について(通知)』では、各大学に対して「障害のある入学志願者に対して特別の措置をとることによって配慮をすること」を求めています。そして要項第5の2で「入学者選抜に際して健康診断により不合格の判定を行うについては、疾病など心身の異常のため志望学部・学科等の教育の目的に即した履修に耐えないことが、入学後の保健指導等を考慮してもなお明白な場合に限定することが望ましい」との表現で、障害による不合格の判定を行うことへの慎重な判断を求めています。また、ここでいう「疾病など心身の異常のため志望学部・学科等の教育の目的に即した履修に耐えないこと」は、非常に限定して捉える必要があると考えます。
こうした状況の中で、直接的に受験や入学を断ることは少なくなってきています。しかし「入学後に○○ができないので、うちの大学では学生生活が送れません」という形で、受験を辞退するよう求めることは現実にはあります。そこで要項第5の2の見直しがぜひとも必要です。
また、これまで卒業後得られる国家資格に障害者欠格条項があり、資格の取得ができない見込みであることを理由にして、医学部・薬学部などの入学を断るケースがありました。
しかしこのたび「医師法等の一部を改正する法律」は、省令(医師法施行規則など)とともに、2001年7月16日に施行され、障害や病気で一律に門前払いする「絶対的欠格条項」は、ほぼ削除されました。それに加えて、附帯決議では、「四、大学・専門学校等の教育・養成機関が、受験と教育の両面において必ずしも障害者に開かれてはいない現状にかんがみ、これら教育・養成期間での障害者に配慮した受験制度及び就学環境の改善を進め、障害者の資格取得支援のための条件整備について所要の措置を講ずること。」と書かれました。(同様に、障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議 衆議院本会議6月22日可決)
今回の改正によって、「目が見えない者、耳が聞こえない者、口が聞けない者」の場合資格取得ができないという障害者欠格条項は削除されました。結果、医師法欠格条項を理由にした各大学の医学部の受験拒否はその根拠を大きく失いました。また、それにとどまらず、「政府は、大学・専門学校等の教育・養成期間での障害者に配慮した受験制度及び就学環境の改善を進めることについて必要な措置を講ずるべきである」との国会決議を踏まえ、各大学に対する文部科学省の指導・監督責任は増してくるものと考えられます。
医師法の改正の動きは、医学を学びたいすべての方へ高等教育の門戸開放であると、わたしたちは考えています。それは医学部に限らず、みずから障害学生が開かずの扉を開く、新しい分野への開拓でもあります。
第2に精神障害のある学生の進学に対する制度の整備と積極的な受け入れ態勢の充実です。精神障害学生の入学後に起こりうるニーズとして、入学後の精神保健関係の健康診断の実施での不安、授業内・欠席数等の配慮、学期試験での配慮の問題など幅広く想定されています。こうしたことを踏まえ、少しでも当センターが精神障害学生支援に取り組んでいけるよう、その足がかりをこれから作って生きたいと考えています。とくに入学後の健康診断による合格の取り消し(強制された自主退学)を行わないことをどのように確約させるかを盛り込むことが大切ではないかと考えています。受験時配慮では、緊張・ストレスなどの緩和を目的とした別室受験、付き添い者の同伴、試験時間のスケジュールにゆとりをもたせること。入学後の配慮では、本人の配慮事項について希望を確認すること、継続的なカウンセリング活動の実施、精神障害学生の地位向上を含めた啓蒙活動の実施、特に教職員への啓蒙活動が重要であると考えられます。
最後にどんな障害のある人でも高等教育の機会を得ることが可能になるために、「障害者差別禁止法」の制定が望まれます。そしてその中で当センターとしてはとくに大学における障害学生に対する差別の禁止事項として次のような項目が盛り込まれることを期待しています。
(1) 障害学生に対する、大学による入学試験の出願拒否、受験拒否、入学拒否の禁止
(2) 障害学生に対して不利な受験環境で、大学が受験を強制することの禁止
(3) 障害を理由とした、入学試験の不合格判定の禁止
(4) 入学決定前の健康診断実施の禁止、診断書提出の禁止
(5) 障害学生が大学在籍中に、教育内容に対するすべての分野(授業、実験、実習、体育実技、定期試験、卒業論文など)において大学からの必要な配慮が行われないために、上述の教育内容へのアクセスが妨げられることの禁止
(6) 障害学生が大学在籍中に、教育内容に対するすべての分野(授業、実験、実習、体育実技、定期試験、卒業論文など)において、障害を理由に公正な評価を受けられないことの禁止
これまで障害学生の生の声を通して、当事者の抱える問題についてざっとお話ししてきました。最後に次のような問いかけで私の講演を終わらせていただきたいと思います。
そもそも、みなさん障害のある学生が大学を受験し、ともに学生生活を送ることをどのように考えていらっしゃいますか。
ご清聴、ありがとうございました。
障害を持つ人にとっての高等教育
三ツ木任一 (放送大学)
・障害を持つ人の就学上の困難を排除するためにはどんな配慮が必要とされているのか?
・大学内での学習活動やキャンパスライフに参加するために、身体障害を補うための配慮や特別な支援がどのようなメニュ−として対応できるか。そのメニュ−の量と質により、障害と言う概念が180度転換できる。
・大学は障害者を受け入れてみて、その人のキャンパスライフを成り立たすことを考えてみることが決め手。どんな障害にも共通する一般的配慮と個別の配慮を区別する必要がある。
・アメリカの場合、考えられる方策をつくして受け入れる。放送大学の場合、バリアは少ない。学生は自宅でマイペ−スで受けられる。
放送大学の学生9万人のうち、障害による特別措置を利用している者は470人。
・肢体不自由養護学校高等部卒業生の大学・短大進学率は1%と低い。教育の中身が問われている気がする。
OSDの機能とコ−ディネ−トの重要性
藤芳 衛 (大学入試センタ−)
・障害学生が大学で学習する時に、支援する一番効率的なのは全国的な機関を作って、教材を作ったりハ−ド的な管理もして障害学生支援センタ−を作る。
・地域にコ−ディネ−タ−を常勤で配置する。
・どう人間関係を作ったらいいか。大学の教官・事務官との人間関係を作れることが大切
・せっかく理解のある先生・級友がある段階から逆の立場になることがある。
・プロのコ−ディネ−タ−が必要。
・学長直属の機関として権威を持ったものをおく必要がある。大事なのは人間関係。そのために必要。
・各大学に支援室を設置するのが重要な課題だと思う。
愛知教育大学での取り組みと学生の声
都築 繁幸(愛知教育大学)
これまでの障害学生(H2聴覚障害、H5肢体不自由、H10聴覚障害、H11聴覚障害、H12聴覚障害、H13聴覚障害、肢体不自由)
今村さん(聴障学生)の発表
現在、ろう学生が4名在籍。ろう学生への支援は手話通訳とノートテーク。手話通訳が認められたのはH12年6月。それまでは友人にボランティアとしてノートテーク。ノートテークは、先生の話に同時についていくことはできない。授業の内容は理解できたけれども講義中の雰囲気が感じられない。初めて授業に手話通訳がついた時、とてもうれしかった。手話通訳者の手話を食い入るように見つめていたのを今でもはっきりと覚えています。教官が冗談を言ったり、その様子をリアルタイムで感じられて、大変嬉しかった。
現在、私には週7コマ手話通訳がつく。でも思いもよらない悩みが出てきた。聞こえる学生たちは、授業がつまらない時、寝不足の時、居眠りしたり、内職ができる。でも、私たちろう学生は手話通訳から目をそらすことができない。通訳者の中には「目が疲れたら休んでもいいよ」と言ってくれる人もいる。通訳者は講義の内容を知るため準備し、遠くからわざわざ来てくれているので私も気を遣う。手話通訳を見ている他の学生に、あの人(私)はせっかく手話通訳者が来ているのにまじめに見てないと思われる。他の大学ではろう学生に手話通訳がついてない。手話通訳がついていない学生のことを思うと、その人たちは板書だけが頼り。それに比べると今の私の悩みは贅沢な悩み。そういう悩みを相談できない。通訳者と私たちの人間関係も良くないとお互い気を使って疲れてしまうので、本音で会話できる場所が必要だと思う。
鈴木さん(肢体不自由学生)の発表
私は車いすと義足を併用。通学に車を利用。学内には身障者用駐車場が2ケ所に設けられている。ドアを最大限広げるので普通の1.5倍のスペースが必要。専用スペースがないと乗り降りがスムースにできない。身障者用スペースがときどきふさがっていることがあるが、その時は大変困る。大学構内は坂や段差も多く、車いすでも義足でもつらいが、友達に車いすを押してもらったり、車の近くに留めることでカバーしている。講義はEVが設置されている建物が利用されている。EV設置のない建物に行くときは、友達に車イスを運んでもらう。授業の時は、一番後ろに位置する。授業内容によっては参加できないものもある。雨の時は傘が必要。車いすでは傘がさせない。車の乗り降りの時もびしょぬれになる。駐車場から建物まで屋根があると助かる。
大学の対応
障害児教育講座教官5名を中心に、障害学生支援WGを組織。学生のいろんな問題を討議し、検討が必要な場合は、学内の各種委員会、事務局に依頼する形で支援。現在支援が必要なのは聴覚障害4名、肢体不自由1名、音声障害1名。他に2,3人障害学生がいるが、支援の要求がない。ここ2,3年の取組。
@手話通訳はH12年6月より。H13年4月から学内で承認された障害学生の学習支援関する取り扱い要領を作成。ノートテークは73コマ分、手話通訳13コマ分を予算措置した。教育実習は学生の意志に基づいて附属での実習を聾学校に振替た。施設整備に関しては、平成11年度、12年度にかけて講義施設、福利施設に集中的工事がなされた。自動扉9ケ所、身障者用トイレ10ケ所、EV9ケ所。通学用駐車場も確保。
A情報保障:教官に事前に文書で聴障学生の受講を通知。ノートテークは基本的には同専攻の同じ授業を履修する学生が行う。英語に関しては、英語教育専攻の学生が半年間5〜6コマ程度行う。
手話通訳は学外の愛聴協に依頼し、半年間で15〜16名を派遣してもらい謝金を支払っている。しかし、交通費、資料費等はなし。今後の課題。肢体不自由学生は、学内移動の際、休み時間に友人が支援。謝金支払いはない。音声障害(声帯まひ)の学生は、かすれ声。講義で発表する際、卒論で調査をしたい時、音声情報の支援ということで謝金を支払った。
全学的に教官は支援をしている。がいろいろ準備が足りないところもあり学生にとっては不満に思う所もあるかもしれない。教官個々が支援の内容について検討し、学生がハンディを感じないような情報支援をしていきたいと思っている。
学内広報誌にも障害学生の特集が組まれるなど全学的に協力頂いている。
岡山大学
法学部 佐野寛(教官)
重度の聴覚障害者が平成13年度に入学し、それを契機に支援整備を始めた。障害学生を受け入れた経験がなかったのでどう対応したらいいかわからなかった。本人、保護者に情報を提供してもらった。ノートテークを1部について実施している。本人が手話に精通していないこともある。一般教員については障害学生の支援に関する情報が伝わってきていない。情報提供をいっそう進めてもらいたい。体制整備として学内に「障害学生支援委員会」作りが提言された。アメリカに比べるとまだ実態はない。全国的な形での情報提供をして欲しい。また我々の活動がフィードバックされて全国的にお役に立つという体制ができたらいい。コーディネーターは、現在特定の教官に頼み大変。その先生の負担になっている。どういう形で負担、責任について、どう対応していったらいいか。教えて欲しい。
広瀬
コーディネータの配置について、どこがだれがお金をだすか、認知するか。いればいいというものではない。いろんな問題提起を受けた上でまとめられたらと思う。
千葉大学
工学部 大竹さん(学生)
工学部に聴覚障害者が在籍。ボランティアでノートテークを実施(大学による保障ではない)。ノートテークが必要な学生は現在3名。全員学部が違う。そのうちの1名は視覚障害もあり、将来点字+手話が必要。他大学では2つ必要な学生はいるのか? また視覚+聴覚障害学生が入学した場合、どう対応予定か?
広瀬
2つ教材が必要な場合がある大学はありますか?→各サイトからの発言なし
群馬大学
久田(教官):視覚障害+聴覚障害者について、東大に福島智先生(盲ろう者)がいる。指点字でコミュニケ−ション。かなりのボランティアが協力していたと聞いている。
岩崎(車イスの学生(現職教員)):入学後にトイレ、スロープ設置。学内の行ける教室が限られている。自分で行けない教室の時もある。スロープ設置の予算を法律がない中でどこまで要求できるのか?と考えてしまう。最低限のものまでか、逆に要求するときりがない。
コーディネーターは障害児教育の先生が現実的。障害児教育のない大学ではどうするのか。アメリカのdisability
serviceに行ったこともあるが、アメリカでは障害児教育のスタッフと障害学生支援のスタッフとは別。日本ではどう立ち上げていくのか。
広瀬
多岐にわたる問題が出てきた。@コーディネーターをどう育てていくのか。A法律的にはどの程度まで要求可能か。B2つ(視覚+聴覚)の通訳が必要な場合はどうするのか。→放送大学で昨年私が担当した「共生の時代を生きる」というの授業番組の中で、現在東大の福島先生にフォーカスをあてて、日常も紹介した。その中で指点字がどう行われているのかが映像からも理解できるのでぜひご参照ください。
コーディネーターの問題、または法律的な問題に殿岡さんに答えてもらいます。
殿岡
アメリカの事例から始めたんですけれども、日本においても国立私立を問わずすばらしいシステムを作り上げてきている例もたくさんあります。私立大学などは教育学部を持ってないところもたくさんあるが、それでも積極的に支援センターを設けているところもある。特色をもって立ち上げている。要項がHPでも公開されるようになり、ちいさなひとつひとつの積み上げができつつある。 アメリカの例を聞くとびっくりする。しかし、びっくりすることはない。ほんとに優れた大学で状態が実施されているかどうかという実証的調査はまだ聞いていない。また人種による格差があるとも聞いている。外国をまねするのではなく、1人1人のニーズに応えていくことを積み上げて、自信をもってやっていく積極的試みこそが10年後の日本のシステムを作りあげる。アジアのモデルになるようなものを作っていければいい。予算は文科省高等教育局。その中の入試室等に問い合わせ。障害者の予算を個別に作るのではなく大学の一般予算の中に組み込んでいく形式。今現在特別に何が認められるかではなく、大学全体の予算の中にどう盛り込んでいくかの視点が現行の制度を利用した場合は有効。「うちの大学設備としてEVを一基増設したい」という方がいい。
広瀬
藤芳先生、コメントを
藤芳
経済的支援として、申請があれば障害学生1人に400万円出ている。私大にも年7億円出されている。それが使われず、どこかへ行っている状況もある。コーディネーターの役割について、専門の障害児教育の教官が、関わっているが。実践のサービスは専門のコーディネーターがやるべきだ。障害学生が大学で勉強するためには、勉強だけでなく、住居の問題も関わってくる。コーディネーターが必要。そこで仕分けをしなければ、理解ある教官の加重負担になり失ってしまう。
広瀬
三ツ木先生、コメントを
三ツ木
障害学生が大学の中にいることが出発点。アメリカの障害者運動の中の新しいパワーの代表的なものが自立生活運動。この人達の要求は日本と発想が違う。差別禁止は機会平等ということで、教育・雇用の世界にも要求し続ける。先ず大学の門戸をこじ開ける。→雇用平等へ。社会参加の中で、最大のインパクトがそこにあった。日本では大学を受けたい障害者は「地域で自立して」が精一杯。もっと大勢の人が大学へというムードを盛り上げていってほしい。「私もみんなと一緒に大学を受けたい。チャンスを与えろ」という要求をしていくことをして欲しい。「要求のない所に実現なし」が私のモットー。大学の先生方を脅かすような圧力団体になって欲しい。
広瀬
都築先生、お答えを。
都築
予算について、@学生のニーズを聞く(学内を一緒に出向く。手話通訳が何コマ必要か)。計画を立てる。まとまったところで文科省へ要求。A学内の構成員の理解のもと、学内経費で手話通訳措置。
広瀬
さまざまな問題があがってきた。太田先生いかが。
太田
コーディネーターについては、一般大学における障害学生の支援については筑波技短が情報をもっているので、お願いします。
筑波技術短期大学
視覚部 伊藤
コーディネーターとい特別な職務は設けていない。障害学生しか入れない大学なので、個々の学生の問題への責務は全教官。教官のキャリアの違い等により必然的に学生が相談しやすい教官がコーディネーターの役割を果たす。我々も専門をもっているのでコーディネーターの教官が欲しい。教育方法開発センターがあり、聴覚部、視覚部ともコミュニケ−ション指導部門が職務の上ではコーディネーターの役割を担う。あらゆる意味でのコーディネーターには至っていない。
広瀬
愛媛大学、兵庫教育大学の手があがっているのでお願いします。
愛媛大学
花熊(教官):現在10名近い障害者(視覚障害、聴覚障害、運動障害)が在籍。各学部バラバラな対応。平成13年度、障害学生支援委員会を立ち上げ、検討中。平成14年度に窓口を一本化し、システムを立ち上げる。授業担当教官に情報提供。学生ボランティア養成を計画中。一番の悩みは予算措置で、聴覚障害者へのノートテーク、手話通訳をつけているが、圧倒的に謝金が足りない。全学的措置・理解が必要。これまでは本人への支援がメインにとりあげられていた。→いかに教官全体へのPRするか、どれだけ情報提供できるか。学内委員会だけでなく、全国的にも必要となってくる。学生ボランティアについて、ノートテークの技術、授業内容の理解がノートテークの質を左右。ボランティア養成も併せて意見を聞きたい。
広瀬
私のHPでオレゴン大のFDハンドブックをまとめたものを載せた。学期の始まるどのくらい前に教科書の内容について情報を与えるべきか、先生とのやりとりを、メールやその他のインターネットでどういうふうに行うか、それをファカルティに対して出しているところがたくさんある。情報ということで、画面でお知らせしたい。オレゴン大学のDisability Services
のサイトのInformation for Fuculty にFuculty
Guidebookが載っている。皆さんにも資料を配った。どうやってコンタクトをするか。スタッフは誰か、そのメール、電話番号、学習方法、いろんな情報が載っている。、次にUCLAのOSDのStudent
Handbook。視覚障害者も読めるようなもの。どういうルートで伝えていくのか。いつ、どこでいつまでに申し立てるべきか。権利と義務について詳しく載っている。 英国の世界一のオープンユニバーシティ。あなたはどんな質問があるのですか。どんな質問さえしていいのかわからないのが学生の第一歩。FA&Qもある。リンクとして地域、王立の研究センターでどうサポートを受けられるかがわかる。Web上でも公開されている。イギリスでも公開の法律が制定。
殿岡
コーディネーターについて、本来なら、障害を持った大卒者自身がつくのが最も有効だと思う。4年制大学には在籍2000人。毎年3000人受験、500人入学。まだ圧倒的に少ない。0.1%以下。この中からコーディネーターを見つけるのは難しい。今後どう増やすか。いつ1万人の在籍になるかとも関連する。障害者と大学がいい関係を結べるか。お互い言いたいことが言えない状況ではだめ。自信を持って作ってほしい。
広瀬
兵庫教育大、お待たせしました。発言どうぞ。
兵庫教育大学
富田(聴覚障害):現在、聴覚障害者が2名在籍。支援はノートテーク。コーディネーター担当は事務局の方。もし、ノートテークを頼みたい時は、担当者に言って登録してもらい学生を呼んでくる。学生を呼び同席。謝金として支払い。問題点は人が足りない。大学の場所柄、手話通訳が頼みたい時も通訳者がいない状況がある。いないので、学生がノートテークをしたり、学生を対象としてノートテーク養成講座を開いている。2つ目は、聴覚障害家具制が2人だけ。僕が初めて。まったく支援方法がなかった。僕が方法を確立した。卒業後なくなるのが心配。
都築
日本ではまだ法律作りにいってない。実績がない。単科大では愛教大、総合大では、愛媛がモデルになるかもしれない。コーディネーターは、各大学がまず学生のニーズに応えていくことが大切。各大学でのWGなり委員会が主体性を持ってそこでのサービスを確立していくことが大事。その後もちよって全国レベルの協議会のようなものを設置して2段階レベルで作っていくのが大事。サービスについて、システムだけを作っても障害学生がいなくなると積み上げられない。教官のFDがあったが、是非皆さんに提案したい。国立大学の評価・点検に障害者支援の項目が入っていない。入れるべきだ。
広瀬
3日前に大学評価機構の教官と会った。英国に高等教育評価のカウンシルは障害者への支援の項目がある。日本でも是非プレッシャーをかけて欲しい。声を挙げて欲しいと言われた。
まとめ
皆さんの協力でたくさんの問題が挙がってきた。1つ1つが簡単に解決できるものではない。整理して実際の学生、NGOグループが集まってこの機会を積み上げて、報告書にするのもよし、文科省にも来てもらい話に加わってもらうのもいい。いろんな形で求め確立する方法がある。
SCSも何度か試み、FD研も行い、この問題をきちんと積み上げていきたい。ディスカッションボードを作るとか、そこに各地のノウハウも取り上げていきたい。
2002,6,25.up