2011年12月アーカイブ

小学館のBIG COMICS SPECIALでの星野之宣の傑作短編集の第2弾。タイトルどおり宇宙ものの短編集といったところか。「詩人の旅」は恒星間宇宙船ミューズの建設現場の閉鎖環境と宇宙に適応した乗組員の姿を描く。「木霊の惑星」は、かつて探査隊のシャトルが墜落した惑星の探査隊に加わったロボットメーカー創始者の老人が再び惑星に赴いた理由を描く。「メリー・ステラ号の謎」は、焦熱地獄の惑星への探査隊の男が赴いた衛星は生きている生物衛星だった。「射手座のケンタウロス」は、"不死"の生物の伝説の調査に赴いた権力者の老人の悲惨な末路を描く。「鯨座の海」では、完全に干上がっているように見える惑星が突然の大雨で海の惑星に変わった時、眠りから覚めた大いなる生物が仲間との会話を始める。「セス・アイボリーの21日」は、女性科学者が遭難した惑星は異常に老化を早める星で、生き延びるためにクローンを作るが、という話。「メビウス生命体」は、ブラックホールの探査隊が拾った球体には、物体の裏側に超次元的に移動できる生物が封じられていた。「ターゲット」では、地球を狙う小惑星破壊任務の部隊が任務を果たすと、そこには次の小惑星が。「ウラシマ効果」は、孤独な任務から50年ぶりに帰還した男は相対論効果で若いままだったが、という話。「大いなる回帰」では、危険な軌道を変更されて金星に落ちたハレー彗星と父・息子の話。「灼ける男」は、水星の昼側から徒歩で基地に帰還しようとした男の話。「WAR OF THE WOLRDS」は、アメコミのヒーローたちが現実に現れたらという楽しいパロディ。「宇宙からのメッセージ」はカトゥーン集。「夜の女神」は、月面基地をめぐる攻防を描く初期作品。これだけが1978年発表で単行本未収録。読んだ記憶はあるけど掲載時かなあ、それとも現代マンガ図書館で掲載誌を探して読んだのがあったけど、それだっけ?単行本未収録作を入れて付加価値にしてるんだろうけど、違和感があるなあ。

(「スターダストメモリーズ」、星野之宣著、小学館 BIG COMICS SPECIAL、2011年10月発行、ISBN978-4-09-184107-0)

シリーズの第5巻。西暦2349年のパラスでの農夫タック・ヴァンディの物語と、情報知性ノルルスカイン誕生からのエピソードが交互に語られる。パラスでの話の流れでは、農夫タックが星間生鮮食品チェーン・ミールストームの進出や一人娘ザリーカの反抗期に悩まされながら農業を続けていたが、地球から来た学者アニーが同居するようになり生活に変化が訪れる。たびたび"脱走"して街に出たがるザリーカが誘拐される事件が起こり、タックとザリーカの正体が判明する。タックはかつて海賊エルゴゾーンの幹部であり、ザリーカはその首領イシスのクローンであり、ドロテアのコントロールのためにイシスの遺伝子を持つ者として誘拐されたのだ。タックたちを密かに監視していた元ノイジーラントの軍艦乗りだったテルッセンによるノイジーラントの哨戒艦の協力でザリーカを取り戻すことができ、パラスでの農業をアニーと共に続ける見通しができる。しかし、この巻の白眉はもう一つのストーリーの方だろう。はるか昔のどこか別の銀河の惑星で原始サンゴ虫様の生物の中で、ふと自我が目覚めたのが情報知性ノルルスカインの誕生だった。自らを本意識流と副意識流に分け、移動後に被展開体として復活することのできたノルルスカインはサンゴ虫たちの惑星を去る異星船に忍び込み宇宙に進出する。そこで出会った別の情報知性ミスチフ(いたずらっ子)と対話をしながら様々な経験を積んでいったノルルスカインだったが、ある時、植物型の生物オムニフロラにミスチフが吸収されてしまう。オムニフロラはゆっくりとだが着実に周囲の空間に勢力を広げ、銀河を制覇する覇権戦略を成功させつつあった。対抗しようと宇宙の各所で進化した生物と協力して様々な手を打つノルルスカインだが、じわじわと勢力を広げるオムニフロラを留めることはついにできなかった。常に希望をつぶされダダー(偽薬作り)のノルルスカインとなった後、ヴォイドによってオムニフロラの進出が阻まれている間に先回りしたノルルスカインだが、地球に辿りついて人類の間での活動を続けていたノルルスカインが気づいた時には、ヴォイドを迂回してこの銀河にたどり着いたミスチフが木星にドロテアを仕込んでいた。最後の断章では小惑星・金剛窟でダダーに気付いた科学者ツェンがミスチフに乗っ取られるところが描かれる(どうも読んだことがあると思ったら「SFマガジン2011年2月号」掲載の短編をここに組み込んだらしい)。情報知性の誕生はイーガンの「ディアスポラ」とかでも描かれているが、今作での描かれ方も面白い。オムニフロラが広がっていく様子、特にヴォイドに一時的に阻まれるところなんか、このような時間的・空間的スケールでヴォイドを描いたものは珍しく素晴らしい。これまで物語の裏で暗躍していたミスチフとダダーのノルルスカインの正体が、これでだいぶ明かされたことになる。続きが楽しみだ。

(「天冥の標V 羊と猿と百掬の銀河」、小川一水著、ハヤカワ文庫JA1050、2011年11月発行、ISBN978-4-15-031050-9)

前半の表題作では、故郷銀河にアシュドン少年と共に1つの肉体に宿ったコンセプトとして戻ったエラートは、ティフラーの命を受け≪ノースライト≫でガイアを出発し、銀河系諸種族の尊厳連合(GAVOK)の反乱組織に接触を図り、NEIへの協力を要請しようとした。途中寄った惑星で、反乱組織のリーダーのスセルプに関する情報を得たエラートは、スセルプが隠れている銀河中枢部の無人惑星フォグハに向かった。フォグハでは無人のはずの惑星にあった基地の調査に行ったスセルプが、眠っていた古代のアルコン人バルコンと出会っていた。バルコンの基地にあった謎の転送機に座ったエラートは再び肉体を失い虚空を彷徨うようになってしまい、バルコンもその後転送機で何処かへ消えてしまう。≪ノースライト≫艦長のスントは、スセルプと接触し、友好のうちにNEIへの協力を要請した。後半の「ウォルクロヴの偶像」では、反乱組織に戻ったスセルプは、≪コンスタンティン≫でラール人の計画が進むアルクル星域に出撃する。一方、ケロスカーの安全を守るためホトレノル=タアクは惑星ホウクセルから11光年離れたワイヨッタ星系の惑星ドゥームに移動していた。ドゥームではラール人が半知性体とみなす現住生物ウォルクロヴが謎の神像の建造を続けていた。ケロスカーの主張によりウォルクロヴには手を出さないように命令したタアクだが、反乱鎮圧のためにタアクが旗艦で出撃した隙に副官のワアトはウォルクロヴをロボット部隊で攻撃する。ウォルクラヴとメンタル接触を果たしていたケロスカーたちの元から、ヴァリオ・ロボットがウォルクラヴたちと直接接触するために地下に赴き、女王と会見してウォルクロヴの歴史を聞く。ラール人のロボットを撃退したヴァリオは、ハイパーエネルギー嵐に乗じて着陸したスセルプのコルヴェットに搭乗し、ドゥームから脱出する。

(「バルコンの男(ペリーローダン414)」、クラーク・ダールトン&クルト・マール著、林啓子訳、ハヤカワ文庫SF1833、2011年12月発行、ISBN978-4-15-011833-4)

女子高生マジシャン・酉乃初の事件簿、第2弾。前作のサンドリヨン(=シンデレラ)はフランス語だったが、今回のロートケプシェン(=Rot-käpp-chen=合成語で赤頭巾、käppはkappe(帽子)から転じた語)はドイツ語から。今回も連作短編の形で、第1話「アウトオブサイトじゃ伝わらない」では、須川君のクラスメイトの織田さんの様子がおかしい原因を酉乃が失恋と推理しサンドリヨンで織田さんにマジックを見せる。第2話「ひとりよがりのデリュージョン」では、友人の三好から密かに受け取った写真集が文芸部の笹本さんとぶつかった際に入れ替わって慌てた須川君だが、いつのまにか笹本さんの手元にいったはずの本は文芸部誌になっていた。行方不明の本の謎は酉乃の推理で笹本さんのクラスのリーダーの1人柿木園さんの仕業ではないか、ということになる。第3話「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」では、バレンタインで騒がしいクラスで、1年生のクラスのチョコがいつのまにか須川君のクラスの教卓に集められるという事件が起き、酉乃の推理によると転校する小岩井君がチョコの送り主の女の子を突き止めるため、ということになる。一方、八反丸さんから強制的に渡されたチョコ(実はカレールー入り)を酉乃に見られたり、サンドリヨンに東大生のイケメンマジシャンが現れたり、須川君の心は穏やかでない(東大生・桐生さんは彼女もいると判明する)。第4話「スペルバウンドに気をつけて」では、やっと酉乃さんとケーキ屋に行くことができた須川君だが友人の児玉君から気になる女の子について調査を頼まれる。上条茜と名乗る子は名簿になく、井上さんの偽名とわかるが井上さんはクラスでハブられて不登校になっていた。児玉君が会ったという井上さんの謎をめぐり、笹本さんのクラスのハブへの加担の後悔が酉乃によってはっきりする。第5話「ひびくリンキング・リング」では、演劇部のお別れ会での酉乃のマジックは好評だったが、須川君は八反丸さんに酉乃は自分のものだと宣告されてしまう。井上さんの不登校の原因も酉乃の推理により明らかになり、井上さんがハブられた原因の1つの小説の作者が織田さんで、織田さんと井上さんは中学校時代の友達でお互いに謝りたいと思いながら連絡が取れなくなっている。井上さんの進級がかかるタイムリミットを前にして酉乃と須川君の奔走で2人は会うことができる。今作では、全体を通して高校のクラスの女子たちの間でのささいな原因でのハブりの恐ろしさが事件の背後に描かれ、表題の赤頭巾もクラスのハブりによる闇に飲み込まれることを暗示している。前作ほどマジックによる解決という場面はないが、あいかわらずの須川君のへたれ具合には、もっと何とかしろよと言いたくなるが、今時の草食男子はこんなものなんだろうか。美少女・八反丸さんの怖い一面や、女子リーダーの1人・柿木園さんの件などは、解決したとはいえず続きになるのかな?

(「ロートケプシェン、こっちにおいで」、相沢沙呼著、東京創元社、2011年11月発行、ISBN978-4-488-02486-4)

滅びし獣たちの海

| コメント(0)

「星を継ぐ者」単行本刊行に合わせて企画された(と思しき)ビッグコミックススペシャルの作品集の第一弾。表題から海洋関係かと思うが中身はそうでもない。巻頭の「レッドツェッペリン」では、合衆国の原潜ノーチラスに搭乗したドイツ中佐が北極海で原子力砕氷空母に出会うが既に炉心事故を起こしていた。「鯨鬼伝」では、鯨漁の島、肥前・又鬼島に天保年間に流れ着いた白人は身につけていたロザリオから神父と思われたが漁に同行した男の前に白い巨大鯨が現れる。「罪の島」では、海洋調査船の乗組員がカムチャッカで難破してたどり着いた島には謎の研究施設跡があり、巨大な海獣が襲ってくる。表題作では、第二次大戦期、ドイツの不沈戦艦ビスマルクが航空戦力とレーダーに打ち負かされるころ、同じドイツのワルター・タービンを使ったUボート実験艦が敵の攻撃から逃れて出たのはネス湖だった。「アウト バースト」では、南米の古代都市の調査に赴いた大富豪たちが、死の胞子を文明世界に持ち帰る。巻末の単行本初収録の「環礁にて」では、リゾート開発のための未知惑星の探査に来た調査隊が、滅びた文明のイメージがある条件が整った時だけ発現することを発見する。ほとんど90年代の作品で固めたもの、最後の「環礁にて」を除けばSF味はあまりない。

(「滅びし獣たちの海」、星野之宣著、小学館BigComicsSpecial、2011年9月発行、ISBN978-4-09-184106-3)

詩羽のいる街

| コメント(0)

マンガ家志望の陽生が公園で出会った若い女性は、あっと言う間に子供たちの間で複雑なカード交換を全員が満足するように終えた。それを見ていた陽生に彼女は唐突に「ねぇ、デートしない」と話かけてきた。彼女の名前は詩羽、他人に親切にするのが仕事と言う。第一話「それ自身は変化することなく」は、こうして始まる。詩羽に連れられて陽生は奇跡とも思える光景を見ていくことになる。詩羽はお金も家も持たない。それでいて、街のあらゆるところにコネクションを持ち、人と人をつなげることで人々に笑顔をもたらしていく。そして詩羽とこの街で最初に会ったという自費出版家の女性から、詩羽は人と人をつなぐ触媒だと聞いて納得する。第二話「ジーン・ケリーのように」では、自殺しようとしている女の子の前に現れた詩羽は、あからさまな制止はせず、話続けるうちに流星観測会に女の子を誘い込む。女の子はそこで、かつて詩羽が独居老人の自殺を救えずショックを受けたことを聞き、自分の自殺を止めようと必死だったことを悟る。好きなマンガにショックを受けて自殺の決意をしていた女の子は、詩羽と一緒に雨の中で踊りながら世界の美しさに気付く。第三話「恐ろしい「ありがとう」」では、大学の教員をしている中年男性が、小さな悪意をまき散らす。ブログにわざと炎上するような書き込みをする、コンビニで包装紙に穴を開ける、図書館で本のページを切り取る、などなど。しかし、その悪意の源を突き止めた詩羽から天敵と認識され、詩羽の人的ネットワークの集中包囲によって、悪意を封じられ、様々な親切をうけて「ありがとう」の気持ちに傾いていく自分に恐怖し、ついに街から逃げ出す。第四話「今、燃えている炎」では、それまでにも話のあちこち触れられていた、マンガの『戦まほ』(戦場の魔法少女)とアニメ『ガルテリ』(ガールズテリトリー)が関わってくる。アニメ『ガルテリ』の原作者・凍野蒼が故郷を自作の舞台のモデルとしたことから、賀来野市で、町おこしの『ガルテリ』イベントが行われることになり、凍野蒼、本人と共に友人の女性サキが賀来野市に来る。サキは詩羽の噂を聞いて真相を確かめようとしていた。スタッフの女性に頼まれて中学生の女の子と一緒にイベントのクイズに挑戦したサキは、賀来野の街を回りながら詩羽の断片を感じていく。クイズが終わった後、スタッフの女性こそが詩羽だと見破ったサキは、自らの正体が『戦まほ』作者のマンガ家・坂城しじま、であることを明かす。『戦まほ』を書き終えて虚脱していたサキは次作への手がかりを詩羽に求めていたのだ。詩羽と話をするうちに、詩羽が人と人をつなぐことで世界を変えようとしていることを知り、マンガにできることを再確認して一抹の希望を抱く。詩羽の行動の根本には「論理的に考えたら共存共栄の方が絶対に得、地道でもそれを皆にわからせていくことで世界を少しでも良い方向に」という作者の主張が貫かれている。また、各所で出てくるエピソードも、マンガには世界を変える力がある、無用な表現規制への怒り、など、かねてからの作者の主張がちりばめられている。これらの主張に同調する者(私もそうだが)にとっては小気味よいストーリーだ。人によっては現実世界のどうしようもなさを考えると楽観的すぎるいう批判も出そうだが、こうした希望を描いてくれる小説が少ないので、私などは読後にホッとするのである。

(「詩羽のいる街」、山本弘著、角川文庫、2011年11月発行、ISBN978-4-04-100019-9)

NOVA6

| コメント(0)

斉藤直子「白い恋人たち」は、頭全体を覆う白いマスクをした転校生の彼女に恋した主人公を描くNOVA4の「ドリフター」の姉妹編、主人公と彼女の擦れ違いっぽさが何とも。七佳弁京「十五年の孤独」は、軌道エレベーターを十五年かけて人力で登る話、この設定だけで読みたくなるのは惹句のとおり。蘇部健一「硝子の向こうの恋人」は、三年前にビルのガラスを隔てて偶然出会った女性が事故で死んだと思った主人公がそれを変えようとタイムマシンにかかって戻る話。松崎有理「超現実な彼女」は、創元の新人賞受賞作と同じ仙台を思わせる<北の街>にある総合大学の生命科学研究室を舞台にした、論文の代書屋ミクラの初仕事の話。高山羽根子「母のいる島」は、母親が妹の出産で入院してしまったので故郷の島に帰ってきた十六人姉妹の三女の女性が語る話。船戸一人「リビング・オブ・ザ・デッド」は、うなじにSSを装着し空気を読んで行動するようになた世界での高校の演劇部をめぐる三人の女の子の話。樺山三英「庭、庭師、徒弟」は、無限に続く庭園での庭師と徒弟の哲学的問答をウィトゲンシュタインに絡めて扱う話。北野勇作「とんがりとその周辺」は、月に向かってとんがっているものに上っていく話。牧野修「僕がもう死んでいるってことは内緒だよ」は、衰えた個人の記憶を補うために相互の記憶を交換するようになった世界での話。宮部みゆき「保安官の明日」は、<蘇った使者である<帰還者>が存在する世界で、<帰還者>の開発者の大富豪が、息子が殺人事件犯になった理由を探るために<帰還者>ばかりで作った町の保安官の話。この巻はやはり「十五年の孤独」でしょうね。

(「NOVA6」、大森望編、河出文庫、2011年11月発行、ISBN978-4-309-41113-2)

大魔道師の召喚

| コメント(0)

コンピュータプログラマのウィズは大閃光に包まれて気付いたら見知らぬ緑の草地にいた。そばにいた赤毛の美女モイラによると、この魔法世界の危機を救うための大魔道師の召喚の儀式が行われたという。ウィズこそ、その大魔道師だというが、召喚した魔道師パトリウスは死んでしまったし、右も左もわからぬまま召喚されたウィズはとまどうばかり。到着した味方の魔道師バル・シンバの指示により、モイラに連れられてウィズは安全な地への旅をすることになる。途中、敵の魔道師の魔手を逃れつつ、妖精王の援助もあり無事、かつて大魔道師だったが魔力を失って隠居しているシアラの<憩いの館>にたどりつく。モイラと衝突を繰り返しながらも、この世界で自分にできることを探すウィズは、プログラムの知識をもとにして、プログラム言語を作る要領で、小さな魔法を組み合わせていく実験を進める。ところがモイラに見せようと魔法を使ってみたところを敵に探知され、間違ってモイラが連れ去られてしまう。モイラを助けるため必死になって新しい魔法の組み立てに取り組んだウィズは、ついに魔法言語ともいうべきものを組み立て、それを使ってモイラの居場所を突き止め、助けに向かう。敵の支配者はウィズにデーモンを消しかけようとして、ウィズが外世界からやってきたことから逆に自らがデーモンに殺されてしまう。モイラを助けたウィズだが、そこに敵の大魔道師が現れ危機に陥るが、間一髪現れたバル・シンバの助けにより敵は倒され、ウィズはモイラと共に帰還する。主人公ウィズが、自分の特技を使って大魔道師への入り口に立ったというところで、続巻もあるようだが、続きが出る気配はないなあ。1980年代に書かれたにしてはコンピュータ関係の記述も古びてなくて面白かったけど、売れなかったのかしらん。

(「大魔道師の召喚」、リック・クック、ハヤカワ文庫FT529、2011年2月発行、ISBN978-4-15-020529-4)

退院した栞子さんは店長に復帰したが、前巻の事件の怪我は後遺症が残り杖が必要になっている。大輔も就職がダメになったので元通り店員として復帰した。プロローグでは住居に呼ばれた大輔は栞子さんから、坂口安吾「クラクラ日記」を何冊も店頭に出すように言われる。第一話、アントニー・バージェス「時計じかけのオレンジ」では、小菅奈緒から妹の読書感想文について相談を受けた大輔は栞子さんに見てもらい、その結果、妹の感想文は昔の文集のものを写したと判明する。写した元になったのは小学生の時の栞子さんの感想文だった。第二話、福田定一「名言随筆サラリーマン」(福田定一は司馬遼太郎の本名)では、大輔の高校の頃の彼女だった高坂の実家に本の鑑定に行った栞子さんと大輔は、そこで父から高坂さんに贈られた本に込められた秘密を解き明かす。しかし風邪ぎみなのを押して仕事した栞子さんは熱を出してしまい、栞子さんの妹によって寝かしつけられた時、大輔が母屋で見たのは栞子さんそっくりの女性が描かれた30年前の絵だった。第三話、足塚不二雄「UTOPIA 最後の世界大戦」(足塚不二雄は藤子不二雄の初期ペンネーム)では、店に査定に訪れ消えてしまった男の行方を栞子さんの推理によって追いかけて判明したのは、男の父と栞子さんのお母さんの因縁であり、それは今も栞子さんに翳を落としていた。エピローグでは、坂口安吾「クラクラ日記」が栞子さんにお母さんが残した本であることが判明し、そこに残されていたかもしれないメッセージを探して、栞子さんは今もそれらしい本を探しているということを推理して当てた大輔だが、褒美にデートと思った大輔に栞子さんが告げた行先は古書店だった。栞子さんの謎も徐々にわかってきて、先が楽しみなシリーズになっている。

(「ビブリア古書堂の事件手帖2」、三上延著、メディアワークス文庫、2011年10月発行、ISBN978-4-04-870824-1)

出た時に買おうか相当迷って立ち読みまでしたんだけど、2巻が出て我慢できなくなって買ってしまった(買うのを躊躇ったのは、単に普段買うSF以外のものまでため込んで置き場所がなくなるのを恐れただけなんだけど)。鎌倉の片隅でひっそりと営業している古本屋「ビブリア古書堂」。高校生のときにそこにいた若い美女が気になっていた五浦大輔は、就職活動に追われる中、母に頼まれて夏目漱石の「漱石全集・新書版」を見てもらうためビブリア古書堂を訪れた。店番をしていた高校生くらいの女の子は店長が入院しているからと大輔に入院先の病院に行くように言う。病院を訪ねた大輔はそこで、かつて見た美女に再会する。その美女、篠川栞子さんは、初対面の人間とは口もきけない人見知りなくせに、古書の話になると人が変わったように生き生きと語る人だった。大輔から見せられた本を調べた栞子さんは、鋭い推理を働かせ由来を解いてしまった。古書については語りすぎで逃げてしまう人が多い中、自分では本を読めない体質なため、本の話をよく聞いてくれる大輔にビブリア古書堂で働いてもらえないか持ちかける。こうして人見知りの美人店長と店員の生活が始まった。第二話、小山清「落穂拾い・聖アンデルセン」では、常連のせどり屋・志田に盗まれた本の捜索を依頼された大輔は、病院の栞子さんに事情を話す。ここでも鋭い推理を働かせた栞子さんは、犯人の女子高生・小菅奈緒と話をし、志田のところに本を返しに行かせる。第三話、ヴィノグラードフ・クジミン「論理学入門」では、本を売ろうと訪れた坂口という男、しかし直後に妻の女性からの連絡が入る。ここでも栞子さんの推理は冴え、抱えていた秘密を妻に打ち明けた坂口は、妻の優しい言葉に応え、仲睦まじく去っていく。第四話、太宰治「晩年」では、大輔は栞子さんの入院が実は誰かに突き落とされたせいであることを聞かされる。犯人を突き止めるために協力する大輔だが、突き止めた犯人・せどり屋の笠井が欲しい本を狙って病院に向かったのを、栞子は危険を冒して1人で迎えて解決してしまう。信用されなかったことに気付き店をやめてしまった大輔だが、退院した栞子は大輔に大事な本を預けようとすることで仲直りしようとし、大輔は本の話をしてもらう条件で聞くことになる。

(「ビブリア古書堂の事件手帖」、三上延著、メディアワークス文庫、2011年3月発行、ISBN978-4-04-870469-4)

前半の「追放者の惑星」では、ハルト人の惑星テルツロックに到着したテケナーとジェニファーだが、テルツロック在住のハルト人たちがテラナーを殺そうと襲ってきた。正常なハルト人である船長コルノル・レルツのおかげで何とかグライダーで脱出した2人だが、逃げるうちにあちこちにあるクリスタルの森がハルト人に影響を与えていることを知る。逃げる途中でグラドのジェイナールと出会った2人は狂ったハルト人が大マゼラン雲の各所から攫ってきた様々な人種を収容所に入れ、時々外に出して狩りをしていることを知り、収容所を目指してその中に入る。後半の表題作では、事態を打開するため、宇宙船を手に入れようと宇宙港に向かうテケナーたち。途中で正常なハルト人までもクリスタルの森の作用で狂うことから、クリスタルの森こそが原因だと悟る。また、正常時のハルト人エルゲル・ダルグからテルツロックの正体が、ハルト人の間で時々生まれる"けだもの"と呼ばれた先祖に還ったような身長4mの巨人を隔離するために追放者の惑星として設定されたということを知る。テケナーたちは、何とか説得してクリスタルの放射を遮蔽するベルトを何人かのハルト人につけさせ、宇宙港に行って正常なハルト人の乗る古い宇宙船≪フォラ≫の搭乗することに成功する。

(「暴力クリスタル(ペリーローダン413)」、H.G.フランシス著、五十嵐洋訳、ハヤカワ文庫SF1831、2011年11月発行、ISBN978-4-15-011831-0)

さよなら小松左京

| コメント(0)

徳間からの追悼本。巻頭には SAKYO KOMATSU GRAFFITI。第1部・小松左京WORKSでは、小説「鬼の惑星-あるいは「青ヘルメット」」、漫才台本「いとしこいしの新聞展望」、NOTEBOOK「小松左京アイデアノート案内」、評論「"日本のSF"について ミスターXへの公開状」、小松左京インタビューI(「奇想天外」1976年4月号),II(「第19回日本SF大会プログラムブック」より),III(「第40回日本SF大会プログラムブック」より)、座談会「SF作家おもろ大放談」からの抜粋と「小松左京マガジン」第3号から桂米朝・澤田隆治との対談、小松左京テーマ別ベスト作品紹介は野尻抱介・上田早夕里・北野勇作・谷甲州・横田順彌・倉坂鬼一郎・牧眞司・堺三保、コラム「とり・みき 小松左京 on TV」、小松左京年表、筒井康隆の朝日新聞に載った追悼文。第2部・小松左京とは何だったのか、では、【SF創世編】が、筒井康隆の日記「SF幼年期に中ごろ」、インタビューが石川喬司・最相葉月・高千穂遥・伊藤典夫、豊田有恒・森優・田中光二の座談会、笠井潔の評論、吾妻ひでおのコミックス「ゴルディアスでも結べない」。【疾風怒涛編】では、インタビューが石毛直道・由美かおる・松本零士・的川泰宣、かんべむさし・堀晃の対談、長山靖生の評論、豊田有恒・鏡明・井口健二の座談会、門倉純一によるコラム。【SF進化編】では、山田正紀・瀬名秀明・小川一水の座談会、萩尾望都・新井素子・小谷真理の座談会、巽孝之の評論、鏡明のコラム。【多種多様編】では、出渕裕・樋口真嗣・庵野秀明の座談会、加藤直之のコラム、柳下毅一郎のコラム、とり・みき・米田裕・鹿野司の座談会、とり・みきのコミックス「小松左京の"もっとキャラクターして!"」、牧眞司のコラム、牧野修・牧野公子のコラム、青山智樹・小松左京研究会による「小松左京キーワード99+1」。最後に追悼アンケートと乙部順子インタビュー「小松左京との日々」、付録CDには1984年1月8日に「小松左京の世界展」で行われた手塚治虫との対談を収録。

(「さよなら小松左京」、徳間書店、2011年11月発行、ISBN978-4-19-863303-5)

SFマガジン2012年1月号

| コメント(0)

≪天冥の標≫5巻発行記念で小川一水特集。大森望によるインタビュウ、大野万紀による【作家論】、松浦晋也による【≪天冥の標≫論、マイ・フェイバリット・小川一水と称して、秋山完(強救戦艦メデューシン)、いするぎりょうこ(天冥の標II)、五代ゆう(天冥の標III)、坂村健(復活の地)、林譲治(老ヴォールの惑星)、桝田省治(天冥の標IV)、全書籍ガイド、用語集、富安健一郎によるSFコンセプトアート。読切小説は、北野勇作は連作の一編で「カメリ、山があるから登る」、草上仁はミュータントが多すぎる郡での犯罪を描く「予告殺人」、グレゴリイ・フロストはいくら食べても同伴女性にそれが
行く指輪を持つ男が次のターゲットに選んだ女に逆に餌食にされるホラー「ドリアン・グレイの恋人」、ロバート・F・ヤングは過去再建部隊のアーチャーがエネルギー不足で途中下車したところで出会った姫の話「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」。連載陣は、山本弘「輝きの七日間」[第9回]は、オリオノンの作用で人類が過去行ってきた愚かな戦いに疑問を持つ人やそれでも解決されない憎しみを描く。夢枕獏・寺田克也の「十五夜物語」は十三章。東城和実の「完璧な涙」は[第21回]。≪現代SF作家論シリーズ≫第12回はポール・ジャイルズによるウィリアム・ギブスン論「ヴァーチャル・カナダ」。長山靖生による新連載評論「SFのある文学誌」が始まった。他には新☆ハヤカワ・SF・シリーズ創刊に合わせてスコット・ウエスターフェルド・インタビュウとパオロ・バチガルピ・インタビュウ、第1期ラインアップ。友成純一によるシチェス・レポート前編「セックスと暴力と3Dが今、面白い!?」、牧眞司によるインタビュウ「ショーン・タンとの一時間」、映画『リアル・スティール』記念のショーン・レヴィ・インタビュウ、菊池隆による「京都SFフェスティバル2011」レポート、若島正「乱視読者のSF講義」刊行記念、恒例の2011年度版SFマガジンインデックス、など。

別にミステリづいてるわけじゃないが、これも前から読みたかった本。創元の本だから文庫に挟まれてた刊行案内で見たのが最初で、設定と表紙を見て読みたくなった(このあたりライトノベルと同様だな)。このたび続巻が出たので地元の図書館にあるのを発見して借りてきた。主人公のポチこと高校1年生の須川君は入学時に一目ぼれした女の子にレストラン・バー「サンドリヨン」で偶然会った。彼女、酉乃初はそこでバイトする凄腕のマジシャンだったのだ。マジックを披露するときの彼女は魅力的な笑顔で観客を魅了するけど、クラスでは人間関係に臆病で心を閉ざしがちなよう。そんな彼女がマジックのテクニックを駆使して、学校で須川君たちが巻き込まれた不思議な事件を解決する。連作短編の形式で、第1話「空回りトライアンフ」でいじめにあっている図書委員のクラスメイトを助け、第2話「胸中カード・スタッブ」で進路に悩む先輩の女の子を助ける。しかし、第3話「あてにならないプレディクタ」では、占い師を騙る女の子に助けを出したつもりで手ひどく逆襲に会い深く傷ついてしまう。そして、第4話「あなたのためのワイルド・カード」では、須川君が発した一言で酉乃はさらに深く傷ついてしまう。関係修復を願う須川君だが原因がわからない。それがわかったのは同級生の美少女、八反丸さんから中学時代のことを聞いてからだった。おりしも学校では幽霊騒ぎが続いており、ついには自殺者が出そうになる。何とか止めようとする須川君は、勇気を出して酉乃さんに話をする。ぎりぎりのところで自殺を図ろうとして先輩の女の子のところに現れた酉乃は、鮮やかな推理で事件を収めることに成功する。その後、須川君は帰りの駅で酉乃の孤独な心に触れ、クリスマス・プレゼントを渡すことで少し近づけたような気持ちになった。普段は心を閉ざしたような女の子が、得意のマジックでは明るく生き生きとなる設定や、表紙の絵(加藤木麻莉)の女の子(酉乃)が魅力的な一冊。須川君のあだ名の由来や八反丸さんたちとの関係、酉乃との恋の行方など、続きが気になる。続編はすぐに借りられるかなあ。

(「午前零時のサンドリヨン」、相沢沙呼著、東京創元社、2009年10月発行、ISBN978-4-488-02449-9)

前半の「≪アイアンデューク≫争奪戦」では、コンセプトのアソシェンは、"それ"の指示により新しい故郷が必要なコンセプトのために、ルナ地下施設の≪アイアンデューク≫を利用してゴシュモス・キャッスルを目指そうとしていた。その行為がフルクース艦をおびき寄せると考えたブルたちは、艦を奪還しようと、ネーサン攪乱のためにロボットに細工を施す。しかしアソシェンとブルたちが対峙していた時、フルクース哨戒部隊が月に着陸する。ネーサンの張ったパラトロンバリアによって膠着状態になったフルクースはブルたちと休戦するが、アソシェンは消えてしまう。後半の表題作では、テケナーとジェニファーの乗る≪レッドホース≫は故障で立ち往生していた。そこに現れたハルト船に救難要請を出すが、2人を収納したハルト船内の様子は異常だった。ハルト人の身長は3.5メートル前後のはずなのに、身長4メートルに達する巨大なハルト人たちが現れ、テケナーとジェニファーをいたぶりだしたのだ。とりあえずは艦長のコルノル・レルツに助けられた2人だが、レルツもかろうじて艦内を収めているらしい。不安を抱えながら2人はハルト人たちと共にハルト人の惑星テルツロックに向かった。

(「ハルトの巨人たち(ペリーローダン412)」、クルト・マール&H.G.フランシス著、増田久美子・青山茜訳、ハヤカワ文庫SF1830、2011年11月発行、ISBN978-4-15-011830-3)

小松左京追悼号。巻頭は乙部順子による最期の3週間くらいの様子の詳報。会員からの追悼文は、64人+海外からの追欧文3名分。訃報新聞記事一覧と追悼記事の再録は、石毛直道(日経新聞)、巽孝之(読売新聞)、かんべむさし(神戸新聞)、眉村卓(共同通信)、東浩紀(毎日新聞)、筒井康隆(朝日新聞)、小谷真理(週刊読書人)、有栖川有栖(日経新聞)、堀晃(産経新聞)、梶尾真治(熊本日日新聞)、訃報報道の詳細リスト。澤田芳郎の「『小松左京自伝』第二部の聞き手として?私の小松左京観?」。神戸文学館で開催されていた「小松左京展」レポート。賢人談話、あるいは小松左京の大口舌(10)は追悼篇/後塵拾遺。小松左京この一作(10)はかんべむさしによる「日本アパッチ族」。小松左京研究会のページは鈴木克太郎の小松さんとの思い出。小松左京マガジン自身は今後もしばらくは続くそうなので一安心、連載もキリをつけて欲しいものだ。

(「小松左京マガジン第43号」、(株)イオ発行、(株)角川春樹事務所発売、2011年10月発行、ISBN978-4-7584-1182-0)

これも読みたかった本だが、大学図書館にあることがわかって借りた。TVドラマも放映中なのでよい機会だった。第一話「殺人現場では靴をお脱ぎください」は、ブーツをはいたまま死んでいるところを発見された女の事件。第二話「殺しのワインはいかがでしょう」は毒入りのワインで殺された男の事件、第三話「綺麗な薔薇には殺意がございます」は薔薇園にあった死体の事件。第四話「花嫁は密室の中でございます」は後輩が結婚式当日に背中を刺された事件。第五話「二股にはお気をつけください」は四つ股をかけていた男が殺された事件。第六話「死者からの伝言をどうぞ」は消されたダイイング・メッセージの事件。いずれも主人公である大富豪令嬢の身分を隠して国立署で刑事をやっている宝生麗子が毒舌にいらつきながらも執事の影山の推理で殺人事件を解決する。上司の富豪御曹司の風祭警部も含めTVドラマは結構忠実に映像化していたんだなあ。2も出たことだし、これも買ってくれないかなあ。

(「謎解きはディナーのあとで」、東川篤哉著、小学館、2010年9月発行、ISBN978-4-09-386280-6)

小松左京の追悼本の1つ。巻頭のはアルバム写真、そして桂米朝と宮部みゆきの追悼エッセイ。新発見資料として『日本沈没』創作メモと東浩紀による解説。続く≪語る≫のパートでは、東浩紀×宮崎哲弥の「時代は小松左京を必要としている」、Live Wire 主催の追悼トークライブ「巨星、宇宙に逝く」は新宿GEISHAでの[東京編]が鏡明×横田順彌×山田正樹×高橋良平×とり・みき×大森望、なんば紅鶴での[大阪編]が堀晃×かんべむさし×山本弘×上田早夕里、と第50回日本SF大会DONBURACON L でのパネルディスカッション「知の巨人・小松左京のノンフィクションを語る」が瀬名秀明×森下一仁×巽孝之×林譲治×鹿野司×八代嘉美、小松左京マガジン20号からの再録の「OB編集者座談会」が森優×高松繁子×濵井武×萩原実×石井紀男。≪論ずる≫パートでは、世界SF全集の小松左京の巻の解説の再録で手塚治虫「小松左京 ペザロの白鳥的怪物」、新潮文庫『時間エージェント』解説からの再録で星新一「小松左京 情報を食事のように楽しむ人」、講談社文庫『さらば幽霊』の解説の再録で筒井康隆「小松左京論」。≪著作集未収録≫のパートでは、講演「人間にとって文学とは何か」、[Q&A]「小松左京氏に25の質問」、[エッセイ]「永遠の五分前」「半世紀前の「はずかし」漫画」、[漫画]「おてんばテコちゃん」、[対談]が×反村良と×梅棹忠夫。≪ロングインタビュー≫は乙部順子氏に対して「秘書が見た小松左京」。≪エッセイ≫パートでは、萩尾望都「小松左京子の発見」、樋口真嗣「輝く未来に向けた届くことのない恋文」、谷甲州「『第二部』までの道のり」。≪エッセイ漫画≫はとり・みき「臥猪庵再通信」。≪論ずる≫後半パートでは、山田正紀「『神曲』から『虚無回廊』へ 小松左京を考える」、堀晃「小松原理の宇宙」、佐々木敦「小松左京のニッポンの思想」、八代嘉美「小松左京にとっての科学とは何か」、安藤礼二「小松左京と「太陽の塔」」、磯達雄「超都市のヴィジョン」、輪島裕介「アパッチの歌を歌おやないか」、藤田直哉「小松左京を読み解くキーワード10+α」。≪小松左京この1冊≫のパートでは種村弘「ひりひり」、長谷敏司「心から流れ去ることのない真剣さ」、新城カズマ「彼に捧げる未完成ソナタ」、森深紅「未来を考える」、北野勇作「アオゾラのホシ」、宮内悠介「ひきこもる大国」、森岡浩之「巨人の掌編」。≪資料≫パートでは、日下三蔵「小松左京フィクション総解説」、堺三保「小松左京ノンフィクション総解説」。巻末には小松左京年譜。

「文藝別冊 追悼 小松左京」、河出書房新社、2011年11月発行、ISBN978-4-309-97764-5)

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.01

2012年1月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

このアーカイブについて

このページには、2011年12月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2011年11月です。

次のアーカイブは2012年1月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。