クジラの彼

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「空の中」、「海の底」、の番外編を含む短編集、なのでSFではないが<その他>カテゴリで記録しておく。「クジラの彼」は「海の底」でもちょっとだけ触れられていた冬原が結婚するに至る顛末。「ロールアウト」は輸送機設計チームの彼女と隊員の彼のエピソード。「国防レンアイ」は強くあろうとしている女性隊員と同僚の彼の話。「有能な彼女」は「海の底」の夏木と横須賀事件で潜水艦に閉じ込められた望が技官となって付き合いだした話。「脱柵エレジー」は新人訓練の途中で隊から抜け出そうとする(=脱柵)隊員を捕獲する役割の隊員同士を自らの過去と結びつけながら描く。「ファイターパイロットの彼」は「空の中」の青年カップルである春名高巳と光稀の付き合いから結婚して子供ができているところまで。光稀の強力なツンデレぶりがなつかしい。いずれも作者自らが言う通りべたべたの恋愛ものだが、基本的にハッピーエンドで読後が心地よい。これで自衛隊3部作と関係作は文庫になったんだからいいかげん図書館戦争シリーズにとりかかってくれないかなあ。

(「クジラの彼」、有川浩著、角川文庫、2010年6月発行、ISBN978-4-04-389804-6)

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