大森望編の時間SFアンソロジー第2弾。こちらには第1弾で扱ったロマンス以外のものが収録されている。何度も繰り返される10分間を描く筒井康隆「しゃっくり」。戦国時代にタイムスリップしたゴスロリ少女と姫様の間のドタバタを描く大槻ケンヂ「戦国バレンタインデー」。記憶の中の恐ろしい女が時間の中をだんだん近づいてくる牧野修のホラー「おもひで女」。延々と続く夏休みのSOS団の日々を描く谷川流の涼宮ハルヒシリーズの1編「エンドレスエイト」。そこから先の未来が予想できない"ゼロ日時"が迫るにつれ死んだはずの人々まで蘇ってくる星新一「時の渦」。ねえさんとけんかして家を飛び出した"ぼく"が足を踏み入れたのは"ぼく"の名前が書かれた部屋のある不思議な美術館、という大井三重子「めもあある美術館」。老人の姿で生まれだんだん若返っていく男の人生を描くF.スコット・フィツジェラルド「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」。こちらは必ずしも哀しい結末の話ばかりではないのが第1弾と違う。
(「不思議の扉 時間がいっぱい」、大森望編、角川文庫、2010年3月発行、ISBN978-4-04-394340-1)
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