不思議の扉 時をかける恋

| コメント(0)

大森望編のアンソロジー、テーマはタイムトラベル・ロマンス。アンソロジー誕生のきっかけはSFマガジン2010年8月号の本人のコラム「新SF観光局」で触れてある。内容は、航時機に入って8万5千分の1の時間の世界にいる青年と外からそれを見つめる女性を描く梶尾真治の定番「美亜へ贈る真珠」。連作ライオンハートの1部で時を超えて何度もめぐり合う恋人を描く恩田陸「エアハート嬢の到着」。頭の中の電話で会話が始まったある男の子との初めての出会いの場に向かった少女が巻き込まれた事故を巡る哀しい恋を描く乙一「Calling You」。彼女の授業中の居眠りが実は病気であり、次第に深く長くなる彼女の眠りを見守るしかない男を描く貴子潤一郎「眠り姫」。おとぎ話の裏にある事情を描く太宰治「浦島さん」。古い机の引き出しから出てきた遠い昔のラブレターを通じた時を超えた文通を描くジャック・フィニイ「机の中のラブレター」。という布陣。こうして集めてみればどれも悲恋だなあ。時間ものといってもハッピーエンドもあっていいはずだけど。

(「不思議の扉 時をかける恋」、大森望編、角川文庫、2010年2月発行、ISBN978-4-04-394339-5)

コメントする

2010年7月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

このブログ記事について

このページは、okが2010年7月 1日 01:52に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「星の非常シグナル(ペリーローダン378)」です。

次のブログ記事は「不思議の扉 時間がいっぱい」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。