紫色のクオリア

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主人公、波濤学のクラスメイト毬井ゆかりは自分意外の人間がロボットに見える。クラスの友人たちは天然系ということでゆかりのことを見ているが、確かにゆかりの周りでは奇妙な出来事が起こっている。そして連続殺人鬼の女がゆかりに目をつけたことから学も事件に巻き込まれることになる。ゆかりをおびきよせるため女に拉致された学が意識を取り戻した目の前で、女と対決したゆかりは女を"修理"し、"壊された"ゆかりの体を携帯電話を使って修理した。ゆかりにつっかかっていた天条七美も小さい頃にゆかりに"修理"されたことがあったのだ。ゆかりの人とは違う周囲を見る眼が実際に特殊能力に結びつくことに気付いてからも友人を続ける学だったが、転校してきた天才少女、アリス・フォイルがゆかりを彼女の属する組織『ジョウント』に誘ったことで転機が訪れる。自分の言葉で『ジョウント』に行ったゆかりの死亡通知を半年後に受け取った時、激しい後悔に襲われた学は腕の中の携帯で並行宇宙の自分と連絡をとることができることに気づく。量子力学的に可能な無数の並行宇宙から、ゆかりの死亡を避けられる宇宙を探して奮闘する学。しかし、どのような選択をしてもゆかりの死を避けることができないように見える。無数の並行世界の中では他の人になることさえできるのに、ゆかりになることだけはできず焦る学。そして、ゆかり本人から、自分の特殊な見方は自分しかできないことを指摘され、自分を助けてくれる存在ではなく、自分と友達になってくれる存在が必要なんだ、と気付かされた学は、最初の出会いに戻ってやり直すことを決意する。ちょっと変わった眼という話から、無数の並行宇宙を操作するところまで行きつくところが評判どおりの作品でした。

(「紫色のクオリア」、うえお久光著、メディアワークス電撃文庫、2009年7月発行、ISBN978-4-04-867904-6)

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