鯨の王

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原子力潜水艦内で乗組員多数が謎の攻撃により変死する。原因解明のため、アメリカ海軍は海底基地ロレーヌクロスに調査員を派遣する。一方、新種の鯨を追う鯨類学者・須藤は潜水船パイロット炎香と共に海底基地と同海域に潜航調査を開始した。見つかったのはマッコウクジラのような外見をしているが、それよりもはるかに大きく最大級のシロナガスクジラの2倍に達する新種の鯨、ダイマッコウであった。ダイマッコウは呼吸のために海面に浮上する必要がないため今まで見つからずにいたようだ。彼らはたくみに音波を操り、原子力潜水艦内の人間を攻撃することさえできる能力を持っていた。ロレーヌクロス近くの海底の熱水噴出孔は元々彼らの憩いの場だったが、海底資源探査に隠れたロレーヌクロスのもう一つの目的である廃棄物投棄によってそこが汚染され、怒った彼らの一群が原子力潜水艦を襲い、ロレーヌクロスにも攻撃をしかけてきた。グループのリーダーとみなされる個体<モービィ>はひときわ大きく60mにも達する巨体で群れを率いている。追い詰められたロレーヌクロスの要員を救うためにかけつけた最新鋭攻撃型原潜ポーハタンも<モービィ>たちの攻撃に沈んでしまう。須藤と炎香の潜水船ドルフィンシャークは<モービィ>を熱水噴出孔に突っ込ませることで攻撃を回避し、ロレーヌクロスの要員も脱出に成功する。海面に戻ったドルフィンシャークは支援船を乗っ取っていたテロリストに海底で拾ってきた龍涎香を渡すが、脱出しようとしたテロリストは浮上してきた<モービィ>に飲み込まれ海に消えてしまう。クライマックスなどは、現代版の白鯨のような迫力で、海に関する描写も藤崎らしく安心して読め、分厚さが気にならないくらい一気に読めるものになっている。お勧め。

(「鯨の王」、藤崎慎吾著、文春文庫、2009年12月発行、ISBN978-4-16-777321-2)

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このページは、okが2010年1月 7日 02:03に書いたブログ記事です。

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