大森望責任編集による書き下ろしの日本SFアンソロジー。北野勇作「社員たち」は得意先から帰ってきたら会社が地中深く沈んでいたため、掘り出そうとする話。小林泰三「忘却の侵略」は姿無き侵略者の侵略は忘却させる能力によるものだった。藤田雅矢「エンゼルフレンチ」は死んだ恋人の頭脳のコピーを搭載した深宇宙探査機を想い自らも探査機に頭脳コピーされることを選ぶ女性を描く。山本弘「七歩跳んだ男」は月面基地から宇宙服なしで飛び出した男の死体が発見される。果たして事故か殺人か?という本格SFミステリ。田中啓文「ガラスの地球を救え!」は手塚治虫のエッセイに題名を借り、侵略してきた?≒◎※#〓∞☆§♂*?∂〒星人を撃退する。田中哲弥「隣人」はイナカに新居を建てた一家が隣からの凄まじい異臭に襲われる話。斉藤直子「ゴルコンダ」は不幸の手紙のちょっとした書き間違いで増えてしまった先輩の美人の奥さんの話。牧野修「黎明コンビニ血祭り実話SP」は黎明のコンビニを舞台に対既知外生命体殲滅部隊の激闘を描く。円城塔「Beaver Weaver」は海狸の紡ぎだす無限の宇宙の過去と出会う円城流スペオペ、なのか?飛浩隆「自生の夢」はバラード的視点からの情報技術へのアプローチとのことだが、既刊のあらゆる書籍の電子化 Godel Entangled Bookshelf などの言葉が面白い。巻末はSFマガジンの追悼号にも載った伊藤計劃「屍者の帝国」。未完なのが惜しまれる。こういったアンソロジーは続いてくれるといいなあ。
「NOVA 1」、大森望編、河出文庫、2009年12月発行、ISBN978-4-309-40994-8)
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