前半の「スラムの軍隊」では、アフィリカーの拷問でポルタ・パト基地の秘密を探り出したトレヴォル・カサルは基地に攻撃隊を送り込む。狙いはOGN殲滅とブルの細胞活性化装置だ。ブルたちは応戦しながら免疫保持者の大半をオヴァロンの惑星に脱出させる。敵の手が迫った時、外部から助けの潜水艦隊が介入する。彼らについて脱出したブルたちは、彼らがアイアンサイド牧師が組織した”信仰の論理”という底辺のアフィリカーたちの組織であることを知り、彼らとムシーラーの助けによりセルジオ・パーセラーの救出に成功する。後半の表題作では、ホトレノル・タアクの命でヴラトの調査を進めるマイルパンサー。一方、銀河系に帰還したセンコ・アフラトやラス・ツバイの乗るSZ-2はヴラトの噂を利用して、幽霊船を演出し、超重族艦隊に対抗していた。懲罰惑星から脱出した人々が植民した新テラはしばらくは順調と思われたがついに超重族に見つかり絶体絶命のところをあやうくSZ-2に助けられる。脱出した先でアトランとの再会も果たされたが、すでにGAVOKを組織していたアトランはローダンの帰還の予想に複雑な心境となる。新テラの人々は超重族の巡回後の惑星にうまく入り込むこととなり、SZ-2は燃料補給のためにオリンプを目指すことになる。この号から表紙イラストが依光隆から2代目の工藤稜に変わっている。末尾のご挨拶にかえてによると、漫画家のキャラクターをリアルに描く仕事などをしているとのことで、うまく依光氏のイラストの味を生かした絵になっていて、あまり違和感はない。良い人選ではなかろうか。ただ月2回刊になったこともあり、口絵や本文中のイラストまでは手が回らないようなのが残念だが。
(「星間復讐者(ペリーローダン)」、クルト・マール&クラーク・ダールトン著、増田久美子訳、ハヤカワ文庫SF1739、2010年1月発行、ISBN978-4-15-011739-9)
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