前半の表題作では、ブリーが非アフィリーとなりダントンのOGNの元へ脱出した後、テラでは熾烈な後継者争いが起こっていた。当初は産業大臣のカンタンク対国家保安局長官ルクチェンの対戦と思われたが、カンタンク支持者を追い落としたルクチェンが優位に立ったところで調査行から帰還したカサル提督が立候補を表明する。OGNの支援を受けたカサルは直接対決でルクチェンを倒し独裁者への道を辿る。OGNの捕虜解放に暗示性薬剤による罠を仕掛けたカサルは捕虜救出に現れたパーセラーたちを落としいれるが、間一髪、アイアンサイド神父の介入によりOGNの一団はからくも脱出する。後半の「洗脳作戦」では、カサルはブルの持つ細胞活性化装置を奪取するための罠を仕掛ける。罠の可能性を考えつつもブルたちは工作員としてパーセラー、シルヴィアたちを派遣する。”洗脳作戦”と呼ばれる作戦がパルクッタ地区で開始されようとしており、それにより人類の記憶を操作して独裁者に都合のよい歴史を埋め込もうとするものだという。カサルの罠からかろうじて工作員たちを脱出させたブルたちだが、唯一、パーセラーだけが爆死したと考えられていた。しかし、それもカサルの陰謀の一部であり暗示に落ちたパーセラーはカサルの手に落ちていた。巻末には「ローダンを愛するみなさんへ」という依光隆氏のメッセージが掲載されている。ここしばらくハヤカワデザインによる旧作の再構成で表紙や口絵が作成されていたことから、いつかは、と思っていたが、ついに初代イラストレーターとして降板するとのことである。2010年からの月2回刊に合わせての交代のようで、2代目がどんなイラストになるか興味深い。
(「独裁者への道(ペリーローダン367)」、ハンス・クナイフェル&クルト・マール著、林啓子訳、ハヤカワ文庫SF1735、2009年12月発行、ISBN978-4-15-011735-1)
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