突然、降ってきた隕石は塩の塊であり、その周囲からは人々が塩の柱になる現象が広まっていった。街を飲み込む塩によって、社会は崩壊しようとしていた。崩壊寸前の街で暮らす男、秋庭と少女、真奈の前を行きすぎる人々は何かしら塩害の影響を受けていた。塩と化した恋人をリュックに詰め海を目指す青年。刑務所から脱走し2人の部屋に押し入りながら塩と化した男。そして、秋庭の旧知の男が現れ、世界を救うように唆した時から、2人の静かな世界は変わっていった。その男、入江の計画に乗って、東京湾に落ちた塩塊を攻撃、粉砕しようとする、かつての自衛隊のエースパイロット、秋庭。それを地上で待つ真奈。2人の間にはいつしか強い絆が生まれ、それを守るためにどうしても攻撃を成功させて帰還しようとする秋庭の奮闘が始まる。有川浩の電撃ゲーム大賞受賞作。これだけは最初から文庫本で出ていたので読みたかったんだけど品切れでなかなか見つからなかったのが、先日、本屋で有川浩のコーナーが設けられていたところをふと見ると積んであった。8月に14版発行となってたので増刷されたらしい。後の作品でもそうだが、この作品でも男女の恋愛物語とすっきりとした読後感は変わらない美点である。そろそろ図書館戦争シリーズも何とか文庫にしてくれないかなあ。
(「塩の街」、有川浩著、メディアワークス電撃文庫、2004年2月発行、ISBN4-8402-2601-6)
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