カッスラー&ダブラルによる<オレゴン・ファイル>シリーズの新刊。<オレゴン号>は、ロシアがイランに供給した魚雷の奪還作戦後に、無人のまま漂う巨大クルーズ船に遭遇する。出血性ウイルスに冒されたように見える客や乗員の中でただ一人の生存者の女性を救出したカブリーヨたちは、この船をチャーターしていたのが、地球の人口を抑制することを目的とする巨大組織<レスポンシヴィスト>であることを知る。一方、<オレゴン号>機関長マックスの息子が行方不明となった事件も、その息子が洗脳され拉致されたのが<レスポンシヴィスト>であることから、カブリーヨたちは組織の恐るべき陰謀を察知し、阻止しようと動き出す。息子を奪還しようとして組織に拉致されたマックスは、脱出の過程で、彼らがすでに全世界に人口の半分が不妊となるウイルスを撒く準備を進めていることを知り、アジトの島からの超長波による指令が発せられる前にアジトを壊滅させる必要があることを<オレゴン号>に知らせる。厳重な警備体制を整える敵のアジトを潰すには、かつてロシアが軌道上に打ち上げCIAにいたカブリーヨの活躍で活動停止していた”スターリンの拳”と呼ばれるタングステン・ロッドの投射兵器を復活させるしかない。軌道上にエリックを送り込むと共に<オレゴン号>でマックス救出にアジトに向うカブリーヨたち。時間との競争に打ち勝って敵の陰謀を砕き、マックスを救出できるのか?敵のボスの正体が見えてしまうけど、全体としては老境に入ったダークピットシリーズに比べ、共作者がいるせいか、元気良く感じられる。シリーズ第3弾で2009年には第4弾も発表されているそうだが、最初の2作が未訳のはずなので、そちらも出してくれないかなあ。
(「戦慄のウイルス・テロを阻止せよ(上・下)」、クライブ・カッスラー&ジャック・ダブラル著、伏見威蕃訳、ソフトバンク文庫NV、2009年9月発行、ISBN978-4-7973-5180-4,978-4-7973-5181-1)

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