地軸がずれ、多くの国家は滅び、日本列島も多くの島に分裂した世界。海にはリヴァイアサンと呼ばれる海獣が跋扈し、それに対抗できるのは人類から変異した吸血鬼たちだけだったため、人類は吸血鬼を番犬として飼い、吸血鬼は人類を牧畜として飼うという相互依存関係ができ、灰になった吸血鬼を再生させ海獣にあたらせる訓練・指導を行う転生師という職業が生まれた。今回の話の舞台となる大蒜島では、万丈島を首都とする日本諸島連合が勢力拡大のために連合に入るよう圧力をかけてきていた。ある嵐が明けた日に島にたどりついた男と少女は、転生師の顕九郎と吸血鬼の姫乃と名乗った。島長の高国は顕九郎を古くから知っており、2人は島で世話になる。そんな折、日本諸島連合の手先の報告で顕九郎の居場所を知った、吸血鬼養成で有名な禁宮島の使者が現れ、顕九郎が禁宮島に戻らなければ海獣を差し向けるとの脅しをかける。顕九郎はかつて禁宮島の跡取りと目された男であり、姫乃は禁宮島史上最強といわれた吸血鬼だったのだ。それを拒否した顕九郎と高国たちに、禁宮島から海獣使いの吸血鬼ダゴンと彼女に操られる36体の海獣が迫る。近隣の島の吸血鬼たちの助けも借り、顕九郎の転生師としての知識を使い、姫乃のように日光にも耐える体質へ吸血鬼たちを強化する策が進められる。いよいよ攻撃が始まり、島の転生師・雅彦の裏切りも何とか乗り切って、顕九郎たちは海獣たちの襲撃を防ぐことに成功する。作者あとがきによると発想の元は「吸血鬼(少女型)が夏の浜辺を駆け巡っている」というものだったそうで、確かに楽しんで読めました。幸いにも、続編の出る予定があるそうで、それも楽しみである。
(「Le;0 -灰とリヴァイアサン-」、六塚光著、一迅社文庫、2009年9月発行、ISBN978-4-7580-4099-0)
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