レインツリーの国

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ここは原則としてSFと関連本の記録をつけているのだが、この本はごくまっとうな恋愛小説でSF的内容はない。ただし「図書館内乱」とのコラボ小説という意味と、単純に有川浩の小説は読んでよかったと思うので書くことにした。関西から東京に出てきて3年になる青年「伸」は、かつて読んだライトノベル「フェアリーゲーム」の感想をネットの「レインツリーの国」というサイトで読み、作者の女性にメールを書く。その相手「ひとみ」とメールのやりとりをするようになった「伸」は、そのうち「ひとみ」に会いたいと思うようになるが「ひとみ」はなかなか会ってくれようとしない。やっとのことで会うことになった2人だが、せっかくの出会いも、どこかちぐはぐなところがあり、別れる間際のちょっとした事件から「ひとみ」が聴覚障害者で、何とかそれを隠して会おうとしていたことが判明する。最初の不幸なすれ違いを何とか克服して再度会った2人だが、ここでもささいな事件をきっかけとして傷つけあうようなことを言ってしまう。同僚の女性の発言から「ひとみ」の甘えに応えられなかった自責の念を抱きながら「ひとみ」に髪を切って垢抜けて補聴器も見せたら、と提案する「伸」に対し、突然「レインツリーの国」のトップページにしばらく更新を休むというメッセージが。焦ってメールした「伸」に対し、しばらく待って欲しいという「ひとみ」。やきもきして待つうちに1ヶ月ほどたって来た「ひとみ」からのメールには髪を切る決心をし「伸」の叔母の美容院に付き添って欲しいとの決意があった。短くなった髪と共に、やっと恋の成就した2人の姿を描いてさわやかな感動の結末となる。やっぱりこういう後味のいい小説はいいなあ。「図書館戦争」シリーズは文庫化の目処が立ってないそうだが、早く文庫化して欲しい。この作品で「フェアリーゲーム」として扱われているのは、笹本祐一「妖精作戦」シリーズだが、これがずいぶん前の作品でなかなかお目にかかれない。古書店で検索すると4冊セット3000円とか出てくるので躊躇してしまう。どっかで見つけて読んでみたいものだが。

(「レインツリーの国」、有川浩著、新潮文庫、2009年7月発行、ISBN978-4-10-127631-1)

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このページは、okが2009年7月15日 03:01に書いたブログ記事です。

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