2009年7月アーカイブ

超弦領域

| コメント(0)

年刊日本SF傑作選の2008年版。今回もバラエティに富んだ雑誌から集録している。専門誌のSFマガジンからはクラーク追悼号に乗った小川一水の「青い星まで飛んでいけ」が人類の飛ばした探査体が進化を繰り返して新しい種エクスとして飛んで行く様を描いて傑作。伊藤計劃「Fron the Nothing, with Love」は007を題材にした自意識を扱ったやはり傑作。一方、SF Japan からは樺山三英「ONE PIECES」がフランケンシュタインの怪物を扱った文芸シリーズの一編。最相葉月「幻の絵の先生」は日本SF大賞受賞記念のエッセイだが「1001話」から漏れたエピソードを描いたもの。『異形コレクション』の<未来妖怪>からは林巧「エイミーの敗北」は集合的無意識が管理する世界を舞台にしたもの。他は色々な雑誌から。野生時代掲載の法月綸太郎「ノックス・マシン」はミステリにおける”ノックスの十戒”を題材に時間SFに仕上げた傑作。小説すばる掲載の津原泰水「土の枕」は小作人と名前を交換して戦地に赴いた男の生涯を描き短い中の時間の流れを感じさせるもの。同人誌モンパルナス掲載の藤野可織「胡蝶蘭」はある店先から拾った胡蝶蘭にまつわるホラー。文芸誌モンキービジネス掲載は岸本佐和子の日記風「分数アパート」と石川美南の短歌「眠り課」。小説誌パンドラ掲載の倉田英之「アキバ忍法帖」は山田風太郎<忍法剣士伝>の舞台を秋葉原にしたパロディ、内藤泰弘のイラストも含めての掲載。単行本からは『サイエンス・イマジネーション』から堀晃「笑う闇」は漫才の相方にロボットを起用したエピソード。『天体の回転について』から小林泰三「時空争奪」は時空改変戦争もの。円城塔「ムーンシャインは書き下ろし。題材にされている数学的概念”モンスター群”の大森望による付録解説まである。そしてコミックスで集録されたのがモーニング掲載のBoichi「全てはマグロのためだった」は最後のマグロを食べた男のマグロ再生に賭ける執念が時空の広がりを持って描かれる傑作。これのおかげで単行本のHOTELやラキアまで手を広げてしまいました。ということで今巻では読んでたのが7/15で50%にちょっと足りなかった。

(「超弦領域」、大森望・日下三蔵編、創元SF文庫、2009年6月発行、ISBN978-4-488-73402-2)

臓物大展覧会

| コメント(0)

ホラー短編に書き下ろしを加えて連作形式にしてある。うらぶれた町で見かけた「臓物大展覧会」という看板の店に入って見ると肉らしき塊が蠢いていて、それぞれの物語を語る。学生時代の苛めからの連続殺人の話「透明女」。脳内チップとネットワークにより死者の幽霊(ホロ)が見えるようになった時代に主人公の男が気付いた(と思っている)真相とはという「ホロ」。精巧な少女の人形を作る(という)紳士の屋敷を訪ねた男が見たものは、という「少女、あるいは自動人形」。誘拐された3人の少女と犯人の男をめぐる話「攫われて」。キャッチ&リリースとUFOを絡めた星作品へのトリビュート「釣り人」。突然出現する正体不明の化け物たちへの対応をする組織SRPの活躍の裏にはダークマター生物との間接的なコンタクトがあったという「SRP」。誘われて行った友人の家の望遠鏡で9つの惑星と十番目の惑星の話を聞かされるという「十番星」。人間に奉仕するため絶滅した人間の遺伝子から人間を創り出して奉仕するロボットたちを描く「造られしもの」。ある村に移り住んだ作家と後から来た神父がないことの証明をめぐって争う「悪魔の不在証明」。の9篇。この作者らしいぐちゃぐちゃのホラーが多い。

(「臓物大展覧会」、小林泰三、角川ホラー文庫、2009年3月発行、ISBN978-4-04-347010-5)

映画続編のノヴェライズ。今回は映画を見てから読んだ。コンボイ司令官の呼びかけに応えてサイバトロン戦士が地球に集結する一方、デストロン軍団もまた地球に飛来してきた。地球各地で潜伏するデストロンを狩るため極秘のNESTチームと協力して戦うサイバトロン戦士たちだが、アメリカの国家安全保障担当補佐官はサイバトロン戦士の存在がデストロンを引き寄せるとして協力体制の解除を申し出た。一方、平和な大学生活を送るはずだったサムだが、残っていたオールスパークの破片からの情報が頭に流れ込んだことから再びデストロンの追跡を受けるようになってしまう。米軍の通信衛星を傍受したデストロンは深海に封印されたメガトロンの奪回に成功し、復活したメガトロンとの戦いでコンボイ司令官が動作停止状態にされてしまう。コンボイを救うため旧<セクター7>工作員のシモンズの協力を得て、サムたちはスミソニアン博物館にSR-71の形で眠っていた古代にデストロン軍団と袂を分った<探索者>のスカイファイヤーを起こし、彼の協力によりシナイ半島にある初代プライムたちの遺跡を捜し、そこにあったマトリクスの残骸を持ってコンボイの元に走った。デストロン軍団は初代プライムの裏切り者である復活した<堕落せし者>と共にピラミッドに隠された装置を起動して太陽からエネルギーを獲ろうとするが、復元したマトリクスによって復活したコンボイがスカイファイヤーの一部を取り込むことにより何とか<堕落せし者>の陰謀を阻止することに成功する。しかしメガトロンたちはいずこかへ逃れ、さらなる戦いを予感させて終わる。

(「トランスフォーマー/リベンジ」、アラン・ディーン・フォスター著、中原尚哉訳、ハヤカワ文庫SF1715、2009年6月発行、ISBN978-4-15-011715-3)

レインツリーの国

| コメント(0)

ここは原則としてSFと関連本の記録をつけているのだが、この本はごくまっとうな恋愛小説でSF的内容はない。ただし「図書館内乱」とのコラボ小説という意味と、単純に有川浩の小説は読んでよかったと思うので書くことにした。関西から東京に出てきて3年になる青年「伸」は、かつて読んだライトノベル「フェアリーゲーム」の感想をネットの「レインツリーの国」というサイトで読み、作者の女性にメールを書く。その相手「ひとみ」とメールのやりとりをするようになった「伸」は、そのうち「ひとみ」に会いたいと思うようになるが「ひとみ」はなかなか会ってくれようとしない。やっとのことで会うことになった2人だが、せっかくの出会いも、どこかちぐはぐなところがあり、別れる間際のちょっとした事件から「ひとみ」が聴覚障害者で、何とかそれを隠して会おうとしていたことが判明する。最初の不幸なすれ違いを何とか克服して再度会った2人だが、ここでもささいな事件をきっかけとして傷つけあうようなことを言ってしまう。同僚の女性の発言から「ひとみ」の甘えに応えられなかった自責の念を抱きながら「ひとみ」に髪を切って垢抜けて補聴器も見せたら、と提案する「伸」に対し、突然「レインツリーの国」のトップページにしばらく更新を休むというメッセージが。焦ってメールした「伸」に対し、しばらく待って欲しいという「ひとみ」。やきもきして待つうちに1ヶ月ほどたって来た「ひとみ」からのメールには髪を切る決心をし「伸」の叔母の美容院に付き添って欲しいとの決意があった。短くなった髪と共に、やっと恋の成就した2人の姿を描いてさわやかな感動の結末となる。やっぱりこういう後味のいい小説はいいなあ。「図書館戦争」シリーズは文庫化の目処が立ってないそうだが、早く文庫化して欲しい。この作品で「フェアリーゲーム」として扱われているのは、笹本祐一「妖精作戦」シリーズだが、これがずいぶん前の作品でなかなかお目にかかれない。古書店で検索すると4冊セット3000円とか出てくるので躊躇してしまう。どっかで見つけて読んでみたいものだが。

(「レインツリーの国」、有川浩著、新潮文庫、2009年7月発行、ISBN978-4-10-127631-1)

SF本の雑誌

| コメント(0)

雑誌カテゴリに入れたが「本の雑誌」の別冊で書籍扱いである。巻頭では大森望・鏡明・風野春樹によるSFオールタイムベスト100。1位はイーガン「万物理論」。やっぱり一般的にはそうなるか。個人的にはイーガンでも「ディアスポラ」なんだが。これにちなんでとり・みきのSF大将特別編。円城塔「バナナ剥きには最適の日々」もか?SFサブジャンル・こだわりベストテンとしては、Arte氏による<ポストホロコーストSF>(1位はトリフィド時代」)。スズキトモユ氏による<本格ミステリSF>(1位は「はだかの太陽」)。中村融氏いよる<へんないきものが出てくるSF>(1位は「超・博物誌」)。u-ki氏による<宇宙人の奇妙な流儀>(1位は「アグレッサー・シックス」、うーんこれよりは2位の「降伏の儀式」でしょうに)。山岸真氏による<素敵な老人SF>(1位は「銀齢の果て」)。他には、椎名誠氏によるSF的ノンフィクションガイド「SFより絶対面白いSF周辺やわらか頭本」、日下三蔵氏による文庫にならなかったオススメ本(日本編)「復刻が待たれる20世紀の名作たち」、三村美衣氏によるベスト・オブ・ベスト"SFガイド"「SFは人生の道と見つけたり!ガイドを超えた人生指南の書」、大橋博之氏による「日本SFアート史」。牧真司氏によるコラム「SF偉人伝」は柴野拓美、福島正実、小松左京、石原藤夫、野田昌宏、大宮信光、水鏡子、小川隆、武田康廣、安達一延(この人だけプロではないオールドファン)。大森望・堺三保・三村美衣による「SF者人生双六を作る!」の座談会には水玉蛍之丞による双六ととり・みきのマンガつき。北上次郎・大森望による<書評漫才>「君にはむかしから言ってるんだけど、とにかく初心者にも理解できてすごぉく面白いSFを教えてくれよ!」は結局山本弘を信じれば良いとか。翻訳SF担当者座談会(東京創元社・小浜徹也、早川書房・清水直樹、国書刊行会・樽本周馬)「海外モノに大コケなし、バカ売れもまず(笑)なし!」ではSF冬の時代でも海外ものはあまり変わらなかったという。T-con2009実行委員会による「SFセンター試験精選問題集」は2003年2006年のSF大会で行われた問題からで、かろうじて30点を超えてSFが好きな人の平均値だと。有名書店員のPOP集「私たちSFの味方です!」も。「本の雑誌」のSF特集からは「頑張れ!SF」や例の大論争を巻き起こした「この10年のSFはみんなフズだ!」。他に創刊号からのSF関係の記事の再録。最後に椎名誠「アドバタイジング・バード」の第一回プロローグと「SF者用語辞典」。

「SF本の雑誌」、本の雑誌社、2009年7月発行、ISBN978-4-86011-097-0)

虚構機関

| コメント(0)

久々の年刊日本SF傑作選の開幕となる本巻は2007年に発表された作品から。SFマガジン掲載のものでは、彼氏が<私>という意識の源I因子を持たない天然無能(テンムー)と宣言された主人公の苦悩を描く山本弘「七パーセントのテンムー」、狼男ほどではない変化を起こす病気<羊山羊>にかかった人妻を相手に淫する主人公を描く田中哲弥「羊山羊」、異星人ストリンガーの送り込んできた<大使>が係る殺人事件を扱う林譲治「大使の孤独」、停戦後に顔認証機能を麻痺させる処置を受けて敵だった民族を認識できなくなってもなお戦いから逃れられない姿を描く伊藤計劃「The Indifference Engine」。SF Japan掲載のものでは、身に着けているだけで増えていく<グラスハート>にすがりつく彼女を憂う主人公を描く小川一水「グラスハートが割れないように」、侵略者を駆逐する任務につく工作員を描く北國浩二「霧の中」、友人からの贈り物火星ケーキに振り回される主人公を描く唯一のコミックス萩尾望都「バースデイ・ケーキ」、量子コンピュータの中につくられたキャラクタがテレポート実験で失われた彼女を捜す八杉将司「うつろなテレポーター」。アンソロジー<異形コレクション>からは、「ひとにぎりの異形」所収の星新一へのオマージュ堀晃「開封」、同じく”向こう”に行ったなつかしいSF作家の面々を描くかんべむさし「それは確かです」、「心霊理論」から、幽霊の出るという家はその自己相似形に理由があるのかという平谷美樹「自己相似荘」。他には、<新潮>からニューウェーブSF中原昌也「声に出して読みたい名前」、<ちくま>から岸本佐知子のエッセイ「ダース考」「着ぐるみフォビア」、<小説新潮>から知能を得た犬が恩人に妻の浮気を警告する恩田陸「忠告」、フリーペーパーから三つの掌編からなる福永信「いくさ」「公転」「星座から見た地球」、そして群像新人文学賞応募作の円城塔「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」。マガジンとSF Japan は基本的に読んでたので11/16の既読率であった。2008年版が出る前にと読んだが、次はもっと未読が多そうだ。

「虚構機関」、大森望・日下三蔵編、創元SF文庫、2008年12月発行、ISBN978-4-488-73401-5)

SFマガジン2009年8月

| コメント(0)

チャイナ・ミエヴィル特集。ローカス賞受賞ノヴェラ「鏡」は鏡の普及に自由を奪われた鏡像世界の住人たちがこちらの世界を侵略し市街戦を繰り広げる中で彼らに襲われない主人公がある目的をもって北へ向う。「ある医学百科事典の一項目」は言葉が媒介する寄生虫による病気を事典の項目として描く。「ジャック」は今回の特集の元になったプラチナ・ファンタジイの「ペルディードストリート・ステーション」が属する《バス=ラグ》シリーズの短編でフリーメイドの都市テロリストのリーダーのジャックが生まれた経緯を描く。他にインタヴューとして「ファンタジイを引っかき回す」、加藤逸人の作家論、《バス=ラグ》用語集、略歴&著作リストなど。連載陣は、山本弘「地球移動作戦」第14回は<チャリオット計画>の進行につれ気象災害は激しさを増しついにアタカマ海溝での地震による津波が東アジアを襲う予想が出る。小林泰三「エクトプラズム」天獄と地国との狭間第6話は、ワイバーンを倒したアマツミカボシは次なる敵エクトプラズムをもナノチューブワイヤによる切断攻撃で退ける。梶尾真治「アジソンもどき」怨讐星域第11話は、降誕祭で上演する演劇の準備は進むが重要な役柄であるアジソンを演じる人が見つからず弟の情報を手がかりにゲート近くにアンリーと共に行くタツローたち。谷甲州「乱風楓葉七」霊峰の門第十九話は、人足たちに逃げられていよいよ困窮する天誅組だが楓は野添の中に潜むはずの佐提比古に助けを求めようとする。神林長平「放たれた矢」戦闘妖精・雪風第3部最終話は、雪風のコックピットに復帰した零はなおも続く予測不能の状況下で特殊戦司令部のクーリィ准将の命令で事態打開のために地球への超空間<通路>を目指す。一方地球側では<通路>近くまで来ていたリン・ジャクソンが<通路>から抜けてきた雪風に出会うところで第3部終了。他に「SFセミナー2009」レポートや「トランスフォーマー/リベンジ」誌上公開など。

コロニー防衛軍を退役して妻ジェーンと養女ゾーイと共に植民惑星ハックルベリーで平穏に過ごしていたペリーだが、かつての上司リビッキー将軍から新たな植民惑星ロアノークの行政官への就任を頼まれる。しかしたどり着いた惑星は事前の情報と全く違う未開の惑星だった。勝手な植民を認めないコンクラーベによる探知を逃れるため苦労するペリーたちだが、それはコロニー防衛軍(CDF)によるコンクラーベに対抗するための策だった。ペリーたちのロアノークを囮にコンクラーベの艦隊を撃破したCDFだが、この策はコンクラーベ内での対CDF強硬派の台頭の危険を孕むものだった。ゾーイを神のように崇めるオービン族を利用して事態の打開を図るペリーは、ロアノークに着陸したコンクラーベの強硬派エサーを捕らえ、コンクラーベのガウ将軍に取引を持ちかける。CDFにより情報封鎖を施されている地球にすべての情報を開示して、地球がコンクラーベと直接交渉する体制に持っていくことに成功する。人類が生き延びるために植民コロニーとは別に地球がコンクラーベとの関係を持つことで将来の展望が開けるかもしれないことが示唆されて幕を閉じる。3部作もこれで一応決着がついたことになっている。本作を娘のゾーイの視点から描きなおした4作目が既に書かれているそうだが、コンクラーベと人類のこれからや、超越的な技術を持つコンスー族の謎など、まだまだ書かれるべきことは残っていそうな気がするけどなあ。

(「最後の星戦 老人と宇宙3」、ジョン・スコルジー著、内田昌之訳、ハヤカワ文庫SF1716、ISBN967-4-15-011716-0)

魚舟・獣舟

| コメント(0)

冒頭の表題作は、陸地の大半が水没した未来で異形の生物と人類の係りを描く。「くさびらの道」は寄生茸に体を食い尽くされる奇病が蔓延した日本を描く。「饗応」は人間が勝手に始めた戦争に戻るのを拒み仮想の温泉宿でくつろぐ人工知性体を描く、異形コレクション39巻<ひとにぎりの異形>で読んでいた。「真朱の街」はテクノロジーと妖怪が混交する世界を描く、異形コレクション40巻<未来妖怪>で読んでいた。「ブルーグラス」は観葉植物のようなオブジェ、ブルーグラスを媒介にして主人公の心の遍歴を描く、小松左京マガジン13巻で読んでいた。「小鳥の墓」は書き下ろしの中編。長編「火星ダーク・バラード」の連続女性殺人犯、ジョエル・タニの少年時代を描き、何故あのような殺人犯が生まれたかを描く。「火星ダーク・バラード」を読んでいると、終盤でつながる部分が出てきてより楽しめる。

(「魚舟・獣舟」、上田早夕里著、光文社文庫、2009年1月発行、ISBN978-4-334-74530-1)

シェアードワールド企画として、映画「恐竜100万年」に対するオマージュの意味を込めて書かれたもの。ロサンゼルスに向うボーイング747が晴天乱流と思われるものに遭遇した時、実は6500万年前の世界にタイムスリップしていた。不時着した乗客がその世界で生き残ろうとして500年が過ぎた。”漂着”した人々は「ギフト」と呼ばれる超能力を得たこともあり、この世界に適応して今では10万人の人がいくつものコロニーに分散していた。シャイニングコーストに住むシロウとサユルの兄妹と友人のスーザンは他の友人たちと恐竜狩に行き、危ないところをローグヒーローのニーナに助けられてコロニーに戻ってきた。その夜、山から下りてきたマック爺さんは半年前に現れた小惑星がいずれ分裂し地球にぶつかる可能性があることを紹介した。この星が伝説の恐竜殺し<ワームウッド>であることは間違いなかった。しかし、実際にその破滅が起こるのが何年後かはわからず人々は何事もないような日常にもどるだけだった。なにかすべきではないかとシロウが思っているうちに事件が起きた。サユルが人類と同様に「ギフト」を持つ恐竜人ディノマンの友人コバルトとふざけているところをサユルを自分のものにしようとして断られたダレンに目撃され異種族との性行為を疑わせる堕落罪として告発したのだ。裁判の席でサユルが罪を科せられそうになるのに激怒したスーザンはウィッチとしての能力を爆発させてしまい、捕らわれの身になり、サユルも有罪判決をうけてしまう。何とかしようとしたシロウはコバルトと協力してサユルと共にスーザンを脱走させ、阻止しようとした父のタギルを兄妹で協力して倒し、4人でコロニーを出てローグとして、破滅に立ち向かいことを決意する。「ギフト」の謎にもちゃんとSF的決着をつけるそうなので楽しみにしていよう。ウェンズデイも早く出して欲しいなあ。

(「滅亡の星、来たる ダイノコンチネント」、山本弘著、徳間デュアル文庫、2009年6月発行、ISBN978-4-19-905195-1)

2010年3月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

このアーカイブについて

このページには、2009年7月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2009年6月です。

次のアーカイブは2009年8月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。