SF Japan 2009 SPRING

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SF賞特集では、大賞の「新世界より」貴志祐介と「電脳コイル」礒光雄監督の受賞の言葉と選評。新人賞の「プシスファイラ」天野邊と「競馬の終わり」杉山俊彦の受賞の言葉と最終選考会の収録。受賞記念第1作では、「壊死」天野邊はウェアラブル端末であるアイウェアの普及した近未来の連続意識喪失事件を描く。「革命ロボット マンザーイ」杉山俊彦は漫才ロボットを開発する天才(と自分で思っている)男を描くが、受賞作もこれぐらいだとすると、うーんと考えてしまう。連載陣では、山田正紀の新連載「東京収奪」ではトラックの運転手の男が吹雪の夜に女を乗せることになる。篠田真由美「黎明の書」(第二回)は貴種イオアンに連れられてシェミハザ伯爵の城に入ったラウルが定番のイジメを受けたり老教師と出会ったりする展開。あさのあつこ「スーサ」(第四回)はスーサについていった歩美が旅の決意を新たにする。森岡浩之「地獄で見る夢」(第四回)は依頼によりポラリスに入った主人公はそこで辞めたはずの優月に出会う。東野司「新ミルキーピア物語 虹の彼方に」は、全身七色の虹男の自分を取り戻したいという依頼を解決しようとする。火浦功「真・火星のプリンセス・リローデッド」はついにこれまでの要約2ページになってしまっている。古橋秀之「百万光年のちょっと先」は相変わらずちょっといい話のショートショート3編。小路幸也「蘆野原偲郷」は最終回、郷を閉じて多美も大人の女性になって次の世代に思いを馳せて終わる。恩田陸「愚かな薔薇」(?)では奈智たちが蝶の谷の上の船着場に行く。若木未生「オーラバトラー・インテグラル、ファウスト解体」(中篇)では、鳴木が白鷺遠洋と水宮姉妹に魅入られて落ちていく。他には、イラスト先行小説が、久美沙織「トリックショット」が月の大学で起きる「魔女」の都市伝説をめぐる話でちょっといい終わり方をするのに対し、林譲治「女の姿」は復興した人類文明が再発見した先行文明の飛ばした世代宇宙船の1台で起こる事件を描くホラー。今回の2編はこの企画には珍しく面白かった。加地尚武「彼方から」は宇宙ステーションで行われる交霊会を描く。森橋ビンゴ「セックスフレンドジャポニズム」はゴミ捨て場で拾った女は未来から精液を採取に来たというが、という話。SF新人賞受賞作家の競作では、坂本泰宏「電撃超人リョウガマン戦いの軌跡」は自殺しようろした女を救った2人組の旅芸人はかつての超人の落ちぶれた姿で、という話だが最後はちょっといい話で終わる。黒葉雅人「脳内劇場」は、脳内に多重人格を持つ男の話。木立嶺「馬と車の彼方へ」は幕末に邦界と呼ばれる桂馬機が空を飛ぶ世界へ転移した日本を描く。コミックは縹りん子「扉のむこう」猫を追いかけて異世界をめぐる幻想作家志望の女の子のエピソード。なかせよしみ「エリカさんの狂発明日記」と「TECH MATES」は安心して読めるレベルを維持。P.K.ディックj塾の評論2編。

(「SF Japan 2009 SPRING」、徳間書店、2009年3月発行、ISBN978-4-19-862695-2)

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このページは、okが2009年4月 4日 03:23に書いたブログ記事です。

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