小松左京マガジン第32巻

| コメント(0)

巻頭は「題名のない番組」1968年10月3日放送分の紹介。続くコラムは2009年の始まりに合わせてタイミングよく黒田武彦(西はりま天文台長)による「今年は世界天文年」。小説は2編、第9回小松左京賞受賞者の森深紅「ランナバウト」は30代半ばカップルの車と結婚をめぐる話、男の方の車を操ることの楽しみはよくわかるが結婚してもその楽しみを捨てる必要はなく、そうした楽しみ方のできる車に乗ればいいはずだが、残念ながら現在の日本では、そうした楽しみを追求しようとした時に選べる車が皆無である。ファミリーで乗れる車、特にミニバン系にはMTで操れる車が皆無なのは何とかならんものか。もうひとつは高斎正「ニコンS3D」架空のデジタル・ステレオカメラをめぐる話、さすがにいかにもありそうなお話に仕上げてあり編集後記で<フィクション>で実在しません、と断ってある。評論ではアレッサンドロ・G・デミトリ「エイリアン領土への襲撃」は日本人作品のアンソロジーALIAの紹介。下村健寿「「復活の日」から読み解くバイオロジー2ウイルスは誰が発見したのか」は、ウイルスの発見をめぐる科学史で面白い。西村一「正しい氷河(×)期の起こし方」は、地球温暖化をめぐる論争とからめて氷期について関連するSF作品紹介や様々な角度からの検証とタイトルどおりの氷期の起こし方。南山宏「メタサイエンスねたさいえんす2」は質量原器、イグアナの体長変化、アンデスの円形遺跡の3つ。「賢人談話、あるいは小松左京の大口舌2」では、東京と地方の比較、特に東京の一人勝ち状態に対し、大阪の浮上策を論ずる。小松左京研究会のページでは新間策雄「SF的な、余りにSF的な?「果しなき流れの果に」私論2」が初期の時間テーマの諸作を経て、いかに当該作品が生まれたかの分析に入ろうとするところ。今回は天神の丸善で買えてよかったが、未だに巻末に紀伊国屋天神店があるのは誰も修正しないのか?(天神店はジュンク堂などとの競争に敗れて閉店し、現在は福岡市内の紀伊国屋は博多駅近くの本店と東店という体制になってるんだが。)

(「小松左京マガジン第32巻」、(株)イオ発行、(株)角川春樹事務所発売、2009年1月発行、ISBN978-4-7584-1131-8)

コメントする

2010年3月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

このブログ記事について

このページは、okが2009年2月12日 02:09に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「と学会年鑑BROWN」です。

次のブログ記事は「SFが読みたい!2009年版」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。