宗像教授異考録・第九集

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「鯨神」では、古代の日本人は”寄り鯨”と呼んで鯨の座礁を神の恵みと呼び感謝して食していたが、現代では動物愛護の名の下に救出活動が行われる。現実の鯨の座礁事件に際してこの両者の考え方の相克に、宗像教授とその教え子の女子学生が巻き込まれる。「雁風呂」では、渡り鳥である雁が咥えてきた小枝を拾い集めて炊いた風呂を雁風呂という津軽の話と難破船や遭難した人々の遺物の漂着との関係に着目し、わが身の思わぬ病気との関連に想いを馳せる忌部神奈のエピソード。この話は後にも尾を引いて扱われたはず(十集以降に集録されるか?)。「女帝星座」では、日本史上最強の女戦士と伝えられる神功皇后とギリシア神話のカシオペアとの類似点に着目し、天星教会の教祖と共に謎解きに乗り出した宗像教授を描く。最後には福岡を舞台に5つの神社がカシオペアのW型に当てはまる話などが紹介され宗像の地元らしい話で結ぶ。この中にも出てくる天皇家の陵墓と目される古墳が菊のカーテンのおかげで学術的な調査すら許されないというのは考古学的にも非常にもったいない話で、いまどきなんでこんなことが続くのが疑問である。

(「宗像教授異考録・第九集」、星野之宣著、小学館 BIG COMICS SPECIAL、2008年10月発行、ISBN978-4-09-182193-5)

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