私立時狭間学園の奇妙な校則「午後7時から午前7時までの校内立ち入り禁止」の裏にあったのは、学園地下にある地球唯一の<多次元交差点>だった。居眠りばかりするクラスメート夜野原ミサキを追って<多次元交差点>にある異次元生物専用のホテルに迷い込んだ宇田川まひるは、ホテル支配人であるミサキと共にホテルのメイドとして働くことに。二足歩行するワニのようなK91世界の退役大佐アーマン、一見毛だらけ実は毛皮風装備をかぶった美少女ピリカ、実はスケベな粘液ゲル人などの多彩な異次元人がいつも騒ぎを引き起こし、支配人ミサキはメイド頭のココから反省室送りにされながらもお茶づけをこよなく愛す。ミサキはかつて不幸な事故(?)で失った家族の行方を捜してこの奇妙なホテルの支配人になっており、手に持つ懐中時計は時間を巻き戻す機能を持っている。しかし、その機能はどことも知れぬ青い空間で時間を支配する少女ユガがミサキの命を削って与えているものだった。この巻では、紳士風の異次元人シルヴァーナが(未開の)地球世界の品々を密輸しようとするたくらみに気づいたまひるがシルヴァーナに拉致され、それを追ってミサキやアーマン、ピリカたちが大立ち回りを演じる。SFマガジンでは「中継ステーション」の例があげてあったが、昼の学園世界と夜の<多次元交差点>で繰り広げられるにぎやかな騒動は中継ステーションのどちらかというと静かなたたずまいではなく、ライトノベルらしい賑やかな少女の楽しさを持つものである。既に2巻が出ているがそれについては別途。
(「多次元交差点でお茶漬けを。」、本保智著、角川スニーカー文庫、2008年6月発行、ISBN978-4-04-472703-1)
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