2008年10月アーカイブ

前半の表題作では、人間型ポジトロンロボットのブレスラウアーは、ブルがアフィリー化したのは細胞活性装置の不調によるものと分析し、免疫保有ロボットの叛乱を機に5次元性エネルギー爆発によって不調の修正を試みる。試みは成功し会議中に正常に戻ったブルはブレスラウアーの助けにより逃走を図る。ニュースを聞いたダントンはブルを助けるべくインペリウム=アルファに潜入を試みる。謎のアウトサイダー、カエルのクレルティの助けを借りて潜入に成功したダントンはブレスラウアーと会い、秘密の特殊回路を作動させて大本営を分断し、ブルと共に転送機で脱出に成功する。後半の「太陽の使者」では、アトランの命を受けて120年ぶりにプロヴコン・ファウストの外の銀河の状況を探る任務に出たタブフン艦長の《ドーゲン》は、かつて連絡惑星として使われていたカルドーラ星系第六惑星のフレティクレアを訪れる。遭遇した住民は太陽の使者ヴラトを崇めるハラス派と、敵対するオパナーに分かれており、オパナーの元には超重族の工作員がいた。超重族の艦隊に包囲された《ドーゲン》の絶望的な戦いの場に突然、探知機に記録されない”幽霊船”が現れ超重族艦隊を蹴散らし、謎のヴラトのメッセージを残して去っていった。無事ガイアに戻った《ドーゲン》だがアトランも”幽霊船”の謎に首をひねるばかりだった。老人となった元ハイパーカム技術者の皇帝カールが《ドーゲン》に密航して活躍するが、何か今後につながるんだろうか?あとがきには恒例の仮題紹介がとぎれた事情が書いてあるが(メールの不達が理由だそうだ)、恒例なんだから編集部で気をきかせて確認できなかったのかなあ。

(「インペリウム=アルファからの脱出(ペリーローダン353)」、ウィリアム・フォルツ&H.G.フランシス著、五十嵐洋訳、ハヤカワ文庫SF1684、2008年10月発行、ISBN978-4-15-011684-2)

容疑者Xの献身

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直木賞受賞作であり映画の原作でもある。短編連作のガリレオシリーズが一見オカルト的な事件の謎を天才物理学者が解くという謎解き主体の楽しさを持つ作品だとすると、長編の今作は愛することの苦悩を含むかなり重いものを孕んだ作品になっている。河原で発見された全裸死体は顔をつぶされ指紋が焼かれるなどの身元隠しが行われていたにもかかわらず衣服の燃え残りや乗り捨てられた盗難自転車などが残されるなど不可解な点もあった。すぐに身元が割れ離婚した元妻の女性が容疑者となるが、彼女にはアリバイがあった。一見崩せそうで崩れないアリバイにいつものように湯川に話をする草薙刑事だが、話を聞いた湯川は犯人が強敵だと告げる。容疑者の隣に住むのが長らく音信不通だった大学時代の友人で天才数学者と呼ばれた石神だと知った湯川は彼に会いに行きひょんなことから石神が容疑者の女性に恋心を抱いていることを知り石神と事件との関係の調査を始める。「一見幾何の問題に見えて実は関数の問題」を出すいう石神の言葉を聞いた湯川は恐るべき真相に思いあたる。そして、殺人犯として自ら出頭した石神の話を聞き、苦悩しながらも自分の推理を容疑者の女性に話す湯川。そこで明かされたのは容疑者の花岡母娘を救うために石神が立てた究極の自己犠牲を含んだ計画だった。読後に非常に重いものが残る結末である。原作を読むと映画がかなり忠実に原作をたどっているのがわかる。原作の方が小説らしく登場人物たちの心理を詳述している一方、映画は映像作品らしく小説では不可能な一瞬の場面での説明が入っている。一番典型的なのは、何故石神が花岡母娘を愛し助けようと思ったのかの理由を現す場面で、母娘の楽しい日常に癒される石神の場面や笑顔で挨拶してくる娘に癒される場面など。普通の笑顔のためにオーディションで選んだという娘の美里役の金澤美穂が適役。

(「容疑者Xの献身」、東野圭吾著、文春文庫、2008年8月発行、ISBN978-4-16-711012-3)

予知夢

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天才物理学者の湯川が事件の裏に潜む謎に鋭い観察力と科学知識で挑むガリレオシリーズの連作短編集第2弾。16才の少女の部屋に侵入した男が17年前から少女と結ばれる夢を見たと主張する謎を扱う「夢想る(ゆめみる)」。女性の殺害事件が起こるが同時刻に容疑者の男のマンションで留守番していた友人が見たのは殺された女性に見える人影だったという謎に挑む「霊視る(みえる)」。老人宅を訪ねたまま行方不明になった男を捜す草薙たちの前にはだかるのは毎日同じ時刻に謎のポルターガイスト現象を起こす家だったという「騒霊ぐ(さわぐ)」。町工場の社長がビジネスホテルで死んでいるのを発見されるがその首に残る奇妙な絞殺跡の理由は何か、果たして他殺なのか、を扱う「絞殺る(しめる)」。マンションで女性が首をつるが、その姿を数日前に視たと主張する少女がいた。果たして予知なのか?という「予知る(しる)」。この作品は一応科学的に謎が解明されるが、最後の一節で少女の予知が本物の可能性がちらっと示唆される。

(「予知夢」、東野圭吾著、文春文庫、2003年8月発行、ISBN4-16-711008-3)

探偵ガリレオ

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昨年のドラマはチラチラとしか見てなかったけど、今回の映画をきっかけに原作に手を伸ばした。基本設定は警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかった時、大学の同期の友人である、帝都大学理工学部物理学科准教授・湯川学を訪ね、常識を超えた謎に鋭い観察眼と科学の眼で天才科学者が挑むというもの。一見オカルトなものもあるが、あくまで解決は科学的にされるので、SFと言えるものではなくミステリーなので<その他>カテゴリーにしている。このシリーズは連作が基本で、この巻は最初にまとめられた連作短編集。納められているのは、突然燃え上がった若者の頭の謎を扱う「燃える」、池に浮かんだデスマスクの謎を扱う「転写る」(うつる)、心臓だけ壊死した男の死体の謎を扱う「壊死る」(くさる)、何もない海水浴場の海上での突然の爆死を扱う「爆ぜる」、幽体離脱した少年の目撃が鍵を握る事件を扱う「離脱る」(ぬける)、の5編。あとがきによると作者が主人公の天才物理学者・湯川のモデルにしたのは、俳優の佐野史郎だそうだけど、ドラマや映画が公開された後で読んだ身としては、福山雅治の姿しか思い浮かばないが、まあそれほど違和感はなく読めた。

(「探偵ガリレオ」、東野圭吾著、文春文庫、2002年2月発行、ISBN4-16-711007-5)

前半の表題作では、ローダン一行が《ソル》で追放されてから40年後。テラではアフィリーの影響を受けない”病人”を狩り立てるハンター、通称アウトサイダーが暗躍している。アウトサイダーの1人ジョスリンはニューヨークに現れ、女性アウトサイダーのクリスタルを強引に配下とし、カオス主義者のテロリスト、ミングスとジェルモンが政府全権委員バイガーの暗殺を企てていることを知り、狩りをしようとする。最後にはジョスリン以外の関係者は亡くなり、ブルが企てたアウトサイダーと病人を戦わせる実験は不備に終わる。後半の「インペリウム=アルファのロボット叛乱」では、非アフィリーに化ける訓練をした工作員を仕向けることで病人たちを一掃しようとするアフィリー首脳部の作戦により、窮地に追い込まれたダントンたちは、かねてからダントンが準備していた秘密の避難所ポルタ・パトに撤収すべく、仲間をボルネオに集結させようとする。一方、インペリウム=アルファの重戦闘ロボットTARA=?=Uh型の1台はポジトロン部のロボット工学3原則による人類の救援がアフィリー化したバイオプラズマ部と矛盾を起こし、プラズマを焼いて純ポジトロン作動に移行し、仲間のロボットを増やして非アフィリーの人類を救おうと計画する。ボルネオの集結場所に集まるダントンたちだが、紛れ込んだ工作員によりロボット部隊の急襲を受ける。あわやというところに純ポジトロンロボット部隊が救援に駆けつけ、戦闘になったすきにダントンたちは危ないところで工作員を倒し、避難所に転送される。

(「アウトサイダーの追跡(ペリーローダン352)」、ハンス・クナイフェル&エルンスト・ヴルチェク著、天沼春樹訳、ハヤカワ文庫SF1683、2008年9月発行、ISBN978-4-15-011683-5)

「鯨神」では、古代の日本人は”寄り鯨”と呼んで鯨の座礁を神の恵みと呼び感謝して食していたが、現代では動物愛護の名の下に救出活動が行われる。現実の鯨の座礁事件に際してこの両者の考え方の相克に、宗像教授とその教え子の女子学生が巻き込まれる。「雁風呂」では、渡り鳥である雁が咥えてきた小枝を拾い集めて炊いた風呂を雁風呂という津軽の話と難破船や遭難した人々の遺物の漂着との関係に着目し、わが身の思わぬ病気との関連に想いを馳せる忌部神奈のエピソード。この話は後にも尾を引いて扱われたはず(十集以降に集録されるか?)。「女帝星座」では、日本史上最強の女戦士と伝えられる神功皇后とギリシア神話のカシオペアとの類似点に着目し、天星教会の教祖と共に謎解きに乗り出した宗像教授を描く。最後には福岡を舞台に5つの神社がカシオペアのW型に当てはまる話などが紹介され宗像の地元らしい話で結ぶ。この中にも出てくる天皇家の陵墓と目される古墳が菊のカーテンのおかげで学術的な調査すら許されないというのは考古学的にも非常にもったいない話で、いまどきなんでこんなことが続くのが疑問である。

(「宗像教授異考録・第九集」、星野之宣著、小学館 BIG COMICS SPECIAL、2008年10月発行、ISBN978-4-09-182193-5)

ハイテク秘密工作船オレゴン号を駆る「現代の騎士」カブリーヨの<オレゴン・ファイル>シリーズの日本紹介第2弾(発表順では第3作)。日本海周辺で次々と船が襲撃される事件が発生する。日系アメリカ人の海運会社経営者からの依頼で海賊船探しに乗り出したカブリーヨたちだが、襲われた船を隠して運ぶ浮き乾ドックを追っていくうちに船の解体事業を仕切るジャカルタの業者の関与を突き止める。一方、捕獲した海賊船のコンテナから発見された大量の中国人の死体の調査からは蛇頭による大規模な人身売買の線も浮かび上がる。これらの調査が結びつけたのは、ロシア人火山学者がカムチャッカに秘密裏に発見した金資源の採掘に中国から運んだ渡航希望者たちを奴隷労働させているということだった。陰謀の粉砕のためにカムチャッカに向うオレゴン号だが、現地では火山の胎動が始まってしまう。奴隷化された人々の救出と犯人グループの撃滅は間に合うのか、といったストーリー。ひところの低迷期からすると、このシリーズは比較的読めるものになっている(実際に書いてるのはダブラルなんだろうけど)。

(「日本海の海賊を撃滅せよ!(上・下)」、クライブ・カッスラー&ジャック・ダブラル著、黒原敏行訳、ソフトバンク文庫NV、2008年9月発行、ISBN978-4-7973-4214-7,ISBN978-4-7973-4992-4)

弐瓶勉作品集。表題にもなっているブラム学園3話は『BLAME!』のキャラが学園マンガに登場しシボが霧亥に裸を見られたりしてボコるという、元の『BLAME!』のハードな世界からすると解説の本田透が言うとおり「弐瓶先生いったいどうしちゃったの」という代物である。有名な童話を題材にとり女神のかわりにバケモノが斧の質問をする怪作「沼の神」のような作品もある。一方、男が体長5mmになって女の体内に融合するというグロテスクな遠未来の姿を描いた「ポンプ」のような作品や、『BLAME!』の世界と通じる背景の下、変貌した兄を描く「小包」や、超構造体のある階層での出来事を描く「ネットスフィアエンジニア」、珪素生物の女の都市構造体からの脱出を描く「BLAME!^2第八系子体プセルの都市構造体脱出記」のようなまっとうな『BLAME!』枝編となる作品群も集録されている。中でも一番ハードSFとなっているのは冒頭の人類と蝿の戦争の果てに遠未来・遠宇宙で再度の交配と統一がなされる「ZEB-NOID」と、巻末のやはり遠未来・遠宇宙での激闘を描いた「戦翅甲蟲・天蛾」だろう。この2作はグレッグ・ベアの「鏖戦」を彷彿とさせるものになっている。

(「ブラム学園!アンドソーオン」、弐瓶勉著、講談社アフタヌーンコミックス、2008年9月発行、ISBN978-4-06-314531-1)

バイオメガ5

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<ドローン禍>で壊滅状態の地球での逆相写像重合体と適応者イオン・グリーンの花粉の”受粉”により、巨大なヒモ状の物体<復物主>が出現し、造一とフユは<復物主>上の何処かへ転送されてしまう。そこで新生DRFに襲われていた人間らしき2人ブーツとヤーを保護するが、彼らは<復物主>と似た体組織を持ち自己修復する生命体であり、この世界の”人間”であると判明する。彼らと共に”人間”の村へ行った造一たちだが、突然現れた巡回査察員と戦闘になり、ヤーが連れ去られてしまう。取り返しに行った造一たちが発見したヤーの子宮からは<復物主の子>フニペーロが生まれ、同時に覚醒したDRF総主ニアルディの示現構成体が出現し、<復物主の子>を奪回しようとする。最後の方で現れたニアルディの弟子との戦いは絵の雰囲気が腐海と巨神兵のようだ。造一たちとフニペーロの旅は続く。

(「バイオメガ5」、弐瓶勉著、集英社ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ、2008年9月発行、ISBN978-4-08-877517-3)

地球唯一の多次元交差点に立つ時狭間ホテルに超VIP客が来ることに。Y55世界”月”の次代の女王「かぐや」と少年従者ヨミであった。地球に伝わる各種のおとぎ話は、かつて多次元間の交通が今ほど厳格に制限されていなかった頃に異次元生物が目撃されたことが元になっているそうで、「かぐや姫」の物語もその1つだが、訪れたVIPのかぐやは現女王から能力不足を責め立てられていることが判明する。折りしもかぐやが泊まるロイヤルスイートで爆発が発生、誰かがかぐや暗殺を企てている?常連客のアーマン大佐やピリカらを巻き込んだ騒動の中、犯人は従者のヨミであることが判明するが、その最中、かぐやの能力「扉翔け」=近くのクロスポイントと時空をつなげて一瞬で転移するという力が発動して危機を回避する。ここ当分の間、どの女王も発揮できなかった高度な能力の発揮がわかり、次代女王としての資格問題は解消されたかに見えたが、ヨミを裏で操っていた現女王が従者ロボに仕掛けていた罠が発動し再度の危機が。みんなの力で何とか事態を収拾し、犯罪をあばかれた現女王が退位した後、新女王に即位したかぐやは問題の根である『かぐや』制度の廃止する改革を発表する。事件の中で青い次元のユガとミサキにからむ謎も一段と深まり、早くこれを解明するまで話を進めてもらわないと。

(「多次元交差点と月の姫さま。」、本保智著、角川スニーカー文庫、2008年9月発行、ISBN978-4-04-472704-8)

私立時狭間学園の奇妙な校則「午後7時から午前7時までの校内立ち入り禁止」の裏にあったのは、学園地下にある地球唯一の<多次元交差点>だった。居眠りばかりするクラスメート夜野原ミサキを追って<多次元交差点>にある異次元生物専用のホテルに迷い込んだ宇田川まひるは、ホテル支配人であるミサキと共にホテルのメイドとして働くことに。二足歩行するワニのようなK91世界の退役大佐アーマン、一見毛だらけ実は毛皮風装備をかぶった美少女ピリカ、実はスケベな粘液ゲル人などの多彩な異次元人がいつも騒ぎを引き起こし、支配人ミサキはメイド頭のココから反省室送りにされながらもお茶づけをこよなく愛す。ミサキはかつて不幸な事故(?)で失った家族の行方を捜してこの奇妙なホテルの支配人になっており、手に持つ懐中時計は時間を巻き戻す機能を持っている。しかし、その機能はどことも知れぬ青い空間で時間を支配する少女ユガがミサキの命を削って与えているものだった。この巻では、紳士風の異次元人シルヴァーナが(未開の)地球世界の品々を密輸しようとするたくらみに気づいたまひるがシルヴァーナに拉致され、それを追ってミサキやアーマン、ピリカたちが大立ち回りを演じる。SFマガジンでは「中継ステーション」の例があげてあったが、昼の学園世界と夜の<多次元交差点>で繰り広げられるにぎやかな騒動は中継ステーションのどちらかというと静かなたたずまいではなく、ライトノベルらしい賑やかな少女の楽しさを持つものである。既に2巻が出ているがそれについては別途。

(「多次元交差点でお茶漬けを。」、本保智著、角川スニーカー文庫、2008年6月発行、ISBN978-4-04-472703-1)

SFマガジン2008年11月号

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特集は宇宙SFの現在。グレッグ・イーガン「グローリー」は2つの国家に分かれて争うヌーダー人の星に降り立った2人の異星人は300万年続いて滅びたニア人の研究していた数学を求めていたという話。テーマである数学と異星人が星間空間をガンマ線パルスと針状のナノマシンで渡る描写がイーガンらしい。イアン・マクドナルド「ヴェルザンディの環」は宇宙戦争の続く世界で<ヴェルザンディの環>の秘密を追う3人の女性を描くが、戦いの間にすぎる数百年もの時間やスーパーストリングが遠未来の壮大なビジョンを描出する。ケン・マクラウド「ウルフ359なんか怖くない」は不倫の代償に音信普通となっていた実験文明に送られた男の話だが、政治と株式会社への皮肉や状況を逆手に取った逆襲が見事に描かれる。ナンシー・クレス「戦争と芸術」は人類の芸術品を集める敵異星人の謎を解く美術史家の大尉と母親である将軍との軋轢を描く。他に細井威男氏の特集解説と最新宇宙SFブックガイド。結構光速の制限内での話が多い。連載陣では、山本弘「地球移動作戦」<第5回>は新たな登場人物である天体物理学者の風祭良輔がミラー星の脅威への対抗手段を思いつく。朝松健「魔京」<第15回>は時代が飛んで大久保彦左衛門の孫の彦四郎が『京魄』と係っていく。梶尾真治「閉塞の時代」<怨讐星域第9話>は約束の地を目指す世代宇宙船ノアズ・アークでのトマト栽培係マイケルと船長の娘セシリアが虫がいないはずの船内のゴキブリによる騒動で思いがけず接近できた話。小林泰三「巨神覚醒す」<天獄と地国との狭間第3話>は迫り来る空賊に対抗するため怪物の体内にもぐりこんだカムロギにより怪物が目覚める話。読み気りでは樺山三英「ガリヴァー旅行記」は連作シリーズで題名どおりガリヴァーに題材をとったもの。リン・ディン「食物の召喚」は料理本の囚われた女を描く掌編。他に第47回日本SF大会「DAICON7」レポートなど。

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