ある日、爆弾が落ちてきて

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古橋秀之の短編集。表題作は、ある日空から落ちてきた50ギガトン爆弾は昔好きだった女の子に似ていて、胸の起爆時計を進めて世界を消すために主人公に近づくが、現在の彼女の存在を察して消えていく。「おおきくなあれ」は罹ると記憶逆行に陥るゴードン症候群にかかった幼馴染の彼女を介抱する羽目になった主人公の苦しくも微笑ましい1日を描く。「恋する死者の夜」は生者が減り甦った死人の増大で次第に終末に向かう世界で、甦った彼女とデートする主人公の姿を描くちょっとダークな話。「トトカミじゃ」は高校の古い図書館の隅の神棚には文庫本が祭られ、毎年1人の生徒にだけ見える小さな女の子の姿の神様がいたが、司書の小松先生が亡くなり図書館が取り壊された後、古文書が引き取られた役場の片隅で女の子と老人の幽霊が見られるようになるというちょっと微笑ましい話。「出席番号0番」は毎日違う生徒に憑依して回る幽霊のおかげで起こった事件と幽霊の好意が向けられているとわかった主人公の話。「三時間目のまどか」は11時頃の数十秒だけ過去の時間の教室が映る窓を通して知り合った女の子が事故で死ぬ運命にあることを知った主人公は必死でその情報を伝えようとし、無事伝わったかどうか知らぬままに行った手話教室で女の子の面影を残す若い女性と会うというホッとするいい話。「むかし、爆弾が落ちてきて」は時空潮汐爆弾の爆心地にいたために固着して60億分の1の速度で生きる女の子をめぐって、女の子を好きだったが故に記念碑として残し世話をしていた老人が死んだ時、孫である主人公が固着した時間の中に行くことを決意するという梶尾真治やスローガラスを思わせるいい話。いずれもボーイ・ミーツ・ガールに時間テーマを扱った好短編が揃っている。

(「ある日、爆弾が落ちてきて」古橋秀之著、メディアワークス電撃文庫、2005年10月発行、ISBN4-8402-3182-6)

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このページは、okが2006年2月 1日 19:41に書いたブログ記事です。

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