久々の SF Japan。シリーズものの新作として宮部みゆき「ドリームバスター3」と山田正紀「神獣聖戦、最終話ディープタイム前編」。どちらもこれまでの話を読んでないんだが、ドリームバスターは惑星テーラの事故で凶悪犯の意識が異世界である地球の人類の夢の中へ逃げた世界で、逃げた犯人を夢に潜って狩るドリームバスターのシェンたちを描く。今作では新たなキャラクタであるカーリンとの交流と、虐待児タカシに潜むモズクを追うシェンたちの結末。神獣聖戦は前編なのでどうなるかまだよくわからない。連載陣では夢枕漠「闇狩り師、黄石公の犬」と火浦功「又火星のプリンセス・リローデッド」はどちらも、もうちょっと1回で進展して欲しい。古橋秀之「百万光年のちょっと先」は連作ショートショートだが、いずれもちょっといい話を読んだ気になった。清涼院流水「われはロボット」はアシモフ作品にからんだ作家ロボットのキャルシリーズの話。若木未生「オーラバスター・インテグラル」はつづくそうなのでまた。谷口裕貴「11月のおわり」はエイリアンとの遭遇の中で超光速理論の秘密を入手しようとする話だが短編に詰め込まれたワイドスクリーンバロックといった感じで長編にしてもいいかも。巻末の特集は「恋愛SFに、涙する」というテーマで桜庭一庭「A」はアイドルのいなくなった時代にアイドルをよみがえらせようとする話。西澤保彦「キス」はモリナツコシリーズの1つで中学生のころ出会った少女を探すあかりを描く。梶尾真治はインタヴューと「時の”風”に吹かれて」は叔父の絵の中の女性を救おうと過去に向かった男の話。パターンだが安心して読めた。
(「SF Japan 2005 WINTER」徳間書店、2005年11月発行、ISBN4-19-862090-3)
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