二〇〇七年度板坂研究室卒業論文発表会

一月二十三日(水) 十六時〜十九時         
於・人文社会講義室



東耕大「江戸時代の思想 」

加藤未菜「江戸時代の庶民文化 」

生井文知子「江戸時代の男色について」

森誠治「通俗三国志と三国志の違いについて」

山口剛人「南総里見八犬伝

細川幸四郎「江戸時代の妖怪
 ―上田秋成『雨月物語』を通して― 」

紙谷亮兵「偐紫田舎源氏の研究」

石川寛子「八丈島の紀行文
 ―『裁子織』について― 」

西松達人「温泉紀行文
 ―温泉の歴史をさぐる― 」



発表順は変わることがあります。
他ルームの方、一、二年生も気軽においで下さい。
途中参加、一部参加も歓迎です。

 
 

ちょっと一言  
 のっけから物騒なことを言いますと、私はこれまで何度か卒論発表会で機嫌を悪くして、2度ほどは中途で注意し、1度はその後の飲み会で怒りのあいさつだけして帰りました。
 この数年はそんなこともないし、皆さんがそうかどうかはわからないので、注意をするのも失礼ですが、一応前もって申し上げておきます。
 
 私が怒ったというのは毎回同じで、なぜそうなるのか私が聞きたいぐらい不思議で原因不明なのですが、
発表会の時、皆さん妙にうれしそうで、浮かれてふざけて冗談交じりとしか思えない態度で質問したり答えたりすることが、実にしばしば起こります。
私がはっきり怒ったのは、その数回ですが、他にもそうなりかけた雰囲気の時がよくありました。
 我ながら良いものを書いたという満足感からの気のゆるみなのか、不本意なものしか書けなかったという照れ隠しなのか、
どちらにしてもそれは、研究対象も指導教員も先輩後輩も馬鹿にした行為という他ありません。
 
 少しはその分野に詳しくなったから、冗談を言い合って楽しむのがかっこいいと思っているなら、それも大間違い。
お亡くなりになる直前の大先生ならまだしも、そんな気分になるのは千年早いです。
 あまり趣味のいい脅かしではありませんが、私はまだ卒論の単位は出していません。
自分の研究対象に尊敬も愛情も持てないでいる発表をされる方には、それなりの評価を加えたいと思っています。
 充分に書けたと思うなら、もっともっと調べることはあるという謙虚さを持って下さい。
つまらないものしか書けなかったと思うなら、せめて最後まで不十分にしか関われなかった対象を丁寧に扱い大事にしてあげて下さい。
 
 ・・・と、こういうことを言うと、今度は皆さん緊張して墓場のように静かになり、貝のように沈黙してしまわれるのですが、それもまた困る。
大いに質問して和気あいあいと討論してもらってかまわないのです。
ただ、それが悪ふざけではなく、真剣な態度を失っていないことが伝わるように。
難しいことですが、それも最後の勉強と思って下さい。
 

講評は当日に。
 
ただ、前々回の講評と重なる部分も多いので、それも抜粋しておきます。
  
「とはいえ、誰も彼も、時間のなさは否めない。
読んでいて、やれ面白くなるぞと思ったとたんに終わってしまう。」
「短期決戦の集中力と瞬発力は皆さんは誰もすごい。
そういう点では自信を持って下さい。さぞ努力もしたのだと思います。
そして、それは、自分が選んだ、好きなテーマに取り組んでいる、という喜びと無関係ではないでしょう。」
  
「とはいうものの、若い内からそんなものに頼っていたら、
瞬発力は次第に衰えるし、勘もだんだん鈍ります。
時間をかけて愚直な作業をする中で生まれる力を育てて下さい。
『やっと面白くなったのに、あと少し時間があれば』と思う地点や時点までが長くかかる退屈な道です。
ほとんどの皆さんの論文が、それぞれ、そこまで行った時点で時間切れになっています。
発表を聞いていた下級生の人たちも、卒論を書くにあたっては、一日も早く、そこまで行くようにして下さい。
一番研究が面白く楽しくなるところで、時間切れにはくれぐれもならないように。」