エイズ・HIV 

  1.エイズとは...(後天性免疫不全症候群)

     HIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスに感染して起こる病気で,
    感染すると,身体を病気から守る免疫系が破壊されて,身体の抵抗力
    が低下し,様々な感染症や悪性腫瘍にかかるものです。
     HIVに感染しても,すぐには症状が現れません。
    しかし,症状がないにもかかわらず,性行為などによって他人に感染
    させる状態にある期間が長く続きます。この期間を潜伏期間といい,
    短くて6カ月位から長い場合は15年以上の場合もあります。

     潜伏期間を過ぎると,身体の抵抗力が弱まり,様々な病気にかかります。
    この発病した状態をエイズと言いますが,発病してしまうと完全にエイズを
    治す治療薬は,まだありません。

     しかし,HIVは感染力が弱く,感染経路も限られていますから,
    感染予防は確実にできます!

    

     心配な方は,エイズの検査を積極的に受けてください。感染の可能性が
    あったときから3ヶ月以降であれば,感染したかどうかの確実な判定が
    できます。
     検査は,各都道府県の保健所で匿名,無料で受けられ,また病院でも
    受けることができます。
     検査結果を知ることは,二次感染防止ばかりでなく,自分自身にとっても,
    医師の指導を守りながら生活することにより発病を抑えることが可能となる
    ため,非常に重要なことです。
     現在では,発病を抑えるよい薬も開発されており,世界中で治療薬やワクチン
    などの研究が進んでいます。

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  Q2.感染経路,これだけは知っておきましょう!

     性的接触による感染  
        最も多い感染経路です。HIVは主にセックスによって感染します。
        セックスをするようになれば,だれにでも感染の可能性があります。
        “普通の生活なら大丈夫”などということはありません。
        “きちんと予防をしていれば大丈夫”ということです。
        感染者との無防備なセックス(コンドームを使わない性交・オーラルセックス)
        は感染の可能性があります。

     血液感染
        感染者の血液が傷口や粘膜に触れることや,体内に入ると感染の可能性が
        あります。
          感染者からの血液・臓器の提供
          注射針の共用(麻薬の回し打ちなど)
          HIVに汚染された注射器や注射針により感染します。
          血液製剤 輸血
         薬害エイズ問題は,不幸にも血液製剤が原因で起こった事件でした。
         現在では,感染予防のために厳重な対策が行われています。

     母子感染
        HIVに感染している母親から妊娠中・出産時・授乳によって子供に感染すること
        があります。

                      ・・・感染経路は,上記の3つです。

         HIVは,主として血液,精液,膣分泌液によって感染するので,
        日常の社会生活では性行為以外ではまず感染することはありません。
        性行為におけるコンドームの正しい使用は,エイズや他の性感染症予防
        にとって有効な手段です。

        ※ HIVは空気感染しません。日常生活では感染しません。
         HIVは,会社,学校などでの日常的な接触でも感染しません。むやみに
        HIV感染者やエイズ患者を恐れたり,避けたりする必要はまったくありません。

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  Q3.日本でエイズは・・・

     いわゆる先進国の中で,日本だけがHIV感染者数に関してあいかわらずの
   増加傾向
にあります。2006年1年間のHIV感染報告数とAIDS患者報告
    数の合計は,前々年,前年に引き続き過去最高を記録する見込みです。

     性的接触による感染が9割以上。年齢別では,新規HIV感染者報告数のうち,
    20代〜30代が占める割合が7割以上。また,新規AIDS患者報告数のうち,
    30代以上が占める割合が約9割。
     日本では自分のHIV感染に気づいていない人がとても多いといわれています。
    エイズを発症してはじめて自分の感染を知るケースが増えているのです。

                    (参考:厚生労働省ホームページ)

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  Q4.どうすればHIV感染を防げますか?

   HIVとAIDSについて知ること。
     そして他人事ではなく自分自身の問題として考えること。
       自分と,自分が愛する大切な「あの人」を守るために。


     1) より安全なセックスを心がける
      ・ HIVの予防について相手とよく話し合う。
      ・ セックスのときには、コンドームを挿入前から使用する。
      ・ 性器や肛門が傷つかないように、相手を思いやる。
      ※ コンドームは性器が接触する前につけるようにしましょう 。
        コンドームを正しく使用することで、HIV感染だけでなくSTD(性感染症)も
        予防できます。

     2) 覚醒剤や麻薬に絶対手を出さない
      覚醒剤・麻薬には絶対に手を出さないようにしましょう。汚染された注射器
     によるHIV感染だけでなく、心身を滅ぼすことになります。

      「何で感染するのか」を理解する
      
このように,HIVに感染する機会というのは非常に限られていますので,
     「〜ではうつらない」式に覚えるのではなく,「何で感染するのか」という基本
     をしっかり理解しておくことが大事です。そうすればいたずらに怖がることなく,
     基本を応用してどうすれば予防できるかがわかるはずです。


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  Q5.感染者が使用した便座や食器を共用したり,握手やキスで感染しますか?
     蚊やダニから,HIVに感染しますか?
     感染している人が,そばで咳やくしゃみをしたら,どうしたらいいですか?

     HIVは,感染者の血液・精液・膣分泌液に大量に含まれています。
     HIVは,空気中,食べものの中,水の中では生存できません。HIV感染者と
    同じプールで泳いでも,同じ皿のなかの食べ物を分けあっても,同じコップで
    飲んでも感染することはありません。また,HIV感染者が使用した便座や食器
    を共用しても,握手をしても感染しません。
     HIVが,直接血液のなかにはいってこないかぎり,感染の心配はないのです。

     HIVは蚊やダニ,その他の人間の血を吸う虫からは感染しません。
    蚊やダニは人の体から血液を吸うだけで,血液を注入することはできません。
    もし,注入することができると仮定しても,蚊やダニが吸う血液の量はきわめて
    少なく感染させる量にはほど遠いのです。

     HIVに感染した人が,咳やくしゃみをしたからといって,心配はいりません。
    HIVは,風邪やインフルエンザのウイルスのように,咳やくしゃみでうつることは
    ありません。
     しかしあなたが,風邪やインフルエンザにかかっていて感染者のそばで咳や
    くしゃみをすると,その人にうつってしまうかもしれません。HIVのために免疫機能
    が低下している場合,インフルエンザなどに感染すると,具合が悪くなるだけでなく
    体の抵抗力が弱まり,重い病気を併発する可能性があります。

     ※ こんなことでは感染しません。
       軽いキス・せきやくしゃみ・洋式トイレ・一緒の食事・銭湯・サウナ・虫さされ・
       握手・お金・抱擁・献血・身体が接触するスポーツ・理容美容院・公衆電話・
       プール・カラオケのマイク・汗・涙・つり革や手すりなどでも感染しません。
     ※ ペットや虫を介しては感染しません。

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  Q6.エイズの相談はどこで受け付けてもらえますか?

     エイズに関する相談は,全国の保健所にて可能です。
     エイズを含む性感染症に感染したかもしれないという心当たりがあるとき,
    悩みをひとりで抱え込まず,保健管理センターで相談して下さい。もちろん,
    相談内容の秘密は保たれます。不安や疑問を感じたらお気軽にご相談下さい。

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  Q7.エイズの検査を受けたいのですが,どこで検査してもらえますか?
     感染した日からどのくらいたって,検査を受けたらいいのですか?


    HIV検査は下記で実施しています。

   ・保健所
     全国のほとんどの保健所でのHIV検査は,無料・匿名です。自分の居住地以外の
     保健所でも検査を受けられます。名前の代わりに番号のみ使用し,その番号で検
     査が行われます。従って個人を特定されることなく検査が受けられます。検査結果
     はその番号が書かれた特定の用紙と引き換えに聞けます。 プライバシーは守られ
     ます。しかし,保健所で検査を行う場合は地域によって検査時間が異なりますので,
     事前に時間等を確認するとよいでしょう。

   ・一般の医療機関
     また一般の医療機関でも,有料でHIV検査を受けられます。

     保健所・検査機関によって検査日時が異なります。多くの保健所は1週間に1日,
    平日の昼間に検査を行っています。あなたの行きやすい検査機関で検査を受けて
    ください。

     検査は血液を採るだけです。HIVの抗体が体内にあるかどうかを調べます。
    HIVに感染すると,体内ではまずHIVが増え,その後HIVに対する抗体が作られます。
    抗体とは,HIVに感染したことを察知した体の免疫システムが作り出すタンパク質で,
    この抗体が体の中にできるまでには通常6〜8週間かかります。
    このため,感染直後に検査を受けても正しい結果は得られません。
    感染の危険があった時から3ヶ月以降に検査を受けるようにしてください。

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  Q8.献血でエイズの検査はしてもらえるのですか?

     献血された血液は,患者さんのために安全な輸血が行われるよう,血液型や
    エイズなどのウイルスの感染の有無など厳しい検査が行われています。
     しかし,エイズウイルスは感染初期には最新の検査によっても感染を発見でき
    ないことから,エイズ検査目的の献血は,患者さんにエイズを感染させてしまう
    かもしれない大変危険な行為となります。
     もしも,エイズ感染の可能性がある場合には,専門の医療機関または最寄り
    の保健所に相談してください。
     検査目的(特に感染初期)の献血はやめましょう。

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  Q9.友達は,一回ぐらいのセックスでは感染しないと言いますが,本当でしょうか?

     たった1回のセックスでも妊娠することがあるように,たった1回の無防備な
    セックスでも,HIVに感染する可能性はあります。
     あなたが危険な行動をとっているかぎり,HIVに感染する可能性はいつだって
    あるのです。1回であろうと100回であろうと,回数は問題ではありません。
     感染者とのコンドームのないセックスあるいはコンドームのないオーラルセックス
    をした場合は感染の可能性があります。
     感染の危険があった時から3ヶ月以降に検査を行うことをおすすめします。

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  Q10.パートナーがひとりなら大丈夫?

     あなたもパートナーも「過去にほかの人とセックスをしたことがある」限り,
    どこかでHIVに感染しても平均10年くらいは気がつかないので,それぞれの
    過去のパートナーがみんな関係してきます。
     「いまは,パートナーはひとりだから大丈夫」はとても危険な誤解です。

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  Q11.経口避妊薬ピルを飲んでいればHIVに感染しませんか?

     ピルは,性周期に影響を与えるホルモンをコントロールして排卵を抑え,
    妊娠しないように作られた薬です。
     HIVを含むすべての性感染症の感染を防ぐことはできません。
     性行為によるHIV感染を防ぐ確実な方法は,現時点ではコンドームを
    正しく着けることだけです。

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  Q12.クラミジアにかかっていると,エイズに感染しやすくなるのは本当ですか?

     クラミジアだけに限らず,梅毒や淋病,性器ヘルペス症などの性感染症に
    かかると,性器の粘膜が壊れてHIVに感染しやすくなります。
     このため,性行為ではコンドームを正しく使用することが大切です。
     コンドームの正しい使用はエイズに限らず,それ以外の性感染症予防にとって
    有効な手段です。


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  Q13.HIVに感染してから,どのくらいたつと発病するのですか?
      HIVに感染したら,誰でもエイズを発病するのですか?

     感染した人の健康状態や,その人の免疫システムが,HIVによってどのくらいの
    速度で破壊されるかで違ってきます。人によっては15年たっても,これといった
    感染症や合併症がおこらない例もあります。逆に人によっては,感染後1〜2年
    以内に発症する例もあります。

     HIVは潜伏期間が長いため,HIVに感染した人が実際にどのくらいの割合で
    発病するのかというデータ,最終的な結論はまだでていないというのが現状です。
     覚えておきたいことは,HIV陽性と告知されても,必ずしも発病するとはかぎら
    ない
こと。
     同時に,全く症状がなくても,生涯HIVを体内に持っていて,他の人にうつる
    可能性がある
ということです。

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  Q14.エイズにかかるとすぐに死んでしまうのですか?

     HIVに感染しても,ほとんどの人には症状がありません。
     この症状がない状態はしばらく続きますが,この状態を無症候性キャリアと
    いいます。さらに,免疫力が弱くなるといくつかの日和見感染(※)などをおこし
    ます。この状態をエイズの発症といいます。
     未治療の場合で,HIVに感染した約半数の人が10年以内に発症すると言われ
    ていますが,個人差が大きい病気です。
     また,エイズの発病をおさえる薬や治療法が開発されています。
    HIV感染症そのものはまだ完治できませんが,最近は強力な効果のある薬が
    使えますので,それを服薬することによって,HIVが体内で増殖するのを極力
    抑える方向で治療が行われます。かつてのように何もする術がないというわけ
    ではありません。
     このため,医師の指示に従い,併せて規則正しい生活やバランスのとれた
    食事,適度な運動などの健康管理に取り組むことで,病気の進行を遅らせながら
    社会の一員として生活を送ることは可能です。

    ※ 日和見感染(ひよりみかんせん)・・・・・・免疫能力が低下したときに
                              感染症を引き起こすこと。

     HIVに感染しても特別な自覚症状が出ませんので,検査を受けない限り
     感染しているかどうかは分かりません。
     少しでも感染の心配があれば,検査を受けることをおすすめします。


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  Q15.エイズのワクチンはないのですか?

     現時点では,エイズのワクチンはありません。これは例えばハシカのように
    予防接種をすることで,HIVから身を守ることができないということです。
     HIVに対するワクチンを作るのが困難なのには,理由があります。
    HIVは細胞と一体化してしまうのに加え,普通ならワクチンによって活性化する
    免疫細胞そのものを攻撃するからです。そのうえ,HIVは地域や年月が違ったり
    すると,表面の構造が変化し,急速に突然変異を遂げる性質をもっています。
    このことが,誰にでも効くワクチンを生産することを非常に困難にしています。
     HIV感染者は現在も恐るべき勢いで増加しているし,これといった治療法も
    ないため,ワクチンは切実に必要とされていますが,HIVの感染を阻止できる
    有効なワクチンの開発に成功するのには,まだ時間がかかると考えられています。

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  Q16.HIV感染者・AIDS患者は日本に入国できるのですか?

     日本では,感染しているから,エイズを発病しているからといって入国を
    拒否されることはありません。

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