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平成28年度入学式 式辞 (平成28年4月4日)

  福岡教育大学の教職員を代表して、新入生のみなさんのご入学を心より歓迎いたします。
  ここにお集まりのみなさんは、初等教育教員養成課程、初等教育教員養成課程幼児教育選修、中等教育教員養成課程、特別支援教育教員養成課程、学部への編入学のみなさん、大学院教育学研究科教育科学専攻、並びに教職実践専攻の大学院生、そして、特別支援教育特別専攻科のみなさんに加えて、教員研修留学生のみなさんです。
 本学で過ごされる年月は、1年間から4年間まで、それぞれでしょう。異なる期間ではありますが、様々な目標に向かって学びを進めていただきたいと思います。
 また、ご家族の皆様には、めでたく今日の日を迎えられましたことに、お慶びを申し上げます。そして、本日ご臨席を賜りました来賓の皆様にも、厚く御礼を申し上げます。
 さて、これから次の3点についてお話いたします。
 最初は、本学の歴史についてです。これまでの福岡教育大学を振り返ります。次は、本学の目指す姿、これからの福岡教育大学の展望についてです。最後に、本学で学ぶみなさんに対する、わたくしからのメッセージです。
 始めに、本学の歴史についてお話しいたします。本学の起源は明治6年に開設されました、小学校の教員を養成する「学科取調所」にあります。この学科取調所は、明治9年に、「福岡師範学校」と改組されました。
 その後、昭和24年5月31日に公布されました国立学校設置法に基づき、福岡県内の各地に設置されていました師範学校を包括して、新制大学「福岡学芸大学」として、発足いたしました。これにより、本学の開学記念日は、翌日の6月1日と定められました。
 昭和41年4月1日には、国立大学設置法の一部改正により、大学の名前を「福岡教育大学」と改め、同年11月1日には、各地に分散していたキャンパスを、この宗像、赤間の地に統合移転を完了しました。平成16年4月1日からは、国立大学の法人化により、「国立大学法人福岡教育大学」となりました。この間、昭和58年に、大学院教育学研究科を設置、平成21年には、大学院に教職実践専攻を設置しました。
 また、本年度から、その募集を停止しました、共生社会教育課程、環境教育課程、芸術課程の3課程は、平成3年に設置しました、教員免許状の取得を義務付けない「総合文化科学課程」にその端を発します。
 このように、今年、平成28年には、赤間の地へのキャンパス統合移転50周年を迎えることになります。このキャンパスを寄贈いただきました、出光興産の創業者であります、故出光佐三様を始めとしまして、地元宗像市はもとより、福岡県、福岡市、北九州市、並びに各地の教育委員会等のご支援、ご協力のもと、今日の福岡教育大学があります。
 このことに、深く感謝の意を表すると共に、本学の新たな発展を期しまして「福岡教育大学統合移転50周年記念事業」の周年行事を計画しています。みなさん、ぜひご参加ください。
 2番目は、これからの福岡教育大学についてです。国立大学の法人化後、今年は、ちょうど第3期の中期目標・中期計画がスタートします。国立大学法人は、文部科学大臣が定める6年間の中期目標に基づき、それを達成するための、6年間の中期計画をたて、各年度の年度計画を策定することが義務付けられています。
 本学は、義務教育に関する、九州の教員養成拠点大学として、豊かな知を創造し、力のある教員を育てることを明言しています。
 教育学部においては入学試験改革を行い、将来、教職につくことを希望する学生を募集し、本年度から実施する新カリキュラムにより、実践的指導力の育成・強化を図ります。
 加えて、正課外の活動として、全ての学生が参加できるように、ボランティア活動の推奨を行います。また、学校現場で実践可能な英語コミュニケーション能力の習得や、留学に必要な英語力向上を目指す、「英語習得院」を設置しています。これらにより、学部のみなさんが卒業する平成32年には、教員就職率90%を実現するように、教職員、総力を挙げて取り組みます。
 今年ご入学の学部学生のみなさんは、よくご存じのことと思いますが、本年度から、生涯教育3課程の学生募集を停止いたしました。これはとても残念なことでありましたが、限られた人材や財源、資源を教員養成機能に集中することにより、本学の役割をより良く果たしていくという決断によるものです。2年生以上には、生涯教育3課程の学生がたくさん在籍しています。これらの先輩に、授業やボランティア活動、クラブ活動で出会ったときは、ぜひお話をしてください。それぞれ異なる目標に向かって歩んでいる人々の考えを知ることは、とても大切なことであり、お互いにとって貴重な経験となるでしょう。
 このような、第3期の中期目標・中期計画を始めるに当たって、本学の大学名称の英語訳を、「University of Teacher Education Fukuoka」と変更し、本学の学章に加えて、新しいロゴマークを策定いたしました。
 最後は、わたくしからのメッセージです。
 ここにいらっしゃるみなさんは、将来への希望と共に、大学での勉学に、ついて行けるだろうかという一抹の不安を抱いてあるかも知れません。しかし、ここにいらっしゃるということは、本学が、「みなさんは本学で学ぶための資質がある。」と判断した結果によるものです。自信をもって、意欲的に「大学での学び」を始めてください。
 みなさんは、「学ぶ」ために本学に入学されました。この学ぶにあたって、大切なことが4つあります。それは、「なにを学ぶか」、「いつ学ぶか」、「だれから学ぶか」そして、「だれと学ぶか」です。この4つがそろったとき、学びは最大の成果を上げます。
 これからの教員には、「自ら学び続けること」が要求されています。みなさんのなかには、興味関心がもてるならば、学び続けることは可能であると思っている方もいらっしゃることでしょう。しかしながらわたくしは、学び続けることができることは、一つの才能であると思っています。厄介なことに、この才能があるのかどうかは、学び続けてみなければ、分かりません。さらに、学び続けることによってのみ、この才能を伸ばすことができるのです。
そのためには、分からないことを、言語化し、抱え込み,自分の頭の中で育てることをするのです。分からないことを明確に意識できれば、より深いレベルの「分からない」へと移行したり、視野が開けたり、理解が深まったり、と前に進むことができます。分からないことから逃げ出さずに、分からないことを認めることからスタートしてください。「分からなくても不安に思う必要はない。」とみなさんにメッセージを送ります。
 そして、学ぶにあたっては、既に十分に理解していると思われることでも、改めて考えてみることにより、新しい知識の展望が開けます。わたくしは、数学の幾何学を専門としています。一つ、例を挙げてみましょう。
 小学校算数で学ぶ公式のなかでも、三角形の面積の公式はよくご存じではありませんか。
 「底辺 かけ 高さ 割る 2」というものです。しかし、底辺の選び方は、三角形には3つの辺がありますから、3通りあり、一般的には異なる値となります。また、それぞれの辺に対する高さについても、多くの場合、異なるものです。普通は、異なるもの同士をかければ、その値は異なるものです。ところが、これらの値は、一致します。このことは、不思議ではありませんか。知っていることでも、改めて考えてみることが大切なのです。
 学ぶにあたって、決して、してはならないことが二つあります。一つは、分かった振りをすることです。分かった振りをすると、自らを騙してしまい、そこで成長が止まります。
 二つ目は、後で勉強しようと思うことです。問題を先送りする癖がついてしまいます。
 学ぶためには、自分が分からないことに、真っ向から向き合い、立ち向かっていく勇気をもつことが大切です。
 このようなことを心に留め置き、これから始まります本学での、みなさんの大学生活が、輝かしいものになることを祈念いたしまして、わたくしの式辞といたします。

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